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みんなのレビュー48件

みんなの評価4.4

評価内訳

48 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

絶妙に偶然に重なり合う、少年の最初の冒険と黒ねこサンゴロウの長い旅のはじまり

2010/02/20 15:17

6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

黒ねこサンゴロウシリーズは、計10冊。

全体的な流れを見ると前編5冊、後編5冊といった位置づけで、
前編5冊は「黒ねこサンゴロウ」、
後編5冊は「黒ねこサンゴロウ旅のつづき」というシリーズ名である。

後編5冊は、前編の第1巻でサンゴロウとケンが会ってから5年後という設定になっており、
前編の第1巻ではじまった旅を真の意味で完結させるのは後編の第5巻という関係である。

第1巻、第2巻が、1994年7月、第3巻、第4巻が、1994年10月、
第5巻が1994年12月といったように、ほぼ間隔を置かずに出されている。

旅のつづきは、第1巻、第2巻が1996年3月、
第3巻、第4巻、第5巻が、1996年4月と、
これも間髪置かずに出されている。

構想は前からあったのかもしれないが、
書かれるとき、出されるときは勢いよく飛び出してきたのだなと感じた。

本シリーズは、平均して140ページ前後で、字も大きめで、
小学校の中学年以降のレベルの漢字にはふりがながふられている。

集中力のある子なら、夢中になってしまえばすぐに10冊読み通せそうである。

難易度で言えば、モモやはてしない物語やダヤンシリーズよりも読みやすいだろう。

登場人物たちが住む世界の地図も複雑ではない。

言葉自体は読みやすく、すっと入ってくるのだが、
ただ冒険が楽しかっただけでは終わらない深みを持ったシリーズで、
大人の読書にも耐えうるだろう。

児童書や絵本を大人になってから読むことにまったく抵抗がない人なら、
ぜひ大人になってからでも良いので出会ってみてほしいシリーズである。

子どものころに読んだ人にはぜひ再読してほしいというタイプの作品群である。

本書の登場人物欄に書かれているのは、たったふたりである。

ひとり旅の好きな男の子・ケンとなぞの宝をさがす黒ねこ・サンゴロウ。

春休み、ケンは、あたらしい大きなホテルをつくる仕事で、
海べの町に<長期出張中>のおとうさんに会いに行く旅に出る。

おかあさんは、ケンのひとり旅をかなり心配しているが、
ケンは、ひとり旅は、はじめてじゃなく、
「ひとり旅の名人」といわれるぐらいだと自負している。

「はじめて、ひとり旅をしたのは、よちよちあるきの一さいのとき」だと
エピソードがゴロゴロ出てくるのだ。

ただ、特急がはじめてで、三時間ものる、長い旅もはじめてだから、
すこしは緊張している。

「ケンくん、切符はあるわよね。
何号車の、何番なの。ぜったいに、切符をなくさないでよ。」

ここはおそらく子どものときに読んでいたらさっと読み飛ばすところだろう。

が、母親と息子ってこんな感じだよねぇと妙に微笑ましく感じる。

大人の読書って、いちいち一つの情景に
いくつもの現実の記憶や想像の記憶が重なってしまったりする。

そんな自分にちょっと苦笑。

ケンが乗る特急は、マリン3号。

5号車、禁煙席の12A。

ケンが乗ってすぐには、隣の12Bには誰も来なかった。

駅を、いくつかとおりすぎて、そのつぎの駅で、特急はとまった。

そして・・・。

  「しつれい、ここ、あいてるかい。」
   頭の上で、すこししゃがれた声がした。
  「はい、あいています。」
   返事をしながら、ぼくは、ふりむいた。
  そして、おどろいた。
  だって、座席の横にたっていたのは、ねこだったんだから。
   いっぴき、っていうのかな。ひとり、っていうのかな。
  とにかく、ねこだった。すらっとやせた黒いねこだ。
  口のまわりに、長いひげがぴんぴんとはえていて、
  ぼうしから耳の先がでていた。

ケンとサンゴロウはこうして出会った。

ケンは、サンゴロウがねこで驚くが、サンゴロウをあっさりと受け入れ、
このあと普通に会話が成立していくのである。

「あいてはねこだけど、ちゃんとしたおとなのねこだから、
ぼくも、いちおうていねいにこたえたんだ」
という具合に、サンゴロウを大人としてみなし、話をしていくのだ。

サンゴロウと会話をしながら、サンゴロウの年齢を類推しようと試みたりもしている。

  「だいぶむかし」なんていうんだから、
  このねこは、だいぶ年をとっているのかもしれない。
  でも、元気そうだから、若いのかもしれない。
  ぼくは、ねことつきあったことがないから、よくわからない。

不思議なことが起こっても、普通に受け入れていくセンスの持ち主。

そういうところに、不思議なことは起こるのだと思う。

カタオカ・ケンとフルヤ・サンゴロウは、
名付けた人が時代劇が好きだったという意外な共通点で
意気投合(?)し、それぞれの旅の理由を語り出す。

彼らは、語り合い、べんとうの中身を交換したりして、「旅の道連れ」となっていくのだ。

ケンは「ひとり旅」のことを告げると、サンゴロウは、自分の旅を「宝さがし」と語る。

そして、宝地図が自分の手元にある理由を語り出すのだ。

「いっしょに、くるかい。つれてってやってもいいぜ。」

ケンは、うみねこ族の宝をさがす旅の道連れとなったのだった。

ケンにとっては、親の計画とは違った、
自分とサンゴロウの立てた「作戦」で、
自分の判断で、サンゴロウについていくことを決めた、
自立の旅への一歩と見ることもできるだろう。

途中、ケンにとっては険しい道のりがあり、
そこはサンゴロウひとりなら簡単に進めるようなところだったかもしれない。

それを一緒に歩いていったことにも意味があったのだ。

これは、親子の関係とは違う、兄貴分と少年の大切な旅だったのだ。

少年にはそういった同性の大人のモデルが親以外に必要で、
その役割をサンゴロウは果たしたのだ。

そして、サンゴロウにとってもケンがついてきたことは大きな意味を持つ。

サンゴロウがケンを導いて引っ張るだけではなく、
ケンがサンゴロウに与えたものを大いにあったのだ。

この宝さがしを通して、ケンが成長した証でもある。

ケンの果たした役割は、この宝さがしに留まらず、
あとあと影響を与えることもあった。

彼らの別れ際は、お互いの果たした役割の重要さに比して、
あっさりしている。

このあっさりさが、全シリーズを通して、
黒ねこサンゴロウのキャラクターを貫いている。

「サンゴロウの個性」と
「様々な人生・猫生を抱えている相手の登場人物たちの個性」が
互いに良い具合に引き立たせあうのだ。

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紙の本

動物好きなお子さんに

2022/05/22 11:37

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:はるかし - この投稿者のレビュー一覧を見る

動物が大好きな娘が夢中で読んでいます。

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紙の本

いつか海へ。

2002/06/10 21:36

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:本箱屋 - この投稿者のレビュー一覧を見る

小学生の「カタオカ・ケン」が、そのねこに会ったのは、
父親の出張先「ハナミサキ」へ行く途中の特急の中だった。
たってあるく黒いねこ「サンゴロウ」は古い地図を示して、
宝さがしに行くのだという。

「旅の始まり」は人間の少年「カタオカ・ケン」の
一人称で語られる。「ケン」が「サンゴロウ」と出会い
宝探しに同行する、ふたり旅の話だ。
特急の中で検札がくると
「サンゴロウ」は「ケン」とはちがう、
うすむらさきの切符を車掌に見せ、
車掌はその切符にハサミを入れる。
そんな不思議があたりまえのように起きて、
旅はもう始まっていることを告げられる…。

旅には人を変える力がある。
ただついて行くだけだった「ケン」は
見つけた宝を開けるのをためらう「サンゴロウ」に叫ぶ。
「だめだったらまたさがせばいい」。あけられないなんて
いくじなしだ、なかみがけむりだって、
あけないよりはずっといい。

「ケン」にとって「サンゴロウ」との出会いは宝だったが
「サンゴロウ」にとってもそれは同じだ。
旅の終わりに「サンゴロウ」はいう。
おまえを連れてきてよかった、と。

最後にもらった宝のわけまえは旅のはじまりと同じ名だ。
宝がいつかできあがった未来に、「ケン」のつけた名前で
「それ」は海へいく。
太陽のエネルギーと風の力をあつめて
どこまでも走っていくのだ。

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紙の本

ドキドキした気持ち

2002/04/27 18:36

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投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ケンと黒ねこのサンゴロウは宝を探して旅にでます。てがかりはボロボロになった古い地図だけ、宝を無事に見付けることができるのでしょうか?
 このシリーズは1〜5まであり、この物語は旅の始まりです。宝探しって、憧れですよね。宝云々より、その過程にドラマがあります。小さい頃 友達とビー玉を土に埋めて 宝探しゲームなんて やりませんでしたか? あのドキドキした気持ちが本を読んでいると 懐かしく思い出します。

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2004/10/29 21:59

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2005/10/16 23:34

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2006/08/11 17:43

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2006/07/25 17:45

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2006/12/11 10:47

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2007/09/17 00:36

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2007/10/14 01:22

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2008/03/05 14:59

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2008/11/23 23:29

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2009/08/04 16:36

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2009/09/15 01:20

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