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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
誘拐された探偵事務所の所長。耳の良さが取り柄の助手がキーとなり、複雑に絡む15年前の事件との繋がりを追及していく長編ミステリー。物々しい雰囲気の事件現場から始まり、時間軸を巧妙に使い各所にスポットを当てる事で、疑惑と共感をコントロールし惹き付ける。大どんでん返しと咄嗟には気付けない小さなギミック達に惑わされ、400頁強ずっと新鮮な焦燥感を味わえた。魅力的な誘拐犯や色んな部署の刑事、前職を生かした探偵など登場人物の背景もとても丁寧に練られていて面白かった。
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投稿者:yino - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集から派生した、一風変わった誘拐事件を描いたミステリ。「耳を武器に、音を解析し謎を解く探偵の活躍」を逆手に取った後半の展開は面白いが、登場人物達に馴染む前に事件が始まってしまう(前作を読んでいても尚)ため、軸が定まらず中盤までふらふらした印象なのが残念に感じました。過去の事件に絡めたり、伏線も多くて面白いのですが、ちょっと探偵サイドが強すぎて緊迫感に欠ける点も気になるところ。
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大野探偵事務所の所長・大野糺が誘拐された⁉ 耳が良いのがとりえの助手・山口美々香は様々な手掛かりから、微妙な違和感を聞き逃さず真実に迫るが、その裏には15年前のある事件の影があった。誘拐犯VS.探偵たちの息詰まる攻防、二転三転する真相の行方は……。新世代本格ミステリーの旗手が描く今年最大の逆転ミステリー開幕。 本当に騙されていたのは誰だ?
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おもしろかった!
人物描写も素晴らしい!!
最初の煙草の吸い殻のことは気になってたけど、まさかそんなところに繋がるとは!
ただ、あとから情報がどんどん足されていくから、謎解きとしては難しい。
しかしながら、ただ事件を解決するだけではなくて、さらに事件を解決に導いた経緯の中に驚きがあるから、あーおもしろかったで終わる一冊。
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うーーーん、短編集の美々香と大野所長と新メンバーの望田がいて、嬉しかったんだけどちょっと感想を書くのが難しい。
①血のモールス信号
→いや、血を規則的に流すのは無理ではないか?例えば血の滴る間隔を伸ばすために手を握ったりとかしても、そんなに流れ続けているなら手から溢れ出てしまってモールス信号が成り立たない。
②送り込んだ手下がモリアーティ気取りの男の側近にそんなすぐになるか?わざと泳がせてたってことなのかな。
③犯人は大野家の隠し財産の存在、なんで知ってたんだ?早希ちゃんが言ってしまったのだろうか。それとも彼の母親から聞いたのか。
なんというかこう、ちょっともやもやするところがある。耳がいいという固定概念が短編集からあったから、突発的難聴というのは驚いたけど。美々香の聴力は人並みで、頭脳がすごいという話だが短編集では人の耳が聞き取れないような微かなファックスの起動音聞き取ってなかった? 阿津川さんの作品の中では今ひとつ入り込めなかったけど、次作に期待。しょうもないモリアーティー気取りはもう出てこなくていいかな。
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大野家で長女の早紀フィアンセの熊谷太一のお披露目パーティが開かれた日。
長男で大野探偵事務所の所長である、大野糺(ただす)が何者かに誘拐されます。
糺は自分が誘拐されたのは、15年前に隣の家の野田島家の長男と長女が自分たち兄妹と間違えて誘拐され、長女が死亡し長男が行方不明になった事件と関係していることに気がつきます。
糺の探偵事務所には望田公彦と山口美々香という所員がいますが、美々香は耳が常人以上によくて、事件を解決するために美々香を呼ぶように請願します。
糺の手指の爪は誘拐犯によって全部はがされて、手は血まみれになりながら、美々香と交信しあい推理をする糺。
15年前と同じ身代金3千万円を要求されます。
警察も介入してきますが、糺は美々香だけを頼りにしています。
しかし用意した3千万円は全くのダミーでした。
犯人の狙いは他にありました。
この話すごくマニアックだと思いました。
糺をさらった人物以外の操っている「X」という人物が誰か、登場人物表を見ても全くわかりませんでした。
美々香の耳のよさというのは、脳の働きによるものだそうで、これからの美々香の活躍を期待します。
最後の最後まで騙されて、楽しめるミステリーです。
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全体的に場面がコロコロ変わる割には読みやすかった。
メインキャラクターが良いなと思ったら、短編で一度書かれたものの続編だったのですね。うっかりこちらから読んでしまったけれど、先に書かれた方のネタバレはないので、そちらはこの次に読もうかと。
トリックやら取引やら、ちょっとどうかなぁと思う点はあったけれど、たくさんの伏線の回収はやはりお見事だなぁと。
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天才は3人も出てくるし、何なら刑事も頭良いし、犯罪計画も見破り方も、色々と情報が渋滞してて大変だったけどめちゃくちゃ面白かった
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面白いと評判だったので読んでみました。最初のシーンからワクワクする出だしで、誘拐されているのに犯人との心理戦を繰り広げる所長が、なかなかかっこよかったです。今や不可能と言われている誘拐事件を、こういう形で展開するとは思わなかったので、最後まで一気読みでした。
他作品も読んでみようと思います。
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大野探偵事務所の所長大野糺が突然誘拐され、特別耳が良い助手の山口美々香がその聴力を使って犯人に迫っていくが・・・
最初は登場人物が多すぎて内容を整理するのに時間がかかってしまっておりましたが、中盤以降は問題なく読み進めることができました。
何より読者をハラハラさせるような展開と、美々香の耳の秘密に迫る場面は先が気になりすぎてページを捲るのが止まりませんでした。
犯人と大野、警察と美々香、望田(探偵事務所の仲間)と医師・・・
タイミングよく場面が切り替わり長編にも関わず全く飽きずに最後まで読み進めることができました。
読了後は思わず「面白かった・・・」と独り言ちていました。
久々にミステリを読んで、やっぱりミステリが好きだと。と私自身が再認識できた作品でした。
そして是非とも続編、シリーズ化を切望します!!
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まあ、面白かったかな
着眼点と装丁の絵がいい
美々香の親父のエピソードに
異物感を感じていたんだが、
あとがきに至近未来を選択した
エピソードとして挙げられていたので、
このエピソードは単に入れたかっただけかも
と思った
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糺と美々香の能力、糺とカミムラの取引が明らかになるクライマックスは圧巻で読む手が止まらなくなりました。
犯人が誰かというところよりも、それまでの事件解決手順に驚かされました。是非、シリーズ化して欲しい作品になりました。
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ラストの謎解きは私の理解力のなさから苦戦しましたが、冒頭からスピードのある展開、それぞれのキャラクターの魅力で一気に引きこまれ、最後まで面白く読めた。
あとがき読むまで、以前の「透明人間は密室に潜む」でシリーズ化してほしいのは「盗聴された殺人」と自分のレビューに書いてあったのを忘れてた。これはシリーズ化決定と受け取っていいんですね、今後楽しみに待ってます。
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ミステリー書評
読書レベル 初級〜中級
ボリューム 429頁
ストーリー ★★★★★
読みやすさ ★★★★
トリック ★★★
伏線・展開 ★★★★
知識・教養 ★★★
読後の余韻 ★★★
一言感想:あとがき含めて429ページと少しボリュームはありますが、とても読みやすい上に展開も早く非常に面白い作品でした。犯人当ての『Who done it?』『How done it?』『Why done it?』について、手掛かりが描かれているため、本格ミステリとしても非常に楽しめます。★1つ減らした理由は、個人的に最後まで『特殊設定ミステリ』であって欲しかったのと、探偵側が「真犯人」や「ある場所」を特定した『手掛かり』が読者には推理できる要素が全くなかった事が残念に感じたからです(設定上、仕方ない事でしたが)。贅沢を言って申し訳ありません。
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素晴らしい!これだけ贅沢なミステリと名探偵にはなかなか出会えないと思う。
「もし、この世に名探偵が実在するならば、私は、あの二人のことを言うのだと思います」
まさにその通りで、ここに登場する探偵の大野とスタッフの美々香はとんでもない状況で、とんでもない方法で犯人を追い詰めていく。
ただ、どうしても許せない(納得できない)ことがある。これを書いたらネタバレになってしまうので、ここで書くのは控えておくが、それがなければ⭐︎5でも良かったほど。本当に、それが残念でならない。
さて、物語は探偵の大野が何者かに誘拐されることから始まる。実は大野家は資産家で、そこを狙われたと推察される。
大野の実家では妹の早紀の誕生日パーティーが開かれていた。早紀の婚約者のお披露目会でもあった。そんな時事件が起こる。
事件を解決するのは刑事陣と美々香だ。
ただの誘拐ではなく、この誘拐は隣の家に15年前に起きた誘拐事件と関連があるのが面白い。
そして、所々に意味深な文言があったり、敢えて疑問を感じるようなポイントを残して、読む者を上手に煽ってくる。
読んでいる最中も面白いのだが、本当に驚くのはラストで大野と美々香が如何にして解決に導いたかに尽きる。
いやぁ、面白かった!でもやっぱり残念だった。