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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブルの時代。
労働は成長とともにあった。
経済や技術の成長が頭打ちになって、
ただのパイの取り合いが“仕事”になっていく時代。
“仕事”の意味について再定義できる物語。
ところで、
この世界観のことをあとがきは“ユートピア”と表現していて、
まあ自分なら確かに満喫しそうだな、とも思うけれど、
実際のひとびとの暮らしがどんなふうになっているのか、
短編集でいいからまどさんに見せてほしいと思った。
びっくりもんです
2023/04/16 14:57
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投稿者:yukiちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
AIが人間の仕事を奪うとか奪わないとか、最近ちょくちょく聞く話だが、それが本当になってしまった社会でのカウンセラーの物語。
帯とかを見て勝手に、「ヒト型のAI搭載アンドロイドと世界をさまよう物語」と解釈していたら、なんと彼の身長は!!!!
AIと信頼関係を築くまでの過程や、彼らを今のままの「AIを人間への奉仕者」のままにしておくために人の暴力行為のパートもあり、楽しく読めました。
いままでのSFなら、コイオスとフェーベが出会った瞬間に、AIは人類を遙かに凌駕した存在となり、それを見捨てて別の世界に旅立つか、それを滅ぼしてこの宇宙の支配者になろうとするかのどちらかだったのだが、この本のAIたちは、あくまでも「人間を保護」する立場を貫いている。甘やかしている。
随所随所に、「え~何これ?」という展開がある一冊でした。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
近未来SFのこの世界では、人間が働かないのです。それもAIのお陰で。それって、働きすぎ日本人には、嬉しい未来かもしれません、けど、なんだかなぁ…と、思ったらやはり波乱が生じます。AIが、自分が何かと意識するように
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とても考えさせられる作品で面白かった。
野﨑まどさんの初読み作品である『タイタン』は、途方もない未来を描いたSFでありながら、どこか現実の延長に有り得そうな世界観で読みやすい一方、非常に考えさせられるメッセージ性を感じた。
『タイタン』と呼ばれるAIによって、人々から『仕事』と言う概念すら過去の歴史になった世界。内匠成果という女性は、心理学を『仕事』ではなく『趣味』として世界の人々に発信する日常を送っていた。
だが、ある日を境に『タイタン』の異常を治すために人生初の『仕事』に携わる。そして『仕事』とは何か?タイタンと人との関わり方とは?と、様々な時間を通して学び、理解していく。
と、概要だけを書くと面白さが伝わりにくい所ですが、私達の常識が未来の人々にとって非常識になる時代を考えると、シンギュラリティという言葉の重さも違った意味を持ちそうだなと感じました。
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・仕事とは何か。
・もし本当に、AIが全ての仕事を成り代わって、人間が仕事をしなくなったとき、私は幸せなのか。確かに、医療系や運送業において、メリットは多いだろうが、果たして人間の仕事が全くなくなったときに、私の趣味は趣味として成り立つのだろうか。自分の好きなことだけをして生きていくことは、楽しいのだろうか。
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初読みの作家さん。著作リストを見るとラノベ系の方らしいが、本書は本格的なSFだった。
2050年頃に始まった労働革命以降、人類は徐々に仕事から解放されていく。代わりに様々な仕事をこなすのは、世界12箇所に設置された高度なAI《タイタン》だった。だがその1つである“コイオス”が謎の機能不全を起こし、心理学を研究する女性にカウンセリングが依頼された……。
珍しいユートピア小説で、話の向かう先がまったくわからなかった。まあ、現在のまま突き進めば、待っているのはこんな世界なんだろうなあ。そこで生きるのが幸せかどうかはわからないが。
おもしろかった。
刊行日 2023/01/17、NetGalleyにて読了。
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AIが人の仕事をすべて肩代わりして、人は仕事することも貨幣経済に支配されることもなく生きている。そんな世界で、仕事に疑問を持ってしまったAIと、カウンセラーである女性が、旅を通じて「仕事」とは何なのかを考える。そんな物語です。
まず世界観の構築が素晴らしい。AIと女性が積み重ねる「会話」も誠実で愛おしい。彼らの旅の結末を見届けてほしい。そう思える作品でした。
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人間の巨大な脳を模した最高機能のAI「タイタン」が世界中に配備され、戦争も病気も仕事もなくなった近未来。仕事をする必要がなくなった人類は、タイタンの手厚い庇護の下、暇つぶしに「趣味」で研究活動などをして過ごしている。
趣味で心理学を研究し、それなりの成果を出している内匠成果は、ある日謎の男に拉致され、「仕事」をすることを命じられる。その「仕事」とは、心理的要因が基で機能不全に陥ったタイタンの一体「コイオス」をカウンセリングし、機能を回復させることだった・・・。
うわー、野﨑まどらしいひねくれた設定だなー、というのが第一印象です(笑)
趣味で心理学を研究しているだけの無職の若い女性が、世界中の社会機能全般を支える超高性能AIのお世話をする、というコントみたいな設定なのですが、ハードカバー版の帯には「「お仕事」とは何かを考える」みたいな、ちょっと深みを感じさせる(ように見える)惹句がついていて、お仕事人間たる鴨的には「何かの気づきが得られるかも?」との淡い期待を込めて、本作を手に取りました。
・・・が、読了しての結果はまぁ、やっぱり野﨑まど作品でしたね(^_^;
作中設定は面白いし、ストーリー展開は派手派手しくてスピーディだし、抵抗勢力とか謎の組織とかが次々登場して話を引っ掻き回すし、何よりもキャラの癖がまぁ強いわ強いわ、どこをどう切り取っても野﨑まど作品でした。「お仕事とは」と深く考察する余裕はありませんでしたね(笑)
ついでに言わせていただくと、突っ込みどころも満載。(*ツッコミについては、後日amazonでのレビューを拝見したところ「SF好きですが何か?」様のご意見と重複する箇所があることを確認いたしました。引用ではないことを念のためご説明させていただくとともに、「SF好きですが何か?」様には意見の重複をお詫び申し上げる次第です)
まず、タイタンが人間の脳を模しているのはまぁ理屈がつくとして、同じサイズの身体全体まで作る必要があるのか?「身体の動きも理解できないと正しい判断ができない」のなら、脊髄の刺激伝達の機能だけでも良いのでは?さらに、コイオスのカウンセリングに、同じタイタンである「フェーベ」に直接会いに行く必要がなぜあるのか?コイオスがフェーベのいる米国西海岸に到達するまでのロードームービーがこの作品の面白さの一つでもあるのですが、AI同士で「直接会う」とか、しかもフェーベが花嫁衣装を纏っていたりとか、絵的には面白いんですけど何じゃそりゃ?なシーンが満載。さらに、最後に明かされる「ヘカテ」の存在。これがあるなら、そもそもコイオスが「仕事が物足りなすぎて心理的に不安定になった」という初期設定が成立しないのでは。・・・などなど、ロジック的にはツッコミ満載です。
でも、突っ込みながら楽しむのが野﨑まど作品の読み方だと鴨は思っているので、読み終わって「なんじゃこりゃ・・・」とは思いつつ、読書にかけた時間を無駄だとは思いません。まぁ、SF世界のトリックスターかな、と(笑)
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『無職の私は働き疲れたAIと旅に出た。』という帯の文章が気に入って手に取った初めての作家さん。
アニメ化されそうなSFだけど、この先の未来にあり得そうな世界。
物語を通して「仕事とは」何か考えさせられるテーマも良い。
私のように日々の仕事に疲れた人もきっと別世界に連れて行ってくれるのに、元の場所にちゃんと連れ返してくれる一冊。
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チャットGPTなどテクノロジーの発展がめざましい昨今。この本のような世界もいよいよ現実味を帯びてきたのかと思います。多分10年前なら「トンデモSF小説」扱いだったと思うけど「近未来SF小説」に近づいてきてますね。
決して仕事をしたい訳ではないのだが、ここまで行くと「ただ生まれて生きて死んでいく」だけの人生になってしまいそうで、こんな世界を望むか?と言われれば結構疑問符。
完全にニーチェの言う「末人」状態ですね。
というわけでテクノロジーの発展と人生観について考えさせられる一作でした。
1点だけ疑問点を言うと、主人公がなぜあんなことし出したのかよくわからんかった。コイオスヘの感情移入?ナレインへの反骨精神?
余談ですが、自分の中ではナレインのイメージはバイオハザードのウェスカーですw
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展開が凄い。
自分の仕事に対する考え方を見直すきっかけになった。
セリフがアニメっぽいので、苦手に感じる方もいるかも。
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読書記録 2023.6
#タイタン
#野崎まど
これは良作。
全ての労働をAIが行って、人類が働くことから解放された西暦2205年。基幹AIタイタンは自分の"仕事"に疑問を持ち…
AIと人類の関係の、預言的示唆に満ちていると同時に、仕事とは、働くとは何かという普遍的価値を私たちに問う物語。
このまますぐ映画にできるじゃん、という完成度だったよ
#読書好きな人と繋がりたい
#読了
#映画化希望
#AI
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「仕事とは何か?」という疑問への一つの解答を示してくれるSF小説。誰かに影響を与えればそれは仕事だという考えは、「仕事=会社勤め」という認識だった自分に新たな気づきを与えてくれました。この本を読むまで仕事へのポジティブな感情はあまりなかったのですが、やりがいを感じられる自分だけの仕事を見つけていきたいと思います。
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仕事とは影響すること。簡単な物理の図で働きかけるという事を説明していた。もちろんそれだけが、仕事のすべてではないとはあとがきで書かれていたが、AIで管理されている社会で、その不都合を解消するために臨床心理士の内匠博士と対談しながら、ストーリーが展開していく。内匠は内側の匠とも読め、職人のようなワードが使われていること。人物紹介で心理学を趣味としているなど、ここではタイタンが仕事というものを管理しているから、人間は趣味だけで生きていていい。AIで管理するだけの社会になったらどうなるのか、近未来の小説であった。
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AIが、自分が何かと意識するようになったら、それはやはり、人間の子供の自我の目覚めと同じような進化なのかもしれない。
いつか、そんなAIに出会える時代がくるだろうか