精神科医で詩人の著者
2023/04/25 09:33
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投稿者:とらとら - この投稿者のレビュー一覧を見る
ADHDなどは病気とは必ずしも言えず、いわゆる通常の健常者との境はあいまいで、通常であることを逆に病気と見立てるようなパロディ的な診断もできるとのこと。哲学者や詩人の文章、臨床的な事例も含めて興味深い話が展開されていると思いました。ちょっとわかりにくところもあって、もう少し詰めたり展開してみてくれるともっとおもしろくなるような気がしました。
健常発達という病の考え方。
2023/08/18 19:56
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投稿者:おじゃもんくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
医学関係の、精神病理学・神経心理学が専門の方の一冊。
あと、臨床てんかん学も専門ですね。
「ADHD」や「ASD(自閉スペクトラム病)」という診断名に。
少し違和感を、筆者は持たれていて。
「健常(普通)」と言われている人でも、「ADHD」や「ASD」の部分があり。
それぞれ誰でも持っているので、普通と呼ばれる人も「健常発達」と言う「病」と考えて本書は進んで行く。
「ADHD症」と「ASD症」と「健常発達症」の、発達における部分を考えて。
普通と呼ばれる多数の人の、人としての社会との関わりや発達について考察されている。
それによると、「健常発達」の人々は人からの「いいね」が無いと健全に発達出来ず。
子供時代の、親からの「いいね」。
コミュニケーション内での「いいね」。
人は、「色、金、名誉」で生きて行く事。
他人に対する「いじめ」と言う意地悪コミュニケーション。
お話しは、子供時代から大人に向かって行くが。
「ディズニーランド」や「エヴアンゲリオン」「マリリン・モンロー」あたりは分かるのだが。
ポップアートの方々や、専門家の話しになると。
なかなか、ついて行けませんでしたね。
それぞれの方を知っているのが、前提で話しが進むのでチトしんどい部分もありました。
なかなか、別次元の考え方の一冊でしたね。
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投稿者:とめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
生活臨床での「色、金、名誉」、「あざとい」や「いいね」、デカルト的コギタチオといったある種精神医学の専門用語を用いて、健常発達という病を解説しているが、結構難しかった。
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【目次】
第一章 意地悪と健常発達者
第二章 ニューロティピカル症候群の生き難さ
第三章 ほんとうは怖い「いいね」と私
第四章 昭和的「私」から「いいね」の「私」へ
第五章 定住民的健常発達者とノマド的ADHD
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とても興味のあるテーマ、惹きつけられるタイトルだったが、もっと医学用語で進められるものだと思っていたので哲学用語と著者の造語?が多くてすこし読みづらかった。
全体的に例えも多かったので、なぜ定型発達が「健常発達症候群」になるのかがいまいちつかめなかった。
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今ひとつよくわからない、と思う。だがそれはむろん著者のせいではなく、この私に精神分析と哲学におけるセンスがないからだろうとも思う……ならばそうしたセンスを求めるのがこの本ということになってしまうだろうか。最新型の自閉症/発達障害に関する知識と豊富な現代思想の知見を踏まえて、著者は定型発達と発達障害の相違を鮮やかに整理する。そして、定型発達こそが立ち止まって考えざるを得ない「病」ではないかという証明を1冊を通して行う。そこから出る処方箋はしかし、どこまでアクチュアルなのか。私たちは結局狂うことしかできない?
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健常発達の特性やいじめの構造を解説。後半からは哲学との比較が為されやや難解です。タイトルに引かれ読みましたが私にはまだ早い(正直あまり楽しめなかった)本でした。とはいえ私たちが考える普通を見直す契機となる本になり得るかもしれません。
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第1章の内容から、この本全体への期待を抱かせながら読み進めると、次第に難解になっていく。現代アートの局所的なテーマや哲学的な洞察を混ぜて壮大に語るものの、言いたいことを簡潔に述べてくれたほうが、一般読者に有益。哲学的専門用語が次々に紙面を覆う後半は、一旦本の背表紙が哲学書じゃないか確認した程。自分の知的耐久力の低さを思い知ると同時にこの酷い本に出会って感想を吐き出すために引退したブクログに投稿するモチベーションが湧きました。
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1〜3章は面白く読みました。
4章ではポップカルチャーやアートから定型発達のコミュニケーションを分析していますが、個人的には1章から言及している『牡丹と薔薇』を軸に深掘りして欲しかったです。
「自分」とは本来性のないもので、他者からの相対評価が自己像を作り出すために関係性に依存せざるを得ない、というのが定型発達の病理だと主張している…と読み解きましたが、もっとシンプルな論展開のほうが読みやすいように思いました。
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結局、よく理解できませんでした。膨大な哲学なりの知識が必要な本でした。さすが大人向き新書。勉強し直して出直すか。
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普通が異常かもしれない、って考え方には興味があって、自身の中でもそんな問いかけをしてみることがある。マジョリティーとマイノリティーの違いだけであって、どちらが普通なんて、突き詰めると誰にも分からないことだと思える。本書もそんな論旨を期待して、あと書評されているのも見て、入手・読了。分からないことを分からないままに伝えようとすると、必然的に、回りくどいというか、分かりにくい書き方になるものかもしれないけど、とりあえず読み始め、そんな綴られ方にひるむ。それにだんだん慣れてはきても、次は内容がいまひとつ入ってこない。これは理解力に依る部分が大きいと分かるんだけど、それにしても内容が分からない。終始気になったのは、”牡丹と薔薇”の知識ありきで書かれる部分が複数回出てくるけど、そこまで人口に膾炙してます?ってこと。
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アンデシュハンセンの本で「発達障害」「健常」も現代の社会で当てはめた言葉であり、時代や環境が違えばその判断や見方も違うのではないかと思い、そう言った内容に触れられると期待して手に取ったので、それとは内容は違っていたため個人的に期待外れとなってしまいました。
ですが低評価なのは、事前リサーチせず、期待と違っていたから不満というわけではないです。
とても読みにくくわかりにくかったです。
文章、論理展開。著者ご自身の中では理解していて結びついているものかもしれませんが、その考え方が定着していない人への説明としては不親切な文章なのではないかと感じます。
期待と違ったとありますが、だからといっても知らない話でも面白く説明が理解しやすければ良い読書となりますがこの本は違いました。
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発達障害ブームに対するアンチテーゼとして、ニューロティピカル症候群に触発された、「普通」という生きにくさを前半では著述、身近な例も出され、面白かったが、それはあくまでも序章に過ぎず、後半1/4は他者との関係を主にADHDをはじめとした発達生姜と、そうではない人、そして著者の専門であるてんかんを例に出し、哲学的に考察し、最終的には人間学的な論考となった。ドールーズなどの考察など、自分自身が十分に理解できてない部分が多々出てきたので、最後は難しく理解は尻切れトンボとなってしまった。
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ADHDやASDに対する「健常発達」という異常。
相対的なものとして考えてみませんか、という本書。
極めつけが、アメリカの自閉症協会による「ニューロティピカル症候群」の定義。
ニューロティピカル症候群は、1万人のうち9624人に発生するという。社会的懸念へののめり込み、妄想や強迫観念に特徴付けられる、神経性生物学上の障害。←定型障害のヒトたちのことだけど。
ニューロティピカル症候群の人は、いじわるコミュニケーションとか、「いいね」とか、対人希求性とか、本音と建前とか、「色、金、名誉」に囚われてて、よっぽど病んでるよね、と。
生きづらくて、とてもしんどいですわね、と。
「他人からどう見えるのか」より自分の興味や関心ごとに拘る発達障害と言われている人の生き方を参考にすると、もしかするとそのしんどさから抜け出せるのかも。
おもしろかった。
♪FISH DANCE/THE BOOM(1989)