紙の本
信頼できない語り手による不穏さとクリフハンガーによる衝撃の連続。
2021/10/22 00:04
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゲイリーゲイリー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーにおいて有名な手法である、信頼できない語り手。
本作は複数の視点で物語が語られるミステリーなのだが、その誰もが信頼できない語り手なのだ。
複数の信頼できない語り手によってストーリーが展開されることによって、事件の全体像はぼやけたまま。
一体何が起きているのか。
誰が犯人なのか。
そして語り手たちは一体何を隠しているのか。
信頼できない語り手により読者を疑心暗鬼にさせると同時に、各章の終わりで非常に気になる展開を用意しているため(いわゆるクリフハンガー)、本作のリーダビリティは他のミステリーと比較しても頭一つ抜きんでている。
冒頭から最後まで、「続きが気になる」という気持ちを持続させてくれるのだ。
そしてラストに待ち受ける衝撃の事実。
サスペンスとしてのハラハラドキドキで読者の心を掴んで離さず、ミステリーとしての謎と真相で読者に衝撃を与える本作はサスペンスミステリーのお手本と言っても過言ではない。
そのくらい非の打ち所がない作品なのだ。
本作を最大限に楽しむ方法は前情報を入れないこと。
東京創元社から出版されているにも関わらず、本作には登場人物の一覧が記載されていないことからも前情報を入れないことの重要度が伺えるだろう。
サスペンスミステリーの醍醐味が詰まった本作を是非とも堪能してほしい。
紙の本
怒涛の伏線回収とはこのこと
2022/01/29 16:46
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
通勤中に一週間くらいかけてゆっくり読もうと思っていたのに、止められなくて一気に読破してしまった。真相はつらくて陰惨で重苦しいのに、最後にすべての謎が解けるのが爽快すぎて読後感はなんだかすっきり。
紙の本
皆怪しげ
2023/02/05 15:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たっきい - この投稿者のレビュー一覧を見る
2人の彼と彼女の視点を入れ替えてそれを繰り返しながら、進んでいくストーリー。そして合間合間に犯人の視点も。このタイプは、騙されるんです!何かが起こる、起こるはずと期待しながら読みました。そして、終盤の彼と彼女がそれぞれに違う場面で、ピンチを迎えて目まぐるしく変わるシーンは、すごくサスペンスフルで、目の離せない展開。先が気になりました。登場人物が、警官も含めてどれも怪しげでクセがあり、みんな犯罪者に見せるような描写が、このストーリーを楽しませてくれました。衝撃とまではいきませんでしたが、結末の意外さには怖さを感じました。
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彼の名は、ジャック・ハーパー。
彼女の名は、アナ・アンドルーズ。
『彼と彼女の衝撃の瞬間』などというタイトルを見れば、二人が出会って恋してそして――といきそうなものだが、ちがう。
『一目惚れではなかった』 (9頁)
では、なんだろう?
『月曜日は昔から好きな曜日だった。
また一からやり直すチャンスだから。』 (12頁)
ジャックと、アナの口から、物語は交互に述べられる。
どちらも孤独で、秘密を抱えた人物だ。
そして、どちらもがある殺人事件に関わっていく。
ジャックも、アナも、それぞれに事情を語ってくれるが、しかし、人は嘘をつく。
意識してか、しないでか、人は嘘をつく。
彼らが述べる彼らの物語は、どこまで本当かわからない。
ただ、時々、今まで話さなかったことがぽろりとこぼれるので、読者は、いちいちそれを拾ってつなぎ合わせていくしかない。
いわゆる「信頼できない語り手」というジャンルである。
語り手は、ジャックと、アナ、さらに、もう一人いる。
『人はわたしの顔を識別するだろう。名前も知っているかもしれない。だがほんとうの姿は知らない。だれひとりとして。』 (10頁)
そう、誰かわからない。
男か、女かも、わからない。
おそらく犯人だろうが、ひょっとすると、ジャックかアナかもしれないのだ。
つまりこの1冊は、二人あるいは三人の「信用できない語り手」と、さまざまな登場人物に翻弄される物語なのである。
これが、おわかりだろうが、楽しいのだ。
ぜひ。
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帯には「どんでん返し」の文字
タイトルにも「衝撃」とある。
ある女性殺害事件について追っている
記者のアナと刑事のジャックが、交互に語っていく。
"信頼できない語り手"×2の状態
間に"犯人"視点の語りが入る。
この時点でかなりハードルが上がると同時に、読んでてとても不穏な空気感が凄い…
小さなことを無視できないし、ちゃんと事実を伝えているのかも疑わしい。
ただ翻弄されるのも楽しみつつ、負けじと途中で紙に相関図を描いて整理し、犯人を予想してみたが見事に外れた…全然違った…面白かったです。
語りのラストが毎回クリフハンガーを仕掛けてくるので、海外ドラマ好きな人にはオススメ。
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CL 2021.12.11-2021.12.13
彼と彼女のそれぞれの視点パートが交互に描かれる。誰もがあやしいように描かれ、進むにつれて過去のさまざまなことが明らかになって、先を読まないではいられない。
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最後の数ページに思わず悲鳴をあげた。この意外な犯人、何なの!あり得ない!
「彼女」と「彼」が交互に語る形式で事件のあらまし、お互いの過去が徐々に明かされて行く。捜査の描写は少なくリアリティはないが、登場人物を敢えて記されてない事で迫り来る怖さを感じた。
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彼(警察官)と彼女(記者)の視点が交互に切り替わり、かつその合間に「犯人」のモノローグがはさまるという形式。「犯人」の正体はわからないまま、なおかつ語り手としての2人にも万全の信頼をおけないという不安定な状態で読み進めるので、まぁ嫌いじゃないですが少々の居心地の悪さがあるかも。この人がアレなのかな、というのが少々わかりやすすぎる?と思っていたら、最後でもう一ひねりありました。
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続きが気になってグイグイ読まされた。
クライマックスは手に汗握るシーンだった。
最後の最後まで驚き。
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犯人は、彼なの?彼女なの?どっち?
読みながら問い、問いながら読んだ。出て来る誰もが犯人なの?嘘なの?隠してるの?と、ずーっと思いながら読んだ。
でも、それぞれが、悪意と、嘘に満ちた過去があって、もう最後は、仕方ない感じ。
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別の視点が入り込んでいるのかと疑って読んだけれど、シンプルな話だった。男と女では見え方も違うということか。後から読むと犯人視点でちゃんと犯人について明かしてくれてるね。
被害者がなかなかの悪女で、過去のシーンはキツかった。
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アナとジャックの彼と彼女の二人の本視点と間にある犯人の視点から語られるサスペンスミステリー。先の展開が全く想像できず、読み進める手が止まらなかった。一人一人殺されていくにつれ犯人はこの人なのかなと予想しながら読んでいたが、見事にどんでん返しされた。一度読み終わったら再読したくなるのではないか?2人のどちらの言い分を信用するかを考えながら読んでいくわくわく感も存在し、とても楽しかった。このミスもいい順位まで行くのではないか。
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彼ジャックと彼女アナの二人のパートが交互に語られ展開する。刑事のジャックと記者アナの関係性と二人の信用できない語り手の語り口で事件の先が見えにくくなっているのも面白い。二転三転する捜査と追い詰められていく緊迫感が緩むことなくラストの真相まで一気読み。
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一気読みでした、
こういうサスペンス要素のあるミステリーは大好きなので、
男女のハラハラドキドキのドラマを楽しめました。
ピーター・スワンソンが好きな方は似た系統でおすすめです。
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ジメッとした緊張感が続く作品。意外な事実が次々と判明するが驚きというよりなるほど~と淡々と読んだ。面白かったが裏カバーに書かれたあらすじがあおり気味かなと感じた。