- 販売終了
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
一太郎の謎解きに力を入れた意欲作。少しもの悲しい妖(あやかし)時代小説。しゃばけシリーズ第三弾。
2010/11/01 19:19
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
しゃばけシリーズ第三弾の本書「ねこのばば」は、より一太郎の謎解きに力を入れた意欲作で、ミステリー色のより強い作品に仕上がっている。少しもの悲しい結末も本作品の特徴。
第一弾「しゃばけ」、第二弾「ぬしさまへ」に見られた間延びした印象は姿を消し、意欲的に練ったミステリーによる、そこそこ凝縮した物語は好印象。
しかしミステリーを練った分、それに比例して、この作者の持つ欠点も増えてしまっているのが、とても残念。さらっと物語のみを楽しむなら気にならないが、丁寧に味わおうとすると、途端に欠点が目に付いてしまう。
登場人物の呼び方の不統一、推測がいつのまにか事実になっている都合の良さ、説明(描写)不足による理解しづらい行動、が主なもので、これらが改善されれば、若だんなが妖(あやかし)の力を借りて事件を解決するという物語が、さらに魅力的なものになるだろう。
【茶巾たまご】
超虚弱体質の若だんなが元気になった。それだけでなく、長崎屋はここのところ幸運つづきである。
どうやら福の神のおかげに違いないと、幸運の元に思いを巡らす若だんなの頭に浮かぶのは、最近長崎屋にやってきた、みすぼらしい格好でがりがりに痩せた金次という下男だった。
金次の元居た海苔問屋大むら屋を襲った、やりきれない事件を描く。意外な幸運の元の正体が面白い。
最後に一連の出来事の原因が分かる物語はなかなか良いが、もう少し焦点を絞ったら、もっと面白くなりそう。
【花かんざし】
水茶屋で保護した迷子の於りんは、家に帰ったら殺されると言う。
心配しながらも於りんを家へ送った若だんなたちは、於りんの乳母が殺される事件と遭遇した。
於りんの家である材木問屋中屋で起きた事件といくつかの謎を解く物語。
幾つもの謎が練り込まれ、ハッピーエンドで終わらないもの悲しい物語が、本書にしっとりとした雰囲気を運んでいる。
【ねこのばば】
若だんなお気に入りの『桃色の雲』が消え、猫又が広徳寺に捕まった。
まずは猫又を救うべく、広徳寺へと乗り込んだ若だんなたちは、僧侶が縄もないのに首を吊って死んだ事件に遭遇した。
僧侶の死にまつわる人の業の深さを描いているが、それだけに少々強引な展開と、無理のある結末、明るく終わる物語は残念。
【産土】
店が傾き始めた。旦那が金を生むという信心にのめり込むと、店の銭箱に出所の知れない小判の包みが。
信心を続けていた店の主人たちの死に妖の影が見え隠れし、なんとかしなければと焦る佐助を前に、若だんなはおかしな咳をし始めた。
佐助を主人公とした切なさ漂う物語。
読者の思い込みを付く展開が、佐助の切なさを読者に強く伝えてくる。
【たまやたまや】
幼なじみ栄吉の妹・お春に縁談が来た。しかしお春は、相手の男に無くなった煙管を探し当てたら嫁に行くと言った。
お春に相応しい男なら、煙管探しに一肌脱ごうと決意した若だんなは、縁談の相手の様子を探るのだった。
幼い頃から若だんなに思いを寄せるお春の思いを、お春を登場させずに描いた作品。
幼い頃に一緒に遊んだことが、皆が大人に成長して思い出になる切なさが良い。
紙の本
しゃばけシリーズ3作目の短編集
2016/02/16 07:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しゅん - この投稿者のレビュー一覧を見る
しゃばけシリーズ3作目。様々に趣の異なる5編の短編集。
貧乏神登場。妖の見える女の子登場。
寺で起きた謎の殺人事件。妖の絡むホラー短編小説。
幼馴染の結婚話。
紙の本
しゃばけシリーズ
2023/05/30 09:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:トマト - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも、いつも、離れで寝込んでいる主人公。もちろん、食欲なんて毎回ない。それが、どうしたわけか、バクバクご飯をちゃんと食べる。いったい、何が主人公に起きたのか。新しい仲間(妖)が鍵かもしれません。短編が収録されています。
紙の本
作者の真骨頂
2017/07/22 22:06
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作に作者さんの書きたいものが込められているように思いました。耳触りのいい言葉を求めて後先考えず大罪を犯してしまった彼らのその後が心配。