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投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
金融危機の歴史を振り返り、今後も必ず起こることを念頭に予防又は対処をして行かなねればならないことを説明している。パターンや兆候などがあるわけではなく難しいが、肝に銘じておかなければならないことはよくわかった。
次の金融危機はいつ?
2022/04/01 21:46
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投稿者:wordandheart - この投稿者のレビュー一覧を見る
過去100年にあった九つの金融危機を振り返り、その原因と問題点を探っている。
近年はコロナ禍の不況への対策として、各国の政府と中央銀行は未曾有の金融緩和政策を実施してきた。しかし今年からは経済を正常化するために金融引き締め政策が段階的に進められる運びとなる。今この時にこの本が世に出たのは、タイムリーであったという他はない。初心者でも理解しやすいように、国際収支の基本を確認し、第一次世界大戦後の国際金融危機から話を進めていて、金融政策や為替など国際金融の全体像を理解するための良書であると思う。
時の首相は「新しい資本主義」を唱えている。資本主義が古くても新しくても金融危機はやってくる。資本はより利益となる投資対象へと集まり膨れ上がり、やがて行き場を失うと市場は暴落する。
金融危機を未然に防止するのは難しい。「残念ながら、未然に防いだ危機は国民の目には見えません。危機予防のため、事前に財政・金融政策を引き締めたり、規制を強化したりすることは、おそらく不人気でしょう」と著者がいうのは、まさにその通りだと思う。
飽くなき成長を求めて、資本の移動の自由をどこまでも認めるのか、規律ある経済活動を促し、金融危機を未然に防ぐ(あるいは抑制する)のか。本の最後は、規律と成長が二律背反ではないこと、規律重視か成長重視かは選択の問題であると結んでいる。
最終章では今後の金融危機の可能性を予想しているが、「より大きな「危機」は、米国が「調整」をしてしまったときに来る」と予想している。米国の膨大な需要にとって代われる国はどこにもないからだ。まさに今、米国から金融引き締め政策が始まっている。これに追随するかしないか、各国で対応が分かれているが、その結果がどうなるかは、間もなくわかってくるだろう。
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投稿者:sas - この投稿者のレビュー一覧を見る
かつての金融危機とは異なり、瞬時に情報をやり取りできる現代では、国際協調が重要であることが分かりました。
米欧の高インフレなどの諸問題に、わが国がどのような姿勢で臨むのか、国際協調の視点で、今後は見ていきたいです。
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題名にひきづられて購入したが、この100年間の経済危機をまとめたもので、あまり新しい視点はないように感じました。ただ、やはり必ず金融危機はやってくるということを確信するには良い本ですね。
今日もめちゃくちゃ株が下がっていますが、年初にこんな相場になるなんて一人も予想していなかった気がします。10度目の金融危機は始まっているのかもしれない。
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大恐慌以来の100年に九つの経済危機。それらを概観した通史のような書籍。
僕のような門外漢がアウトラインを知るためにはとても良い本で、興味のある方にはおすすめ。もうちょっとだけ舞台裏みたいなのを書いてて下さるとなお良かった。
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「教養としての・・」というタイトルにしてはある程度の前提知識がある方向け。取り分け、第7の危機あたりまでを実感として読めるのは、その世界にいた一定の年齢層の世代と思われます。後半、リーマンショック以降、最終章は比較的平易に書かれている為、この部分だけを読んでも一定の知識の補充になる感じがしました。
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金融危機に纏る歴史の流れ
金本位制や固定相場制から変動相場制への移行の流れ。
米国の財政赤字が世界の景気に大きく貢献する。
米国の財政赤字は、アメリカ自身に対しても大きなベネフィットになるけど、もちろん、ドル高によりドル資金が引き上げられた場合のショックも大きく、アジア危機などで示されてきた。日本も経済が好調な時期は貿易黒字の削減を求められたり。
中国の経済発展により相対的にアメリカの地位も下がったかもしれませんが、基軸通貨としての存在感は当分の間続くのでしょうか。
ユーロの行末もきりなりますが、世界の金融危機がウクライナの件も含めて、一部のひとの手によって如何に歪められてきのかという気がしました。
資金流入がストップするサドンストップという言葉を始めて知りました。
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過去100年にあった九つの金融危機を振り返り、その原因と問題点を探っている。
近年はコロナ禍の不況への対策として、各国の政府と中央銀行は未曾有の金融緩和政策を実施してきた。しかし今年からは経済を正常化するために金融引き締め政策が段階的に進められる運びとなる。今この時にこの本が世に出たのは、タイムリーであったという他はない。初心者でも理解しやすいように、国際収支の基本を確認し、第一次世界大戦後の国際金融危機から話を進めていて、金融政策や為替など国際金融の全体像を理解するための良書であると思う。
時の首相は「新しい資本主義」を唱えている。資本主義が古くても新しくても金融危機はやってくる。資本はより利益となる投資対象へと集まり膨れ上がり、やがて行き場を失うと市場は暴落する。
金融危機を未然に防止するのは難しい。「残念ながら、未然に防いだ危機は国民の目には見えません。危機予防のため、事前に財政・金融政策を引き締めたり、規制を強化したりすることは、おそらく不人気でしょう」と著者がいうのは、まさにその通りだと思う。
飽くなき成長を求めて、資本の移動の自由をどこまでも認めるのか、規律ある経済活動を促し、金融危機を未然に防ぐ(あるいは抑制する)のか。本の最後は、規律と成長が二律背反ではないこと、規律重視か成長重視かは選択の問題であると結んでいる。
最終章では今後の金融危機の可能性を予想しているが、「より大きな「危機」は、米国が「調整」をしてしまったときに来る」と予想している。米国の膨大な需要にとって代われる国はどこにもないからだ。まさに今、米国から金融引き締め政策が始まっている。これに追随するかしないか、各国で対応が分かれているが、その結果がどうなるかは、間もなくわかってくるだろう。
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新書なので入門書なのだろうが、中々どうして読みごたえがあり、自分の知識では理解できない内容も多々あった。
このレベルを専門でない人間が、世界経済あるいは金融政策の在り方の基礎教養として求められると中々厳しい(笑)
自分は年はとっているので第4の危機以降は、リアルタイルで経験している事になる。
振り返ると欲と叡智の狭間で金融危機も繰り返されたし、これからも危機に直面しそれを乗り越える事が繰り返されるであろう。自分が生きている間にどんな危機が起きるか分からないが、過去の歴史に学び賢くふるまう様にしたいと切に思う。
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近時100年間に発生した主要な国際金融危機9つを取り上げてわかりやすく解説した本。よくまとめられていて興味深く読んだ。
第1の危機は、言うまでもなく1929年の大恐慌前後の金融危機。戦後の国際金融システムの試行錯誤はここから始まったということは異論がない。だからこそ経済史の研究者たちの関心を惹いてきたわけだから。
第2の危機以下は次の通り。
2.なぜブレトンウッズ体制は崩壊したのか?
3.なぜドルは大暴落したのか?
4.日米・米独貿易摩擦は乗り越えられたのか?
5.発展途上国の債務危機はなぜ同時多発したのか?
6.アジア通貨危機とは一体何だったのか?
7.米国発金融危機はなぜ起こらなかったのか?
8.世界金融危機を引き起こしたの複合的要因とは?
9.絶体絶命のユーロを救った「一言」とは?
10? 次の危機はどこで起こるのか?
こうして列挙してみると、自分が生きてきた時代は戦後の国際金融危機連発の時代だということがよくわかる。各章あとのコラムもいくつか勉強になった。
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今まで起きてきた国際金融危機、そしてこれから起こり得る国際金融危機を体系的にまとめられた一冊。
自分の勉強不足でまだまだ内容が咀嚼できていないけれど、経済には浮き沈みの波がつきものだということは良く分かった。
もっとお金の勉強をした後に読み直して理解を深めたいな。
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経済のことは、あまり知らない。
特にマクロ経済は…難しい。
本書は自分にとってチャレンジだと思って選んだ一冊。
20世紀から現在までの金融危機の原因を「お話」として説明した本。
「お話」化されているので、何とか読了できた。
今まで自分の中でバラバラに入っていた昔学校の授業で習ったこと、その後ニュースで聞いたようなことが、だんだん結びつき始めたような感覚を味わった。
その意味では、いい経験をしたと思う。
経済を学んだ人には噴飯物だろうなあ、と思うが、恥を忍んで書いてみる。
20世紀の間に起きた国際金融の変化は、ざっくり言えば金本位制から固定相場制、そして変動相場制へということになる。
基軸通貨もポンドからドルへと変化する。
自分など、アメリカはどうしてあんなに景気がいいのに、「小さな政府」を志向しているのに、財政赤字があるのか不思議だった。
正直、財政がうまくないのかと思っていた。
この本を読んで、ちょっと事情がわかった。
国際収支が黒字なら安心という単純な話でもないことも。
いや、もう、それくらいの無知なのだ。
最近話題の為替市場介入についても、コラムで解説があった。
今までは、中央銀行の「やるぞやるぞ詐欺」だよなあ、と思っていたのだが、ある意味それが「正しい効果」だとのことが本書でわかった。
実際に相場を左右することなど、あまり考えていなくて、心理的に冷や水を浴びせることを狙っているのだと。
なにか、先生の一喝で、一瞬だけ教室が鎮まるみたいなものなのね。
金融危機は、資金の流れが止まることで起きる。
引き金や、ファクターは少しずつ変わっていくけれど、今後も起きることだけは間違いない。
金融危機のたびに、各国のエゴもむき出しになるものの、国際協調の模索もされてきた。
常に後追いで対応されるのだ。
今、インフレが起こり、円安が起こっている。
自分の人生のスパンではこんな時期が珍しいこともあって、不安に思っていた。
が、本書を読んでみると、これもまだ経済の歴史的な変動としてはそれほど深刻な状況には当たらないのかもしれないという気もしてくる。
あ、いやいや、そんな気になるのはまずいか。
貧困対策、気候変動対策は、経済の問題でもあるのだ。
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金融危機には理由があり、きちんと説明が可能だという事が分かるが、ならば何故それを食い止められないのか、分かりながら極限まで利益追求に走る構図や、そもそも金融危機でダメージを食らわないから気にしない等の私欲が邪推され、権力構造にただただ無力さを感じるのみ。
本著が記述する歴史の話で言えば、戦争に繋がる以下のような話が興味深く読めた。ケインズの予想通り、賠償金支払いが困難になったドイツが1922年に支払いの一次猶予を求めるがポアンカレ政権のフランスはベルギーと協調し、工業地帯であるルール地方を占領。アメリカもイギリスも損をするからと戦時債務のキャンセルはしない。ドイツは強烈なインフレとなり、パンの値段は10ヶ月で8億倍。1922年初に1ドル=160マルクが、23年11月には1ドル=4.2兆マルク。貯蓄や年金は無価値。国民の連合国への怨みが強まり、極右勢力が拡大。
第二次世界大戦後はイギリスもほぼ破産状態。アメリカからレンドリースという名の実物支援により、食糧や航空機、船舶等を受けていた。
終戦直後から1950年代はドル不足が国際金融システムの最大の問題。貿易決済に使われるドルが手許にない。そのためマーシャルプランにより、西側諸国に対し120億ドルの資金供与。9割は返却不要であり、欧州は輸入決済のドルを確保、など。
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丁度この本を読んでいる1週間足らずの間で、1ドル160円代から140円を切ろうかという円急騰、株価はブラックマンデーを超える大暴落、金融政策の影響の大きさを実感しています。
もとより、ビジネスマンでもなければ、大した資産を持ってるわけでもないので、為替が動こうが、株が暴落しようが、いきなり生活に影響があるわけでもありませんが、それでも、本書で取り上げられるくらいの「危機」では、影響は避けられないわけで。
まさしく、「教養として」金融の素養を身に付けるのは必要かなと思います。
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ここ100年ほどの金融危機史について大まかに学べる本。世界恐慌に始まり、ニクソンショック、オイルショック、途上国債務危機、アジア通貨危機と続く。