紙の本
『C しおさい楽器店ストーリー』
2022/03/29 19:53
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
葉山にある小さな楽器店
店を守るのは22歳のギタリスト哲也と目の不自由な従妹の涼夏16歳
カスタネットを求めて店にやってきた地元の漁師の娘ナツキが事故の後遺症に悩んでいることを知った哲也は、バンド仲間で開業医の息子シナボンと組み、ナツキにリハビリを申し出る
ウクレレが奏でる音楽がシナボンとナツキに奇跡をもたらし、哲也と涼夏にも変化が訪れる
“湘南の潮風のように爽やかな大人の青春小説”「しおさい楽器店シリーズ」
『A7』『B♭』につづく第3楽章、2022年3月刊
要所に流れるBGMはビー・ジーズ、渡辺貞夫、クリス・レア、ケニー・G、ザ・プラターズ、スティービー・ワンダー、イーグルス……そして古ぼけたラジカセからはビートルズの名曲たち
〈葉山系美少女〉──お洒落とはほど遠いが、潮っぽく健気なヒロイン──がさわやかに描かれ
「たいした意味はないさ。プロデューサーである前に、一人の人間だからな」
「だが……何の理想もなく仕事をしているほど虚しい事はないんじゃないかな?」
「めざすゴールは、あの水平線より遠いんだ……」
自己の生き方に矜持を持つプロデューサーの麻田がどこまでもかっこいい
〈このシリーズの次回作で、あのCFディレクター流葉爽太郎が登場するかもしれません〉──「あとがき」
えっ!!
紙の本
音楽にのせて読む小説
2022/03/19 18:27
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投稿者:Wata - この投稿者のレビュー一覧を見る
「しおさい楽器店ストーリー」シリーズ第三弾です。
音楽を聴くように滑らかに読み進んで、読み終えたらアンコール(次作)を待ちたくなるような物語です。
つまり、最初にこの作品を見つけたら、きっと前作となるA7、B♭も読みたくなる作品です。
音楽で気持ちが変わるのと同じように、喜多嶋作品を読むと、心のビタミン補給ができると思っています。
ゆっくり読みたいけど、いつものように、心地よいリズムに乗って、すっと読み終えてしまいました。
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小説感想は久ぶりですね。
尚この本の印税の一部はウクライナの子供たちを支援するために寄付される事を、まず最初に書いておきます。さて発売したばかりですから、
内容を事細かに描くのもはばかられます。
そこで率直な感想のみ、本日は記載しておきましょう。
率直に・・・・
・読みやすい
・ストリー展開が早い(多分今の若者向き)
・そして泣いてしまっている(これは私だけ)
他の方が泣かない所でないていますね。
今回はシリーズ三作目・・
先に書いたように、詳しくは書けませんが楽器店店長、牧野哲也と楽器店を手伝う従妹の牧野涼夏
バンド仲間の陽一郎そして、
元バンド仲間で医者の卵、シナボンと
リハビリをするナツキ、
そしてデビューを控える唯、
切ない恋やプライド、自分を見つめなおすチャンス
そんな色達が、葉山を舞台に切り広げられている
小説です。
今回の小説のメンバー、
そして喜多嶋隆本人が、
「人に寄り添い、自分を知って さらに自分を磨き、またひとつ成長する」
こういうスピリッツで小説を書いているそんな風に
思いました。
もしかすると腹をくくる人生ってそう何度もないのかもしれませんね
私自身腹をくくれない人生を送っているのかもなんて考えてしまいましたよ。
音楽
喜多嶋隆の小説には音楽が欠かせません。
全部紹介できませんが、私も大好きな曲が流れていたので、紹介します。音楽を聴きながら、小説を読むのも良いかもしれませんね。
The Long And Winding Road:The Beatles
Layla:Eric Clapton
Wonderful Tonight:Eric Clapton
なんか泣いちゃいそうです。
For Once In My Life: Stevie Wonder
ハモニカが・・・心にしみるThe Long Run:Eagles
前作
A7とB♭も大変面白いですよ
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。皆様に感謝いたします。
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【あらすじ】
哲也が営む楽器店にカスタネットを買いにやって来た少女ナツキ。
やがて、ナツキが漁師の娘であり、カスタネットを使う目的を知ること。
哲也は従妹の涼夏や友人たちと共に、彼女に協力することになるが......。
【感想】
根底にあるテーマは常に「LONG WINDING ROAD」です。
人生は長く曲がりくねった道で、決してまっすぐは進めないし、ときには寄り道も必要。
葉山という町を舞台に、少女と青年になりきれない元少年たちが繰り広げる青春小説ですね。
こういう大人にはならないでほしい、という大人の描き方が昔と比べてソフトになっていて、パンチが弱くなっているところが少し淋しいですね。
その分、心理描写などが繊細になっています。
次巻では流葉爽太郎が登場するとか、しないとか。できれば、彼のシリーズの続編も読みたいなぁ。
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タイトルからも分かる様に、ギターのコードをタイトルにした葉山の楽器店を舞台にした小説。著者の少女を応援する姿勢は変わらず、気持ちいい。自分的には、近所の葉山が舞台で、どこのことを言っているのかよく分かったり、登場する音楽も、釣りのこともよく分かるので、親近感がある。ちょっと気になったのは、主人公の高校生の世代には、登場する曲が古くてわからないのではと。自分の頭の中では曲が流れるが、サブスクで曲を検索しながら読むといいかも、と思った。