「ふたり」の続編
2023/07/28 16:41
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投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公に様々な試練が訪れますが、強く優しく生きる姿が印象的でした。過去にわだかまりがあっても、許して心を開いて前を向ける姿は良いと思えました。
妹「実加」と「いもうと」
2023/05/04 23:31
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投稿者:かず - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ふたり」を読み終え、「いもうと」を読む。「実加」も社会人になりました。姉「千津子」に、窮地を救われるのかと思いきや。妹「実加」と「いもうと」の物語。
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大島弓子のカバーに惹かれて手に取ってびっくり!
何? 「ふたり」の続編だと!
一瞬で、NHKで前後半で放映された、大林宜彦監督のあの名作が蘇った。
中嶋朋子の歌う、「風の想い」の哀愁を帯びたメロディと、娘の下宿を訪ねては歩き回った尾道の町が、まぶたの裏ではしゃぎまわる。
さて、美加と千津子のその後はどうなったのか。(千津子はもう死んでるからどうにもならんが)父は、父の不倫相手は、その後どうなったのか。
結論は、みんなあんまり幸せではない。
でも、みんな精一杯生きてるんだなって思った。世の中なんて、そんなに人にやさしいもんじゃないんだって。
まあ、あの姉妹の話に涙した人は読んでやってよ。
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まさか『ふたり』の続編が出るとは!!
『ふたり』は、数ある赤川次郎作品の中で、名作中の名作と言っていい。
“いもうと”の美加の心の中に、死んだはずの姉・千津子の声が聞こえる……。
千津子は美加にアドバイスをして導いてくれる存在となるが、美加が千津子の年齢を超え、千津子の経験しなかった父の浮気という事態に直面して、姉を超えてしまった時、美加の心の中の千津子は消えてしまう……。
思春期の少女の青春と、青春が終わりを告げると同時に喪ってしまったものの大きさを描いた名作である。
それになんと、続きが!
『ふたり』から10年が経過し、本作では、美加にも”いもうと”が生まれ、美加自身が姉の立場になっている。
かつての千津子のように……とはいかなくとも、美加は美加なりに、仕事にもプライベートにも誠心誠意、対応していく。
前作の刊行が80年代?なので、今作は設定上は90年代、のはず。
(文庫版が91年で、単行本の初版は89年だった)
不自然には古くないけど、不自然に新しすぎないちょうどよい塩梅が非常に上手い。
ケータイは普通に使われるけど、SNSは登場しない、とか。
そして、『ふたり』のほろ苦く、それでいて心地よいラストシーンとは異なり、なんと清々しく明るいラストであることか!
エピソード一つひとつは重苦しいものばかりなのに、希望に満ち溢れるラストシーンが気持ちいい。
10年という歳月が、いかに人を変えてしまうのか、それを良くも悪くも見せつけてくれる作品だった。
しかし、美加の周りの男どもはなんであんなクズばかりなのか?
後輩のさつきの恋人・白倉を含め、カッコいいまともな男が一人も出てこないじゃないか……。
『ふたり』を読んだものにとっては、汚れ切った大人になってしまった神永さんの姿はショックである。
美加の恋人は、神永さんじゃなくて哲夫だったはずだけど、その彼は今どうしていることやら。
彼こそは真っ当なアラサー男子に成長していてもらいたい。
そしてこれ、シリーズ化しそうな雰囲気を感じたのは私だけか。
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さすがに人死にすぎでは…?
中江有里さんの解説「実加の優しさは面倒なことを吸い寄せてしまう。実加という実直な存在にある種の人々が頼ってしまうのではないか。〜特別な悪人ではない。〜一人では立っていられない人々は実加を非常時の支えにしてしまう。」を見てやっと納得した
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姉千津子に続いて母も亡くなり、父も会社の部下だった女性と新しい家庭を築こうとしている。
多感な中学、高校時代を経て11年の月日が経っていた。
北尾実加は27歳。中堅社員として働く実加は、亡くなったお姉ちゃんの年齢を越えてしまった。
ほんとうにひとりぼっちになってしまった。
前作の「ふたり」と違ってファンタジー要素は少なく、現実味を帯びている。
同居している後輩のさつきや、学生時代からの親友の真子、父の再婚相手の祐子の相談に乗ったり、仕事では〈連絡会議〉のリーダーに選ばれたり、実加のまわりは目まぐるしく変化に富んでいるけれど、この作者の持ち味というか、テンポが良くて楽しく読めた。
「いもうと」というタイトルがとてもいいです。
この作品を通して言いたかったことが後半にいくにつれて、次第にわかってきます。
それは、家族であったり、学校や職場の後輩であったり、身近な人を思いやる心の大切さ。
前作の「ふたり」と同様、実加の成長物語で、読んでいる自分にも希望がもらえたような気がします。
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ふたりの続編
中学生でふたり、いもうとを三十路でよんで、
ちょうど、実加と同じように歳を重ねてきて…
歳を重ねるといろんなことが変わる。
なんでこんな引き寄せるのかと思うくらい中盤は実加に大変なことがふりかかるけど、
でも大なり小なり、周りもまた、経験することなのかもしれない。
そんな中でも姉の存在が心にあることで、救われてきたんだろうなと思う。
自尊感情の低い彼女を満たす相手が現れますように。
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「ふたり」が好きな身としては嬉しい続編
前作「ふたり」は小学生の頃に読んでおり、今作に関しては実加より上の年齢になって読むことになるとは感慨深い
前作の爽やかさとは一転、爽やかとは言い難い展開に
次々と問題が起こりすぎて飽きずに一気に読めた、多少ごちゃごちゃ感はある。
神永さんは衝撃…ファンタジーとは違い、現実ってそんなものだろうか
それにしても次々と辛いことが降りかかる上に周りの人間がヤバい奴しかいないにもかかわらず実加が優しすぎるし、元気すぎてすごい(笑)特に周りの男がクソしかいない。
しかしいろいろなことを乗り越え、最後の文には謎の感動が。
ともあれ実加の現在が読めてよかった、今後続編があってもなくても実加には幸せになってほしい
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出てくる男性たちの倫理観が理解できない。
主人公の父親→単身赴任先で不倫、相手は妊娠したことが原因で主人公の母親が死ぬ。最後は、本人が病気で後先短いにも関わらず、もうひとり子どもを作る。どこで作ったのかまで丁寧に子どもたちに説明。
主人公の取引先の男→既婚者子持ちにも関わらず、手当たり次第に女に手を出す。不倫相手のひとりは自殺未遂。
主人公の初めての男→すでに婚約しているにも関わらず、それを隠して主人公と寝る。
主人公と同居している女性の彼氏→既婚者子持ち。やっぱり手当たり次第不倫。
主人公の姉の初恋相手→当時小学校の担任で、家庭訪問先にいた生徒の姉(高校生)に手を出して結婚。その後、結婚は間違いだったと愚痴を主人公に言い続ける。自殺するが遺書の宛名は家を出ていった奥さんではなく、当時片思いしていた主人公の姉に似てきたという理由で主人公宛て。
私は既婚者子持ちだが、上記の男性たちの言動が理解できない。
前作も面白いのに主人公の父親の不倫で私のなかでの評価は下がりましたが、今回はもっと最悪です。
前作は発行が平成初めだったこともあり、まだ不倫に関する価値観が違うと思いますが、この続編の発行は令和。とても今の時代にはそぐわない作品だと思ってしまいました。
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「ふたり」を読んだ後に続編が出てることを知り、急遽購入。前作のファンタジー要素のある「ふたり」とは違って、11年後を描いた「いもうと」は少し現実的で暗い雰囲気。
母の死を乗り越え、父の再婚相手との結婚式の会場を手配したり、実加の人の良さは前作から変わらなくて一安心。
しかし、実加に近づいてくる男たちもなかなか問題のある人が多く、もどかしい気持ちになりながら読み進める感じだった。連絡会議の件でお世話になった木俣が、実は下心あったのが残念すぎた。実加は幸せを手に入れることが出来そうな雰囲気を醸し出して物語は終わってしまった。続編、第3弾出るか期待。
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「ふたり」といえば中嶋朋子と石田ひかりで映画化された新・尾道三部作の印象が強くて。だから、「いもうと」を読んでいても実加は石田ひかりで、お父さんは岸辺一徳で脳内再生されるのはさておいて。33年が経っての続編。違和感なく11年後の実加を描けるものかと驚く。鈍くさいし、お人好しだし、変わらない実加はそこにいる。世の中を儚んではいないけれど、ちょっとくたびれていて、振り回されていて、だけど、いじけたり、ひねくれたりもせずに大人になったのは心の中のお姉ちゃんの存在が大きいんだとしみじみと。
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淡々としているのに 次から次へと事件が。
木俣と最初に会ったときの会話が素敵だったんだけど
のちに下心だと分かって残念。
内容はとんでもないなと思うけど
起こる事件と文章の淡々さの対比と
自分の世代では生まれない
冗談とか言い回しが面白かったので★3
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北尾美加を中心に多くの人が登場する物語だが、彼女の前向きな性格が様々な問題を解決していく過程が楽しめた.母の死、父の新しい伴侶、その娘の幸世など身内の問題だけでなく、会社で大きなプロジェクトを切り回す中で出会った木俣靖夫、納谷清美は複雑な状況で、美加も対処に苦労する.アパートに潜り込んできた川辺さつきと彼氏のいざこざ、神永智也の動きも妙だった.多くの人に取り囲まれた中で、父雄一が病の中で祐子との生活がほのぼのとした感覚を与えてくれた.娘の幸世の存在も大きかった.ごちゃごちゃしたストーリーだが、美加の芯の強さを味わえる筋立てだ.
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ふたりから11年。実加の中から千津子がいなくなり母も亡くし父は別の家庭があり、他にも色々起こるけど、妹の幸世に出会えてよかった。