先端的な法律実務家もまた「サイエンス」にあたるものを渇望しているのである
2018/05/22 11:23
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投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「はしがき」に、「改訂の方針は叙述を多少簡潔にするというものであった。しかし結果として、基幹の部分の説明を全面的に入れ替えることになった。」とある。自由とは、贈与交換を典型とし、しかし言語行為や記号連関をも含む、「交換」によって媒介される「相互依存」に由る支配従 属関係からの解放のことである。ローマではこの点、自由な体制というものを優先させるから、宗教が団体を意味するときには全く自由ではありえないという考え方を採った。これは宗教について不寛容であるというのでなく、団体について不寛容なだけである。実際には新しい宗教は必ず公式化し都市中心に囲い込んだ。自由が極大化されている公共空間において開かれた存在になってもらうのである。
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まずもって難解。初学者のための本ではない。何とか読了はしたものの、どれだけ理解できているか・・・。勉強になったのは、現代の民法典にも通じる制度が古代ローマで成立していた点。占有権やら取得時効やら、それが2000年も前の時代に成立していなんて・・・本当に感動する。
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何かおかしいと感じること(「おかしいものは、おかしい」byすが)、そこから問いを立てる、異なる国、時代をも題材に、彼ら彼女らがその問題をどう発見し、掘り下げ研ぎ澄まし、真剣に取り組んだか、どのようにして挫折したか、を探って欲しい。と木庭先生は呼びかける。
デモクラシー、国際化、がもたらす課題にローマがどう取り組んだのか、私にはとりわけ興味深い。
問題を飛ばして答の方ばかりを見ていては、社会に役立つ法律家、社会人、とはなり得ない。法、社会、政治の問題を解決してみたいと立ち上がり、深く考えることを厭わない人に読んで欲しい。難しいが、索引が充実していて助けになる。
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全然「案内」じゃないね。むしろ「迷宮」。
ローマの歴史や法文化をある程度知ってて当然の前提で書かれてる。文章も主観が入り交じり、難解。ラテン語が言語のままで次々出てくるから、読んでいてわけがわからなくなる。人に読んで理解してもらう前提で書かれてない。
俺の本で勉強するには努力と根気がいるよ、それでもついてこられる人には深みがわかるはず、って前提で書かれてるような気もする。まあ、それでも頑張って読むと、「占有」を基礎に今の民法の基本的な制度、概念が生まれたことはぼんやりとではあるが、少しはわかる。
「案内」の表題から入門書だと勘違いしないように注意!
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占有や契約,所有などといった概念がローマ法でどのように示されたかの専門書,なのだがあまりのレトリックの多さで無駄に難解さが盛られている。