紙の本
おいしい和菓子のようにほろほろさせてくれます
2023/11/10 06:56
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『うさぎ玉ほろほろ』は、『心淋し川』で第164回直木賞を受賞した西條奈加さんの
人気シリーズ「南星屋」の第3作めの作品。
最初は『まるまるの毬』、続いて『亥子ころころ』、
そして今回もおいしい和菓子の絵の表紙がうれしい。
まず復習しましょう。
「南星屋」は親子三代で営む菓子屋。
武士の身分を捨てて和菓子職人となった治兵衛のつくる菓子は売り切れ必至の絶品。
その娘お永は一人娘お君を連れて出戻って、父親の店を手伝っている。
この親子に治兵衛の弟の僧侶五郎が毎度のように絡んでくる。
お君の結婚騒動(これはある事情で実現しなかったが、第3作でもその時のお相手が…)や
治兵衛を支える新しい職人雲平の登場などがこれまでのお話。
そして、今回も鹿蔵という怪しい中間が登場。
この巻の冒頭の「饅頭くらべ」で鹿蔵は治兵衛たちに逃げることを進めて行方知れずに。
鹿蔵とは何者か。何故、逃げると告げたのか。
それはこの巻最後の「願い笹」で明らかになっていく。
「南星屋」シリーズにどうして魅かれるのか。
それは作中のこんな一節が答えになるだろう。
「人の気持ちとは、まことに厄介なものだ。目に見えず、触れることもできない。」
だから、西條奈加さんの作品を通じて、
そんな厄介な人の気持ちに触れることができるのだろう。
次の作品が早くも待ち遠しい。
紙の本
諸国の菓子の彩と、江戸の暮らしの中で繰り広がる物語。
2023/08/30 22:11
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投稿者:タオミチル - この投稿者のレビュー一覧を見る
江戸麹町の人気菓子店「南星屋シリーズ」も、もう第三弾。
表題の「うさぎ玉」をはじめ、諸国の珍しい菓子たちが、物語を彩り、繰り広がるのは、江戸の暮らしや風俗、習慣などなど興味深い。
本作は、江戸の大火の様子が描かれて、その大火直後から消息を絶ったある中間・鹿蔵の話が物語のひとつの軸に。
不穏な話が起こっても、穏やかに収束してゆく物語のテイストがあいかわらすいい。第四弾はいつごろだろか?と読了したはしから続きが読みたい。
紙の本
喜びも悲しみも
2023/06/30 17:21
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
哀歓入り乱れる三冊目。
南星屋のお菓子はどれも美味しそうで喜びそのもの。
それでいて人の世はどこか苦い。
僧侶の叔父さんの過去のエピソード
食い意地絡みの淡い想い出は微笑ましい。
そして、川路様と南星屋との縁はまだ切れていない!
…期待していいのだろうか?
今回 印象に残ったお菓子は奥州仙台の駄菓子・うさぎ玉
検索してみたところ、うさぎ玉を作っていた老舗駄菓子屋のひとつがつい先日閉店したという。
長く江戸の情緒を伝えて来たお店が無くなったとは。
寂しい。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の絵が豆大福にしか見えない。
相変わらず、諸国のお菓子を廉価で販売してるらしいけど、
試作したりしてるし、元が取れてるとは思えないんだけどな。
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シリーズ第3弾。
お永もお君も、色恋はなかなか進まない。
治兵衛を含めた3人が話の軸であるために、お君が嫁入りして、南星屋から巣立ってしまったら、もの足りなく感じそう。
石海と美緒の幼い頃の思い出は良かった。
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「まるまるの毬」「亥の子ころころ」に続くシリーズ第3弾!
昔、渡り職人をしながら出会った目新しいお菓子を日替わりで提供する「南星屋」。
お菓子について知るのはやっぱり楽しい。
本作では大火の夜、気になる言葉を残して消えた鹿蔵の「謎」についての展開が、ミステリーっぽく更に楽しめました。
「時代小説」×「人情」×「菓子」はやっぱりいいなぁ。
人の営みと諸国の菓子を描いたシリーズ。
「南星屋」のその後が楽しみ。
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このシリーズには珍しく剣呑な雰囲気もあり、ハラハラもした。残念なことに前2作の内容を忘れていたため人間関係が掴みにくかった。読み直しておくべきだった。
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時代物はあまり読まないので心配していたけれどとても読みやすくて安心した。
土地特有の菓子を再現するのが面白く、そして周囲の人々とのやり取りが温かい。
読んでいる途中でシリーズものと気付いて大ショックを受けるほどに大好きな作品となった。
前作の2冊を早く読みたい。
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親子三代で営む麹町の「南星屋」には、諸国銘菓を
求めて今日もお客が列をなす。麹町を大火が襲った
夜以来、店に来なくなった渡り中間を案ずる一家
だったが、思わぬところから消息が届き…。
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南星屋のお菓子はいつも美味しそう、諸国の和菓子いいよな〜と食べたくなる
新しい人も、過去に関わりあった人も出てきてシリーズ好きには嬉しい
鹿蔵さんが悪い人ではなくて良かった…菓子好きがさらに集まってきた!
お永さんと雲平の関係はどうなっていくのかな?まだまだ続きそうで楽しみ
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【収録作品】饅頭くらべ/母子草/肉桂餅/初恋饅頭/うさぎ玉ほろほろ/石衣/願い笹
シリーズ第3作。
諸国の銘菓を再現して商う南星屋。今回は、渡り中間の鹿蔵との関わりで、大きな騒ぎに巻き込まれる。
お君の気性は好もしいが、大捕物のきっかけを作ったように危なっかしくもあって、はらはらしてしまう。
菓子づくりにあれこれとアイディアを出し合う様子が実に楽しく描かれていて、好きなことを仕事にするってこういうことだなと思う。
別れと再出発も描かれ、しみじみとした世話物でほっこりする。
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南星屋シリーズ第3弾!
毎回ながらどのお菓子も美味しそうで、似たようなものがないかとついつい和菓子屋さんで足が止まってしまいます。
そして次々と起こる事件が実はいろいろ繋がっていたりするところも好き。
今回の鹿蔵さんの結末がすごいな、と。いつかまたひょこっと出てくるのではと楽しみです。
お永さんと雲平さんもどこへ行くのやら、当人のみぞ知る。
治兵衛さんも五郎さんも、皆が皆いい人たちでこの麹町界隈の住人になりたい。
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諸国の菓子を二品、日替わりで供する、変わり種の菓子屋『南星屋』シリーズ。
遠国の菓子の話をきっかけに、すっかり治兵衛とうちとけていた渡り中間の鹿蔵。鹿蔵の話を元に、訪れたことのない土地の新しい菓子を作ることができ、喜んでいた矢先、ある火事の夜を最後に鹿蔵の行方がわからなくなってしまい…
一編ごとに、夫婦やきょうだい、親子との人情のふれあいだったりもつれだったりが織り込まれ(ここは練り込まれてというべきか)、じんわりとあたたかく、心に沁みる。
もちろん、諸国の菓子も相変わらず美味しそうで、胃に染みる⁈
「初恋饅頭」で描かれた、幼い日の石海のほのかな恋心と、少女のささやかな楽しみを知らず奪ってしまっていた事に対する涙が、何とも愛らしくせつなく、泣き笑い。
鹿蔵の行方知れずの件も、お君のちょっとしたエピソードも、終章できれいに丸くおさまり、読み終えて満足。
そして、例によってまた和菓子が猛烈に食べたくなってしまう。
南星屋が近所にあったら、本当に真剣に嬉しくてツライなぁ。毎日二種類ずつの菓子!
素通りできない!うわあ…
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シリーズ3作目
大好きな「南星屋」の皆に会えました♪
うさぎ玉ほろほろ…毎回タイトルが可愛い(^^)
今作もたくさんの和菓子が登場しましたよ♪
やんちゃ坊主の初恋話「初恋饅頭」が良かった。
石海の修行時代のお話です。
図書館の予約待ち長かった。゚(゚´Д`゚)゚。
順番待ちの人がたくさんいるから速攻で返却してこなくては!
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久しぶりの西條奈加です。
最近本がなかなか読めない。
でも読み出すと一気でした。
やはり江戸の世話物は楽しいな。