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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
外からは、見ることができない、女性たちのタブーな部分に踏み込んでいて、読んでいても辛い気持ちになりました。
ノンフィクションなら極上でも、フィクションなのでチープ
2023/12/26 16:05
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投稿者:ブラウン - この投稿者のレビュー一覧を見る
淡々と描写すれば現実的で生々しすぎてチープになるストーリーラインに、重厚なバックグラウンドを充填することで、何でかとんでもない読みごたえになってしまった感じ。ノンフィクションというかモキュメンタリー風に割り切って構成すれば没入感が出るだろうか……? ともかく、骨組みになるストーリーの弱さをキャラ説明で補強している無理やり感が残念。
父親としては読むのが辛い小説である
2019/12/31 17:08
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユカと輪そしてその夫、五月と弥生そしてその夫、涼子と一弥そしてその夫、の話である。たまに生意気な口を利く成人したわが子に向かって私は「独りでに大きくなったつもりでいるのか」と叱ることはできない、私は彼女が赤ん坊だったころ、何をしていたのであろうか。私も主人公3人の夫と似たり寄ったりだった、わが子が機嫌がいい時にはかまってやるのだが、機嫌が悪くなるとすぐに妻に任せきりになっていた。最近、子供の虐待事件のことがたびたびマスコミをにぎわしている、もちろん、私たち夫婦は子供に手をあげたことはなかったが、一歩間違えたらその加害者として私たち夫婦が報道されていてもおかしくなかった気がする。父親としては読むのが辛くなる小説だ
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2014/01/09読了。この本のテーマは孤独な育児。小さい子供がいる3人の女性の目線で書かれています。
不倫中の作家の五月、夫とは週末婚状態のモデルのユカ、専業主婦の涼子。3人は同じ保育園に子供を預けているのがきっかけで出会いますが、そこまで親密にはならず、本音は話せない仲。ほんとうは辛いのに問題がないように装ったり、人の状況を羨んだり、または見下したり。
みんな夫はいるものの子育てにはあまり関与していないし、ほんとうに孤独で、読んでいて辛くなってしまうところも多くありました。
作者の金原ひとみさんは2人の子供がいるということで、子育てエピソードにはすごくリアリティがあります。(まだ私は子育てしてないので、そうなんだろうなと想像しているわけですが)。子育ての辛さを経験する人はたくさんいるのに、こういうテーマで書かれている小説は珍しいのでは?子供が産まれたら、もう一度読みたいと思う小説です。
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ピーキーな小説だ。
前半は読むのがダルい。いや、嘘だ、ダルくない。しかし、読むのに時間がかかる。約600頁中、前半の400頁ぐらいまでに読了までのほとんどの時間を使って読んだ。いちばんおいしい高回転域の部分は次の150頁ほどで、ここは一気に読める。しかし、一気に、しかも感情を揺さぶられながらその部分を読むには回転数を上げていくかのような前半部分が必要なんだな。
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2014年初完読。
点数は3.5点くらいが正確なところ。
とてもある種偏った部分にフォーカスしたママ像が描かれており、長編で長く、どぎつい描写もあったが、毒素より大きな課題を投げかけてくれた一冊。
世の中で一般的には眉を潜められる感情であっても、抱いてしまう限りに於いては当人にとっては正。でも、何て他人に理解してもらうのが難しいのだろう、と読みながら考えた。
答えは出ない。
女性が描く女性の姿の生々しさに、気持ちのよい文章ではないが、素直に感心、納得した。
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貪るように、読んだ。3人の女性が、育児や夫婦関係を通して破滅していく様を描いた作品。心理描写がとにかく切なくて、悲しい。文学的。
育児に、価値を求めてはいけないと感じた。
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子供を同じ保育園に預ける3人の母親の話が順繰りに語られます。
作家のユカ(ドラッグ常用)、モデルの五月(不倫)、専業主婦の涼子(虐待)と、それぞれ重い事情を抱えてます。
ドラッグや不倫自体には共感できないのですが、それ以外の登場人物たちの思いには、ものすごく共感ポイントが多くてリアルでした。
特に専業主婦の涼子は、この3人の中では一番普通で一番共感できるのですが、子育てに行き詰まりを感じる涼子には入り込みました。
実際虐待にまで至らなかったものの、涼子の抱える閉塞感はものすごく分かります。
保育園に行けば熱を出し、治ったと思って預ければまた熱を出すような子供の描写もまさに私も昔通った道。
涼子が虐待に至るまでの描写は本当に苦しい。
分かっちゃダメなんだろうけど、涼子の気持ちも分かってしまう。しんどいよね、辛いよね。。。
育児を経験した人には涼子の気持ち分かるんじゃないで
しょうか。育児が楽しくて楽しくて仕方がない人って、どれぐらいいるんだろう?って私は思います。
私は辛かったです。特に一人目の育児は楽しいともあまり思えなかった。
私には子育てって向いてないんだなぁって実感しましたね。
でも幸い(?)私には仕事があって、保育所に預ける事が出来て、色んな人に関わってもらって育児が出来た。
一人で抱え込まなくて済んだ。
その事がやっぱり大きいですね。
色々苦しい気持ちを呼び起こされる読書でした。
小さい子を育てている真っ最中に読まなくて良かったです^^;
そんな時に読んだら鬱になったかもしれない^^;
それぐらい毒が強かったです・・・
苦しくて、息苦しくて、孤独で、しんどくて、ここに書かれている負の感情は子育てする母親にとって全部リアルな本音だと、私には思えます。
ここまで本音を抉り出す金原さんはすごいです。
そして、ラスト。
ただ苦しいまま終わるんじゃなく、少しの光が見える終わり方好きでした。
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同じ保育園に子どもを預ける3人の女性の、女性であること、母親であることの葛藤を描いた作品。
目を背けてはいけない問題とは言え、あまりにリアル、あまりに深刻で切実。
金原さんえげつない、そして誠実です。
ヤク中の週末婚作家、虐待をしてしまう専業主婦、不倫でバランスを保つモデル。
フルタイムのビジネスパーソンを取り入れなかった意図は何だろう。
大阪で起きた置き去り死を追った「ルポ虐待」、NHKの特集で話題になった「産後クライシス」、そして本作品。
この話題のみならず、いろんな問題において本やネットの情報をインプットしまくって頭でっかちになってることは否定しませんが、日本の子育て事情を知るためにも、いつか人の親になるためにも、上記3作は必読だと思います。
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同じ認可外保育所に子どもを預けている3人の母親たち。それぞれが育児や夫との関係の中で閉塞感や焦燥感を抱え、無意識に逃げ道を求めている。
出産、育児の経験がある女性なら大なり小なり彼女たちに共感したり、もしくは共感するからこそ場面によっては眉を顰めたりするに違いない。
ただし、そんな安易な共感は徹頭徹尾、毅然と拒否される。
それぞれの後日譚から何を感じればよいのだろうかと、読後しばし考えた。
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登場人物と同じ女性として、自分自身が母親になったときのことを考えさせられました。きっと誰しも経験し得る、でも言葉にできないような感情が溢れているように感じました。
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ストーリーとしては面白いけど、3人をいったり来たりで一気に読まないと誰が誰だかよくわかんなくなる。専業主婦の人以外の2人はどっちがどっちだっけ?って感じで人物像が非常にイメージしずらかった。
後半は割と面白かったかな。子どもは手がかかるけど何より可愛い何より愛しいと信じてやまない人はこの本読んだ方がいい。
愛情が理屈じゃないように嫌悪感も理屈じゃないのだから。
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金原ひとみさんは、蛇にピアスを芥川賞受賞時以来。
蛇にピアスは、露悪趣味な感じが、うーんって感じだったけど・・・
この作品も露悪的なところがあるけど、あえて出産育児という神聖視される領域を露悪的に描くことによって、現代の出産育児をリアルに描くことに成功している。
母親は意識的、無意識的に母親というイメージに囚われた存在。
そのイメージは清く、温かく、そこからはみ出すことを許そうとしない。
そのイメージの中でうまく立ち回れる人、窮屈さにもがく人。
現代の核家族、地域性の欠如の中で、逃げ場のない母親は、子供を傷つけてしまう。
傷つけられる子供は常に不幸だが、母親もまた不幸。
あえて露悪的に母親の本心を描き切ることによって、その母親の不幸な構造が浮き彫りになる。
虐待のニュースを聞くと、なんでこんな未熟な子が子供を産むんだと思ってしまうが、そのような見方自体が、過度に母親を神聖視し、母親を追い込んで行くのだということを気づかされた。
人間なんて、多かれ少なかれ未熟な存在。
未熟な人間が子育てできるように支えあえる環境をつくること、それが一番難しいけど必要なことだと思う。
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女性性に対する痛切すぎる叫びでありつつも、大衆性に一定の譲歩があるところが、流石と言うべきなのか、悲しいと言うべきなのか。金原ひとみの蛇とピアスのあまりの勢いと切実さはわたしの心を深く深く捉えたが、あれ以上のものは未だどの本にも見受けられないように感じる。はんをおしたような、というとまた悲しいのだけれど。しかし出産・育児というものを掲げるとまたそれは違った金原ひとみが現れるのだけれど。それは本当に、世の中の母性に対する叫びであり、言葉の勢いはとどまるところを知らない。金原ひとみの本を一冊読むたびに、わたしの心を遙か彼方まで動かした蛇とピアスにおける金原ひとみは一体どこに行ってしまったんだろうといつもおもう。
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思ったよりは陳腐なストーリーだったし悪趣味だったけど、育児の辛さを訴えるのには大成功している。母親に会いたくなった。