僕の音楽は破滅へ向かうのか
2022/10/15 11:18
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投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
ロックは麻薬、酒、女、行き着くところは死。
ミュージシャンを志す若者たちがバンドを結成しメジャーデビューを目指す。
チャンスを掴むときには残酷な決断が訪れる。
葵のバンドもまずは啓介のベースが切られる。
メンバーを変えたサーズデイはデビューして駆け上がるように頂点を目指す。
ノンフィクションを読んでいるように淡々と語られるサーズデイの軌跡。
しかし葵の様子がおかしい。
そこからは今までとガラと変わって、狂気、闇、暴力、破滅
言葉が溢れかえるような文章は読みづらいが、スピード感を増した物語が読むものを惹きつける。
難解な表現やコアな知識が多く読むのが辛いのが難点。
芥川賞作家らしいと言えばらしいが、もう少し娯楽度の高い作品を読みたいものだ。
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【代償を恐れて才能を潰すのは、音楽への裏切りではないかね?】幼馴染のベーシストの交代を条件にメジャーデビューを決めた葵。音楽の神はますます彼に愛を注ぎ――奪い始める。圧巻のバンド小説。
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高橋弘希著『音楽が鳴りやんだら = when the music stops』(文藝春愁)
2022.8.10発行
2023.3.18読了
高橋弘希氏の作品は、そのほとんどが暴力や死に満ちている。この作品も同様である。しかしながら、本作は初の長編小説ということもあり、これまでの高橋作品にはなかった要素が取り込まれている。
その一つはところどころに挟み込まれている笑い要素である。高橋弘希氏は、エッセイなどで、よく面白いのか面白くないのかよく分からない笑い要素を滑り込ませてくるが、この小説にはその文体がいくつか紛れ込んでいる。特に4章まではその傾向が強い。私は高橋作品に笑いを求めてはいないので、正直、「高橋弘希も、ついに大衆受けを狙うようになったのだろうか」とがっかりした気分に陥った。
しかし、中盤に入ると、高橋弘希氏の真骨頂である、残酷でグロテスクな描写が入り、まさに神業としか言いようがない筆さばきに圧巻させられてしまった。ニッパーで自分の腕の静脈を毟るシーンなど目を背けたいくらいだった。
主人公の福田葵はロックスターであり、ゆえに作中で語られる音楽もロックが中心となるのだが、私はロックに興味がないので、作品を本当には理解できないかもしれない。しかし、全てを犠牲にしてでも音楽を追求しようとする姿勢は、どこか芥川龍之介を彷彿とさせられたし、「俺は死なない音楽を創りたい」という葵の発言からは、三島由紀夫『金閣寺』を想起しなくもない。高橋弘希氏は、音楽も小説も作り方は似ていると文芸誌のインタビューで答えたこともあり、葵を高橋弘希その人と見て解釈することもできるだろう。
葵は、当初、果たして自分がロックスターとして本物なのかどうかについて、恐ろしく強迫観念に囚われていた。本物のロックスターであるならば、警察沙汰を起こしたり、自殺したりしなければ、ロックスターとは言えないのではないか? 葵はそうした強迫観念に囚われて事実そのような行為を続けて身を滅ぼしていく。しかし、それに比例して素晴らしい音楽が創造されていくという皮肉。そのような生活を続けることができるはずもなく、だからロックスターが自殺するのは正しいことなんだと最後は引金を自分の口腔に向けて引くことになる。
この作品は、今日の小説表現としては過激すぎると思われる描写がふんだんに盛り込まれている。もともとアンダーグラウンドな描写を得意とする高橋弘希氏が、薬物やセックスといった題材を取り上げるのは時間の問題だったのかもしれない。救いがないわけではなく、展開としては『日曜日の人々(サンデー・ピープル)』に似たような構造を持ち合わせている。高橋弘希氏はただ底なしの絶望を描きたいわけではないのだ。
この小説は、間違いなく高橋弘希氏にしか書けなかった。高橋弘希氏がやらないと意味がない小説だった。
URL:https://id.ndl.go.jp/bib/032292031
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前半があまりにも冗長で、投げ出したくもなったが、後半はさすがの高橋弘希さん節が炸裂していた。
ロックスターの光と影。通して傑作かと言われれば、そうといいづらいが、らしさを感じるうちは追っかけたくなる作家であるのは、はっきりそうと言える。
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初読みの作家さん。第159回芥川賞受賞作家だが、あの頃はまだ図書館を利用していなかったから読み逃している。最初は純文学系の作家だと知らずに読み始めたため、逆の意味であちこち眉をひそめた。
ストーリーは単純で、アマチュアロックバンドがレコード会社にスカウトされデビューし頂点に上り詰めるまでを描いたサクセスストーリーだ。ただ、そこには音楽のために様々な犠牲を強いられる苦悩や葛藤がある。
往年のビッグネームが多数登場するが、ほぼすべてが洋楽、しかもあまり聴かないジャンルだったので戸惑った。
残念ながら、新聞広告を見てぼくが期待した内容とは違っていた。
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むむむ、音楽性の不一致というか、本の中って鳴ってるだろう音楽に最後まで共感できないままだったかも…。
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バンドサクセス小説ですが、純文学要素が多大に入っているのでちょっと何言っているか分からないという部分も沢山ありました。でもバンド小説として序盤はとても興味深く、あるある要素も含めて面白かったです。
次第に訳の分からないバンドになってしまって、読んでいてどんな音楽やっているのか分からなくなってしまいました。
序盤はオルタナ系で曲がメロディアスで歌謡曲っぽい親しみやすさがあるようだったので、ウイーザーなんかを想像していましたが、シアトリカルな要素が多くなってきて、ゴスっぽくなったり、ナパームデスなんて言葉が出て来たり、どう考えてもリスナーはドン引きだと思います。牛の頭蓋骨被ったりようわからん。
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ほんタメ!から。どんどん濃くなっていって純文学なんだなと思った。
主人公がペラペラ話すのですごく薄っぺらい人間に見える。自分もよく話す人間だからこうならないように気をつけようと思った。キザなところもきつい。言葉がトレンディドラマみたい。
作者は音楽がすごく好きなのかな。
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何でこの本を読んでしまったんだろう。後悔。
バンドの成長物語のような、ただあらすじを追ってるような淡々とした前半。それでも続きが気になって読んでいた。中盤以降、段々と精神が崩壊していくような展開に。終盤ついていけなくなり読むのを断念。