平和創造のために、アメリカの学生たちが導き出した答えとは
2019/05/22 08:29
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わってから、表紙をしみじみ見る。
向き合っている8人はアメリカの学生たち。
このグループで公開討論会が行われた。
討論会のテーマは『戦争と平和を考える。』
そうして取り上げるのは広島と長崎への原子力爆弾投下。
原爆投下は必要だったのか?
討論を深めていき、原爆の是非を問う。
原爆肯定派にも原爆否定派にも、日系アメリカ人がそれぞれいる。
テンポのよい討論会の運びに、ページをめくる手が止まらない。
きわめて重いテーマで、
知っていた事実以上にも、知らなかった事実が浮き彫りにされてゆく。
調べていくうちに学生たちも揺らぎ始める。
そんな中、8人の学生たちが、原爆の是非を問いながら、
平和創造のために導き出した答えとは…。
「私たちはみんな、平和を願うアメリカ人であり、
平和な地球を創造したいと願っている人類です。
会場で応援してくださった人類のみなさま、ありがとうございました。
平和の神様にも感謝を!」(196ページ)
私も人類の一人として、深く心に突き刺さるものがありました。
そうして本文中のこの言葉にも大いに共感しました。
「一冊の本には、それだけの力がある。
一冊の本には人を動かす力があり、
人を変える力もある。」(194ページ)
まさにこの本も人を動かす力に満ちているのです。
原爆投下に対して
2023/08/22 11:07
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投稿者:noa - この投稿者のレビュー一覧を見る
様々なバックボーンを持つアメリカの8人の高校生が、日本に対するアメリカの原子力爆弾投下の是非について、原爆肯定派と否定派に分かれて討論する話。なかなか原爆を肯定する意見に触れる機会がないので勉強になった。
大人にも読んでほしい本です。
『ある晴れた夏の朝』
2020/03/03 22:27
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本人の母、アメリカ人の父をもつメイは、ハイスクールの1年生を終えた夏休み、先輩にさそわれて公開討論会に参加する
テーマは「原爆」──1945年8月に日本に落とされた原子爆弾の是非をめぐって、肯定派と否定派に分かれて討論するという企画だった
両チーム4人ずつのメンバーは、日系のメイをはじめ、アイルランド系、ユダヤ系、中国系、アフリカ系とさまざまなバックグラウンドを持つ高校生たち
被害者数やその実態、真珠湾攻撃の経緯、大統領の意図、アウシュビッツとの比較、人種差別的意識との関係など多岐にわたるリサーチをもとに作戦を立て、スピーチに臨む
はじめは優位に立っていた否定派だったが、3回目の討論会で形勢が逆転してしまう
敗北感の中で迎えた第4回討論会、7番目に演壇に立ったメイがスピーチをはじめると……
第68回小学館児童出版文化賞(2019年)受賞作
読書感想文コンクールでは中学校の部の課題図書に選定されたが、小学校高学年からぜひ読ませたい一冊
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投稿者:おどおどさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本当に自分だったらどう思うかを大人の自分も一緒に考えさせられる。
大人の為の課題図書でもあるなあと思う。またネット上であれこれ議論しているよりも生身の言葉で、感情にまかせていないのが良い。
大人向きに書いて欲しい一冊
2022/08/16 22:31
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学生が対象の課題図書のようですが、内容は深いです。大人も是非、読んで欲しいですが、大人向きに、だと差別的面も掘り下げて欲しいかな。アメリカの高校生の討論会。日本への原爆投下の是非をめぐって……。その高校生が、人種がさまざまなんですよね……だから……
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アメリカの学生が、原爆投下の是非について、ディベートで戦う話。
原爆投下に対して、私が教科書で学んだこと、本を読み知ったこととは違うアメリカの教育。
戦争を終えるためには必要だったという見解について知ってはいたものの、改めて読み進めると、気持ちが揺らぎます。
戦争は、人類の犯した最大の悪だと思います。
「過ちは繰り返しませぬから」の主語を、皆がきちんと理解して、今後あの様なことを二度と起こしてはいけないと後世にも伝え続けなければならないと思います。
『われわれの共通の敵、無知や憎悪や偏見と戦わねばならない』『一冊の本には人を動かす力があり、人を変える力もある』
特に印象に残ったフレーズです。
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原爆投下の是非をディベートすることで,とても自然な形で世界平和を考える契機としている.色々な視点が盛り込まれ分かりやすくしかも深い.戦争をなくすことは難しいことだが,このような高校生たちが育っていくことで.一歩ずつ平和に近づけたらいいと思う.
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臨場感たっぷりで、次は、どうなるんだろ……。と気になって、ページをどんどんめくっていく感じでした。
ディベートって、駆け引きも含めて、いろんなことが鍛えられるなぁ。
時に、かなりドッキリするセリフもあり、もちろん知ってること、あまり知らなかったこと、正直知りたくないなぁ。って思ってしまいがちなことが、8人の人種も背景もさまざまな高校生が語っていくことで、自分は、自分なら、どう考えるだろう。どう反論する? もしくは共感する? と自然に考えてました。
〈過ちは
繰返しませぬから〉
この言葉に込められた想い。
中・高生のみなさんに、読んでもらいたいな。
大人のみなさんも、ぜひ。と思います。
小手鞠るいさんは、恋愛小説家さんのイメージが強かったのですが(わたしの勝手なイメージですが;;)、『あんずの木の下で』『ぶどう畑で見る夢は』などのNFも書かれていたり、幅広いなぁ。
小手鞠さんの他の本も(恋愛もの以外)読んでみたい。
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高校生の頃、当時の自分なりに、徹底的に原爆投下を調べた事がある。きっかけは授業で、何か本を選びそのテーマを掘り下げる的なことだったと思うが、日米それぞれの視点を学んだ。
まさにその時学んだ様な事を、高校生のディベート形式で表現している。ゆえに、個人的な知識としては知っていることが多かったが、特に10代向けに、ある程度相対化&物語化して「あの日」のことや、そこに至る経緯を知ろうとするきっかけには良い本だと思う。
自分自身、広島出身の母が疎開先で原爆の雲を見た話を聞いているので、何度でも向き合いたい課題。
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アメリカの高校生が日本への原爆投下の賛否についてディベートをする。詳しく調べていて、スピーチ方法や文化、本に言及するなど興味深い。が、綺麗にまとまりすぎている気もする。
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戦争、原爆、歴史教科書問題、知っていても深く掘り下げて考える事がなかった。
この年齢ですらそうなのだから、ましてや今の中高生は?
意見の違いは当たり前で友情は別。討論に慣れているアメリカ人に、周囲との調和を重んじる日本人。色々考えさせられた。
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原爆投下をアメリカでは「必要だった」と考えているということや、南京事件を知らない日本のYA世代にとっては意味のある本だと思う。たいへんわかりやすい形で、原爆投下や日本の戦争責任について、日本人、中国人、ユダヤ人、一般的なアメリカ人の典型的な意見がわかるように書いてある。ある程度常識のある大人なら聞いたり読んだりしたことのある話ばかりだが、子どもは初めて知る情報ばかりかもしれない。そういう意味で貴重な本。
しかし。これ、小説なのか?歴史やメディアリテラシーや薬物の危険性なんかの調べ学習の本でわかりやすくするために物語形式になっている(マンガも多い)のとどんな違いがあるというのか。ディベートに参加する若者たちの意見は典型的で、人物像もペラペラの薄さ。学習漫画レベルで十分表現できる。
もう一つ気になったのは、黒人の少年だけ一人称が「俺」ということ。これは翻訳物ではなく、作者は日本語で書いている日本人だ。英語と違って日本語の一人称には性別や身分や上下関係や様々な情報が入っているわけで、ほかの登場人物が「私」「僕」と言っているのに、黒人の少年だけが「俺」になるというのは一種の偏見か、阿り(「黒人だったらこういう喋り方の方が自然だって日本人は思うよね」という)のように感じられる。
『東京プリズン』のようなもの(のジュニア版)を想像していたので、この小説の小説としてのできの悪さにはがっかりした。私が子どもにすすめるとしたら「原爆投下をアメリカ人がどう思っているかがわかりやすいよ」って言うかな。小説として面白いとか素晴らしいとは言えない。
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素晴らしかった。
原爆を落としたことへの肯定否定の討論会に、私も参加し、最後は、ブラボーと叫びたくなる内容だった。
すべての、特に政権を握るような大人たちに、ぜひ心して読んでいただきたい。
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『学校で、いつも正しいことを教えているとは限らない。-中略ー異なる意見を持つということと、友情とは、はっきり分けて考えなくてはならない』(P.27より抜粋)
アメリカの高校生が「原爆投下は是か非か」の公開討論会を行う物語。
トルーマン大統領とスターリン書記長との会談や妻への手紙、真珠湾攻撃、国家総動員法、バターン死の行進、日中戦争、戦時国際法、有色人種差別、日系人部隊442連隊、広島平和記念公園慰霊碑の言葉の意味……
過去は現在につながる道、現在は未来につながる道。どんな道を通って今があるのか、これからどんな道を作りたいのか、一度は考えてみてから大人になりたい。
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アメリカで暮らす高校生メイは広島、長崎に投下された原爆の是非についてのディベート大会に否定派として参加することに。ディベートという形で原爆の是非を掘り下げることで様々な立場からみた戦争について考えさせてくれる。最後がいい!