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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
端的に面白かった。
しいて言えば“相棒”があまりにおあつらえ向きで
でき過ぎ、というくらい。
その割にそれまでに潰れていった同僚が多いな、という。
設定が面白いし、
伏線もしっかり張ってあって拾いきれない。
でもしっくりくる。
終わりのハッピー感は編集に言われて変えた感があるけれど、
続きの予定も出ているので楽しみにしたい。
SF世界観の刑事ものミステリー
2021/08/31 19:50
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
重度の脳炎を引き起こす新型感染症の蔓延で何千万という人が死んだ結果、脳に埋め込んだ端末ユア・フォルマによる情報処理技術とロボット工学が極まった世界。
インターポールの電子犯罪を扱う部署で他者のユア・フォルマから機憶を読み取って捜査をする特殊捜査官であるエチカは、処理能力が高すぎて補佐官に負荷をかけすぎて潰してしまうことで有名だった。
そんな彼女に新しくつけられた補佐官は彼女が嫌いなロボット「アミクス」で、人らしく振る舞う彼に苛立ちながら電子ウイルスの事件に臨むSFミステリー。
攻殻機動隊のような感じの電脳刑事物が好きなら好きな感じ。
男女バディものは好物なので期待して読んだのだけど、相棒のハロルドが本当にめちゃくちゃ苛立つタイプの男だったので、すごくエチカに同情してしまった。
高度な人工知能を得た人間そっくりのアンドロイドというSFの命題と人間の葛藤。
それが上手く混ぜ合わされていた上、ミステリーとしても面白かったのは間違いない。
私だったら10発は殴って海に沈めてるのでエチカは本当に我慢強いな……。
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最初の設定を理解してしまえば話がどんどん進んで一気に読めた。人間とヒト型ロボットが事件を解決していく。ヒト型ロボットのハロルドの方が人間らしくておもしろい。
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読んだ感想としては、設定がとても作り込まれていて世界観に引きずり込まれるような内容でした。
内容は、独特な設定の中にミステリーを落とし込んだような感じですが、人間ドラマとしての側面の方が強いように感じられました。
謎がそこまで複雑ではない分、設定を徐々に明らかにさせていくことによって、最後まで色々考えさせられる物語でした。
ただ、物語の要である『電索』の要素が、少なさすぎるような気がしました。
恐らく、ここまで複雑な設定を1冊の中で、上手くやりくりするのは難しかったのだと思います。
その分、先を見据えて作られているというのをヒシヒシと感じられます。
これからの展開によって、この作品の評価は大きく変わっていくのではないかなと思います。
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今年は久しぶりに続刊が出るという情報があり、最初から読み返してみようと2025年2月13日再読。
プロットはそこそこ覚えていたが、やはりディテールはかなり忘れている。例のプログラムがユア・フォルマの中に組み込まれていたことは完全に失念していた。
それからユア・フォルマの前身であるニューラル・セーフティの開発が1990年代であり、この話自体が2023年のことという設定も覚えていなかった。
この1巻目から、「人間のような機械」と「機械のような人間」の対比という視点は出ており、そこの境界をどう考えるのか、あるいは境界があるのかどうかという論点が意識されていることが分かる。
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春先に本屋さんで見かけて
話題になっていたのは知っていたんですが
そこから読むまで三カ月。
読んでみたらこれは完全に
「ラノベじゃなくて普通にミステリ」
と思えるような内容でした。
相棒は合理的で観察眼が鋭く
相棒の方がホームズっぽい気質です。
事件解決のために
攻殻機動隊で言うところの
電脳ジャック的なことをするのですが、
主人公はその能力が高すぎて
補佐できる相手が今までずっとおらず
今回相棒になる男が同レベルの天才だった為
全力で電脳ジャックできるんだけど
単純に相棒が皮肉屋で人間的に合わん!
ってな感じでやり取りがあってキャラ立ちしてます。
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ニーズがあるから大賞なのだと思うのだけれど、個人的にはあまりにステレオタイプなヒロイン(とその相棒の男性キャラ)で、うーん、というのが率直な感想。世界観や話の作り自体はしっかりしてて普通に面白かった。キャラクターが合わなかったので続編は買わないです。
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ライトノベルだけど、それを感じさせないほどの完成度。
これは面白かったな。
ロボットと相棒を組まされた若き天才女性捜査官。
いわゆるバディものの典型だけど、なかなか設定がよかった。
攻殻機動隊とシャーロック・ホームズを足したような面白さ。
女性捜査官の方がワトソンになってしまっているところがご愛敬。
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面白かった。
近未来SF×ミステリーと、暗い過去を持つもの同士のコンビなのが良かった。
最初は、機械みたいな人間であるエチカと、人間臭い機械であるハロルド、という構図かと思いきや、ハロルドがしっかり機械だった、という展開も好き。
ミステリーも複雑で楽しめた。
所々、哲学的な問いかけがあるのも、考えさせられた。機械のプログラムと、人間の脳の電気信号による思考、果たしてそこまで違うものなのか?であったり、敬愛規律の存在であったり。
数十年後に議論されていそうなテーマで、面白かった。
電撃文庫で大賞なのも頷ける作品だった。
次巻を読むのが楽しみです。
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人間味の無い機械のような人間と、機械らしく無い人間じみた機械。
相反する2人が機械を脳に埋め込む事が当たり前となったSF世界で活躍するSF相棒もの。
映画「インセプション」を彷彿とさせるような人間の脳内記憶への侵入技術「電索」や、視界に自動で字幕やパーソナルデータが出る未来のAR技術のような「ユア・フォルマ」。ゲーム「デトロイト・ビカムヒューマン」のような人型高性能ロボット「アミクス」といった近未来SF要素がこれでもかと出てくる。
そういったSF要素に慣れていない場合は少し読みにくいかもしれない。
しかし魔法的設定などよりスムーズに理解しやすい。近未来SFは時代が進んだ今だからこそイメージしやすい要素になったとひしひしと感じられた。
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構成としては推理物によくあるタイプで断片的な情報から主人公に内包された謎が明らかになっていく。
メインキャラ2人のやり取りはあまり自分の好みには会わなかった。どちらかと言えば女性向けかもしれない。
SF含みの設定のせいで推理する楽しさもあまり味わえなかったと思う。
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今までもあったものけど、
この世界で新しく作り出す概念に
新しい名前をつける。
SFな世界。
名前が付けられることで
物語に触れる前から
その名前を聞くだけで、その世界の入り口に立ったような気持ちになる。
名付けることが全ての始まり。
今まであったのだけど、この世界だけの新しい違い。
アミクスって名前がデータベースにあることで
この物語が始まったような気がしました。
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大賞とったのも納得の面白さ!
感情まで記録される情報端末って設定がユニークで、捜査のために感情まで同調していく描写が面白い。
個人的にハロルドがとてもツボです。人当たりがいい好青年に見えて実は……なところとか機械なのに人間の相棒より感情豊かなところとか、ほんと全要素好きすぎる。
個人的にこの巻終了時点くらいの温度感の非恋愛男女バディ好きすぎるのでエチカとハロルドは最後までこんな関係性でいてほしいなーと思います。願望ー
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人の頭の中に残った記憶を読み出す「天才」電索官エチカと、その補佐官で超優秀なアミクス(ロボット)であるハロルドの2人で事件の解決に挑む、バディ物。
電索以外はさっぱりなエチカが、ホームズの並の優秀さを誇るハロルドに振り回されている感じが良き。
中々に重厚な展開で、終盤にかけての解決編はなるほどね~、と思えるもので中々に良かった。
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アニメ化の広告を見て面白そうだったので。
実際に非常に面白かった。
バディである二人の関係性のハラハラやら、事件が二転三転してどうなるんだというハラハラが癖になるというか。
事件が本当に何重にも練られていて面白かった。
推理ものとしても十分楽しめる。
キャラそれぞれに謎があるのもいい。
主人公のエチカがメンタルが強そうでいて案外不安定というか弱い部分を持つキャラなので、ついつい親視点で見守りたくなるというか。
一方でハロルドはアミクスらしくない性格を見せておきながら、結局アミクスらしい計算された動きをしていて「くそっ、やっぱりお前機械だな!」と思わされることがちょくちょく。
彼は彼で「あっちと思わせておいて実はこっち」と心証がふらふらするので定まらず、バディが二人そろって何だかんだで未完成な不安定さを感じる、まあある意味お似合いの二人だったなと。
基本的にはエチカがハロルドの手玉に取られているけど、ある一点においてはハロルドが転がされてるのも推せるポイント。
エチカは無自覚だけれども。
この二人がこの先どう関係を深めていくのか楽しみである。
ということで、2巻買ってきました。