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投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
チェスの知識は全くないけれど、Netflixのドラマがとても面白いと評判だったので読んでみた。ものすごく面白い。孤児の主人公が才能ひとつでのぼりつめる様と試合展開に痺れたし、女性キャラクターの描かれ方が表面的でなく、奥行きがあるところもいい。特に主人公と養母の関係性が絶妙。これが1983年に発表された作品だということに驚く。
クイーズ・ギャンビット
2021/09/04 19:27
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投稿者:ごんちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
チェスの試合の本だが、ベスが世界チャンピオンのボルコフと息詰まる心理戦が面白かったです。孤児院の友達ともうまく付き合えるようになり、社会とも戦い、薬の依存症とも戦って成功の階段を努力していく姿が良かったです。
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盤上で繰り広げられる凄まじい心理戦。息が詰まるくらいのチェスの描写には最高に惹きつけられる。男性が圧倒的に多い世界で、問題を抱えながらも勝ち上がっていく姿もカッコいい。原作から37年越しの邦訳だが、とても面白かったのでよくぞ邦訳してくれたと感謝しかない。
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「一緒にチェスをしませんか?」
Netflixのドラマを見て、原作を読みたい!!
と強く思ったので。
映像化って大抵ガッカリしがちだけど、これは違ったのでは?
原作の雰囲気を崩すことなく、映像の強みを活かして成功していたと思う。
原作はクールなベスの内面が見て取れて面白い!
いろんな人との関係もベスにとって悪くなかったと知れて嬉しい!
チェスは駒の動き方しか知らないけれど、
自分でもやってみたくなっちゃった。
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あらすじ(新潮社より)孤児院で育った少女ベス。用務員にチェスを習い天賦の才を開花させた彼女は、やがてウィートリー夫人に引き取られ、各地の大会で強豪プレイヤーを相手に次々優勝、男性優位のチェス界で頭角を表す。孤児院で与えられた安定剤と、アルコールへの依存とも闘いながら、ベスはついにソ連の大会で最強の敵ボルゴフと対峙するーー。ドラマ化で話題を呼んだ、天才チェス 少女の孤高の挑戦を描く長編小説。
ドラマ版に魅了されて本も読んでみた。
欲しいもののためには手段を選ばず(盗みも働く!)、勝つことへの執着が強い、並外れた知力を持つベス。本を読んでも眼光が鋭いアニャの姿が浮かんできてイメージにピッタリだなと思った。(彼女の容貌が平凡であること以外は)
ドラマでは完全には捉えられなかった、ゲーム中の彼女の複雑な心境の変化がリアルタイムで伝わってくるのが本の魅力かなと思った。チェスの知識はなくても、彼女の焦りや恐怖、喜びが読者側に臨場感を与えてくれる。無知なのに、一緒にプレイしているかのような気持ちにさせてくれるのすごい。
もちろんドラマ版でも描かれてはいたものの、どうしてこれほどまでに強い女性であるベスが、薬とアルコールに溺れてしまうのか、男性を求めてしまうのかも理解しやすくなった。孤独であるからこその彼女の強さと脆さが伝わってくる。
男性中心のチェスの世界で居心地の悪さを感じながら、唯一の女性であることばかりに注目されながらも、「私が変えてやる」という思いを胸に実力でのし上がっていくベスという主人公は、どれだけ激しくても、ボロボロでも応援したくなってしまうね。
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非常に面白かった。ちなみに私はチェスは全く知らない。冒頭のチェスの説明を見て、これは失敗したかと思ったが、本の面白さには全く関係なかった。本当に面白い話で、オススメ。また、この話が書かれたのが30年ぐらい前であること、作者がハスラーを書いた人であることなど、読み終わってから知った。普通の人が、このレベルのチェスを書けるのは驚異。
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Netflixでドラマ版を見てからの読了。ほぼ展開は原作と一緒だったので、面白く読めたものの、意外性は少なかった。読む順番によりけりかなと。
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不遇の少女が、チェスと出会い、男性優位のチェス界で対戦相手を続々と凪倒し、ソ連のチャンピオンと死闘の末に勝利する娯楽大作だ。いや、むちゃくちゃ面白かった。
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チェスの知識はほとんどありませんがチェスのシーンはしびれました。脳内の盤上で繰り広げられる最善手への旅に引き込まれました。マルドゥック・スクランブルのカジノのシーンが想起されました。
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久々にドはまりしたドラマの原作をやっと読んだ。
文体はさっぱりしていて、飾気や情感はほぼなく、すごく丁寧に書いた脚本みたいな印象で、ドラマにしやすかったのではないかと思った。かなり原作に忠実に作られていたことがわかった。
無口な主人公ベスの心情が文字化されてあり、そこはやはり小説の醍醐味だなと思う。
ベスが初対面で嫌いになったり心の中で悪態つく人多くて笑う。特にドラマでは気がつかなかったけど、自分より年下のチェスプレーヤーのジレフに対してあんなに心の中で辛辣に貶しているとは、小説を読まないとわからなかった笑。
チェスがメインの話ではあるけど、チェスを通じて孤児で孤独だったベスが人間関係を展開していくところが一番の見所だと個人的に思う。
好きなのはウィートリー夫人との関係性。単なる義母と養子の間柄だけでなく、ブロマンスの対義語のロマンシスを感じた。もちろんジョリーンやシャイベルさんとの関係も好き。
チェスの部分は全然理解できないので、プレー中の心情だけ目を通してたけど、理解できたらより面白く読めるんだろうな。
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誰かも書かれていましたが、
私もNetflixドラマで観覧してから原作を読みました。
映像を観た後だったので、原作が読みづらかったという事は無かったです。
ただ、映像を見た直後は史実だとばかり思っていたので、原作も読んでみたくなったのですが、
実はフィクションだった知りビックリしてしまいました。
それだけ、話が上手く進んでいたし纏まっていたように思います。
孤児院で孤独と疎外感に蝕まれながらチェスを習う→勝利すると周りから注目される→脚光と孤独と勝負に塗れながら酒に溺れる→本当の人間の温かみを知る。
孤児という不安定な心や、その不穏な空間、
チェスでは、感情を表に出すと負けてしまうんじゃないか?!という緊張感。
最後の最後まで何かを押し殺していたベスが、
エンディングで、まるで感情の波が襲ってくるようなhumanism的要素が押し寄せてくる小説で、構成が素晴らしかったと思います。
映像ではアニャ・テイラー=ジョイが可愛くて(本当に子供のようでした)
原作を読みたくなる切っ掛けでした。
チェスの事は私も解らない事が多かったけれど、
ベスと同調したように手に汗握る部分もありました。
ただ、実話としては『完全なるチェックメイト』という映画がチェス物語として多く知られているようです。
クイーンズ・ギャンビットも少なくとも、この作品を参考にしている部分もあったのかな?と思います。
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孤児の少女がチェスの実力を身につけて世界で活躍していく姿に痺れた。
男性優位、孤児院の窮屈な生活、貧困な母子家庭、依存症、外見へのコンプレックスなどの逆境に負けず成功していく主人公の姿に魅了された。
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2021年に発売された本書であるが、年をまたいで読み始めることに。あっという間に読み終えてしまった。読み始めから「面白い作品に出合えたかも…」という期待を持たせたが、その予感は的中した。私個人としてはかなりハマって読めた。主人公のベスが非常に魅力的に映る(表紙のドラマ版の役者さんの印象もあるかもしれないが)。
単にチェスで無双しまくるかと思いきや、年齢が上がってくるにつけ、神童も人間関係やお酒におぼれて挫折を味わったりするさまを淡々とテンポよく描いていく。「淡々と」と書くとどうしても「あっさり」として物語に浸れないのかというとそうではなく、どうしてそうなるのかベスの心のうちがしっかりと描いているし、なんなら言葉以上に心のうちのベスは多弁なのである。それがまた主人公を魅力的に見せるゆえんである。
また、要所要所で出てくるベスを取り巻く友人やチェス仲間たちも単なるその場しのぎのキャラではなく、「ラスト」へ向かうための重要な役割を果たす。使い捨てのキャラクターが実は一人もおらず、「ベス」という人間を構成する重要なポジションにあるため、終盤はアツい!
きっと単に一人で無双するシーンの連発ではこうも物語には浸れなかったであろう。著者の構成力には恐れ入る。
本書は原版はかなり前に出されたのだが、チェスという「盤面」を創造させるためにかなり工夫が必要であったらしく、長らく邦訳されていなかったらしい。訳者の方もなんとか少しでも本書の世界観に浸れるように駒の動きなどを序盤に説明していたりと頑張っている。勿論、その努力は功を奏したと思うし、このように長らく未邦訳ながら「埋もれている」面白い本に出会えたという貴重な体験をさせていただいたことに感謝したい。
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ブクログで知った、ベスという少女の成長物語にひきこまれました。
孤児院で育った少女ベスは、ある日、用務員シャイベルがチェスを指しているのを見た。そのときからチェスの世界にひきこまれていく………孤児院での精神安定剤による薬物依存。養子後、チェスの勝敗ストレス、不眠から逃れるためのアルコール依存…タフな人生を送るベスがどうなっていくのか…気になってどんどん読み進めました。
p.64~
高校のチェスクラブで多面指ししている場面(ベスは8歳)が美しいので引用します。
駒の快く甘美な動きにベスの心は輝き、魂は彼女に歌いかけた。ーーわたしは小さいけれど強くて、この場を支配しているのだと。外では鳥が鳴いていたが、ベスには聞こえなかった。部屋の中では何人かの生徒が彼女を見つめていた。男の子たちが廊下からやってきて、後ろの壁の前で並んで立ちながら、町外れの孤児院からやってきたこの冴えない女の子が、競技場のカエサルや、照明の下で踊るパヴロワみたいに動じない力を発揮しながら、プレイヤーからプレイヤーへと回っていくのを見ていた。十人くらいの人が見ていて、中にはニヤニヤ笑いをしていたりあくびをしたりする人もいたけれど、他の人たちはみんな部屋に充満するエネルギーを感じていた。このくたびれた古い教室の長い歴史の中で、これまで一度も感じたことのないものを。
実際にベスがやってみせたのは、基本的には驚くほど些細なことだったが、わかる人には、彼女の素晴らしい頭脳が持つエネルギーが部屋の中でパチパチと音を立てるのが聞こえた。ベスのチェスの動きはその音と一緒に赤々と燃えていた。一時間半後、ベスは一切のミスや無駄な動きをしないまま、全員を打ち破った。(中略)
ベスはまた、ただの無力な少女に戻っていた。
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ドラマと同様原作の方も非常に素晴らしい。フェミニズム要素が一番印象的だ。チェスというテーブルゲームにおける心理描写が非常に明確に描写されている。孤児院育ちゆえの孤独感が根底にあり、前編を通じて成功と金銭への欲望が遠慮なく描写されており、その点では嫌悪抱かせる部分もあると感じた。しかし最後において公園で一般人とチェスを指すラストで本編通じペスの人格としての成長も感じられるのであった。