『知的文章術入門』
2021/12/19 19:37
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『理科系の作文技術』(木下是雄/中公新書1981年)を意識して、デジタル時代、国際化時代にふさわしい本にしたいという思いで書かれた文章読本
著者は「知的文章」を〈論文をはじめ報告書やレポートなど、事実を分かりやすく、正確に伝えることを主眼とした文章〉と定義
文系・理系を問わず、学生・社会人を問わず、すべてに共通して必要な正確さ、客観性、論理性、批判力などを備えた「知的文章」の書き方を指南する
豊富な実例でポイントを示した第2章「分かりやすい文章を書こう」だけでも一読の価値あり
情報化時代に必須のウィキペディアの利用法が書かれた第4章、プレゼンやオンライン授業について書かれた第5章、英語と英語教育について書かれた第6、7章も示唆に富んでいる
〈本書には、60年あまり現場で鍛え上げられた文章力、情報収集力、プレゼン力、英語力習得のノウハウをいっぱいに詰め込んだ。〉──「はじめに」
著者はがん研究の専門家で要職を歴任してきた「末期高齢者」
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
論文やレポートなどの執筆方法が、わかりやすく解説されていて、よかったです。具体的なアドバイスなので、役立ちそうです。
書くことは正確な人間を作る
2021/11/23 21:17
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投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は50年にわたり論文執筆の指導・審査にあたってきた医学者である。本書は論文執筆に関する指南書であり、一般的な文章術を学ぶのであれば、他により目的に合致した書籍があると思う。ただし、本書の内容は文章術に留まらず、それに関連する話題が豊富であり、一般人も楽しく読めるように配慮されている。その一例は次のとおりである。◆複雑な構文となって理解しづらい文章の一例として、「亀田の柿の種 お好み焼き味」の包装紙の説明文を引用。◆論文作成における盗用(コピペ)禁止の戒めの解説では、STAP細胞事件の中心人物であった小保方晴子の学位論文の最初の2ページが掲載されている。なんと、わずか7つの単語以外、完全にコピペ。ロシアのプーチン大統領の学位論文も第2章はアメリカの経営学教科書からの盗用である。◆情報収集におけるウィキペディアの賢い活用法および検索した情報の保存法。◆OECDが実施した15歳を対象とした学習到達度調査で、日本の読解力の成績が大きく落ち込んだ背景。
「おわりに」で、著者は<新聞、論評、エッセイ、小説などプロの書いた文章は、ほとんどすべてがきちんとした、分かりやすい文章であった。しかし、行政文書、官僚の文書には、分かりにくい文、構造に問題のある文章が、選択に困るほど見つかった。>と記している。最近は、新聞でも程度問題であるが理解しづらい文章が散見される。著者自身も本書の中で大新聞の紛らわしい(理解しづらい)文章例や、やたらに読点の多い宇野浩二の文章、あるいは、句点がないまま、何十行も続く野坂昭如の小説などは、正直読みにくいと解説しており、「おわりに」の記述と矛盾するように思うが・・・。
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わざわざタイトルに「知的」とつけるほどの文章術ではないのではないか。
これならば理科系の作文技術で十分では?
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学生や社会人など、文章(文書や論文など)を書く人全般にとって基本的なポイントが簡潔に整理されています。各章の最後にチェックリストがついていますが、ここをそのつど意識するだけでも、だいぶ変わってくるでしょう。大学入学時あるいは社会人一年目で読んでおくといいかもしれません。
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「知的文章術入門」という書名から期待・想像する内容とはかなり乖離がある。
文章作成・執筆に直接関係するのは最初の3章のみ。
それ以降は情報の調べかた、プレゼンのしかた、英語の読み書き話し方と、間接的な領域に関する解説となる。
内容が幅広くいぶん個々に割かれたページ数はすくなく、詳細なところにまでは踏み込んはいない。
そのため、どれも類書で紹介されているような基本的な内容にとどまっている。
あとがきで「理系の作文技術」を意識したとあるが、さすがにそこまでは至っていない。
過去に文章術の本を読んだことのある人がさらに本書を読むことで得られるものはそこまで多くない。
一方で、広い領域がコンパクトにまとまっているので、この手の本のはじめの1冊目年は悪くない。
例えば、高校生や大学1年生が本書から始めて、より詳細な類書にうつっていく、という使い方ならいいと思う。
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何の本だったかわからなくなる。
寅さんの言葉を引用して、自分の頭で筋道を立てて考える、ことの重要性を示してくれている。それが知的であると。
知的な文章をどうやって作り書くかという流れで話が進んでいくと思うわけだけども、ちょっと違う。
日本語は曖昧な表現が多いけれども、そこに注意を払えば論理的な文章を書くことができる。日本語でわかりやすい文章を書くために、簡潔・明解・論理的を心がけるようにと説く。ここで、既につながりが悪い。論理的とわかりやすいが入れ替わっている。しかし、こんなのは序の口だ。
その上で、書き始める時に意識すべきは論理構成だと説明され、提示されるのが理系の論文構造だ。
次にやってくるのが、情報の集め方と使い方。挙句にパワポでのプレゼンにオンライン授業。最早、文章術ではなくて、主張の見せ方とプレゼンスキルの話になっている。
そして極めつけは、英語の学び方のレクチャーが始まる。
さて、この本の伝えたかったことは何かと問われたら、わからない。最終章の英語でメールを書くために使える英語の構文ではないでしょう。これを英語でイエスと返事をすべきなのかノート返事をすべきなのかを理解するための本なのか。
内容には参考になることがたくさんあるのに、何でこんなに残念な構成になっているのか。自分で考えた筋道が、編集者と確かなものになっているかを確認してほしかった。
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本書は、2021/9/17に初版が発行された新しい「文章術の本」だ。医学者である著者がすべての読み書きを日常的に行う人々に向けて、そのコツをざっくばらんに簡潔に書いた良書である。
理系に片寄った内容になっておらず、そのバランス感覚が著者の凄みの一つではないか。
タイトルは『知的文章術入門』でありながらも、実際には広く知的発信者としての姿勢や、プレゼンテーションのやり方、パワーポイント資料作成のコツ、さらには英語学習についてまで触れている。
タブーとされるWikipediaの利用についても、「どんなことにどれくらいどのように使うべきか、または使わないべきか」を正面から述べている。
医学者である著者は、本書を書くに当たって、これまでのありとあらゆる「文章術」に関する蓄積を踏まえて、それらを現代版にアップデートしようとした。
その試みは個人的に、ある程度うまく行っていると思う。
今後求められる「言語コミュニケーション」に向けて、誰が読んでも役立つ内容になっている。分量も多くなく、文体がフランクで読みやすい。
筆者は、大学にて毎年1年生向けに「これから一生レポートを書き続ける君たちへ」と題する講義を2016年から毎年行っているという。レポートは、ここではつまり、もっと広く「文章」という意味で使われていると思われる。
本書での学びや発見はまさしく一生ものである。
「読むこと、書くこと、話すこと」に少なからずこだわりを持つ全ての方にオススメする。
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日本語の論文の文章の書き方、英語の論文の書き方についての心構えを書いた本である。卒論を書いている最中に自分の文章が長すぎたり、主語が一貫していなかったり、として注意するために読んでみるのはいいと思える。
英語については大学院生向けあるいは留学を準備している学生向けである。
新しい文章教室としては簡単に読めるので読んでおくことはいいと思われる。
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知的文章とは少し大袈裟な感じがするが,要するに文章を書くことが仕事の一部になっている人のための文章指南である.著者は後がきで自ら「『知的文章術』などと大げさに構えながら,内容は常識的で,ときに非常識的であるのに気がついた」と書いている.私の読後感も全くその通り.私は長い年月をかけてそれを学んだけれど,文章を書くのを仕事にしたい若い人はすぐにでも読んだほうがいいと思う.非常識な部分は「英語を専門としないのであれば,ある程度あきらめが必要」というところ.ただし,書く英語はなるべく完璧を目指すと.私も同意.
全体として非常にプラクティカルでよい入門書だと思う.
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本書を読んで得られた一番の成果は、「ウィキペディアの賢い活用法」である〔本書p102〕。ウィキペディアの記載を信頼しないことは大前提である。しかし、使うなと言うのは「現実的でない」。著者は6項目に分けて、活用法を指南してくれる。
思い返してみても、ウィキペディアの使い方についてちゃんと解説した本を見たことがない。私が見逃しているだけかもしれない。少なくとも今後は、その使い方について他人から尋ねられれば、本書を勧めたい。
ほかにも、著者はインターネット上における情報収集術や情報発信術も指南してくれる。いわゆる「フェイク・ニュース」の見分け方も言及している〔本書p113〕。本書の核心は、「知的インターネット参照術」といってよいだろう。類書にはない最大の特色である。
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分かりやすい文章を書きづらいと思っている人、日本語の文章の書き方を教わっていない人におすすめ。
【概要】
●正しく理解できる日本語
●分かりやすい文章、論理的な流れ
●文章を書き始める前、書いた後、引用
●ウィキペディアの使い方、正しい情報、数字での思考
●パワーポイントによるスライドの作成、オンライン授業への参加
●英語の読み、聞き、話し、書く
●英語でのメール
【感想】
●大学生・社会人にかかわらず、一読する価値があると思った。仕事の役に立つときがくるであろう。
●文章を書くことは難しく大事なことであるが、情報化社会において日本語に関わる能力が低下し放置されたままである、という問題認識の下、どのようにすれば知的文章が書けるか丁寧に書かれている。
●図書館で借りて読んだが、よい本でありこれからも使えると思ったので購入した。
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主語がはっきりしているか。曖昧な表現はないか。論理的に表現しているか。述語は明快か。
簡潔、明瞭、論理的。
「思われる」というあいまいな表現をしない。
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社会人必須スキルの事実と考えを分けた表現方法を分かりやすく解説している。
情報収集とパワポ活用。英語学習を網羅しつつも、読者に寄り添った文章が心地よい。親しい人に買って配りたくなる名著。
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後半の英語学習については、今のところ必要がないので流し読みとなりましたが、わかりやすい文章を書く基礎が詰まった良書です。文例が多く、どのように書けば良いのかをわかりやすく示しているので、高校生にもちょうど良い内容になっています。