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紙の本
真田昌幸の処世術が光り樋口角兵衛の狂気が真田家の騒動を予感させる
2009/12/26 13:38
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
信長の自刃後、一年経ったところから始まり、第一次上田合戦がいよいよ現実的なものになるところまでを描いている。
書題のとおり、本巻では真田家の秘密が一つのテーマとなっており、歴史の進行の他に女好きの昌幸が根因の家内騒動の様子が描かれている。
一時は落ち着くかに見えた真田家だったが、信長の死後、戦乱生き抜いていくため、上杉氏の東信濃への侵食に対して、北条氏と手を結びながらこれを押さえつつ、上田平(上田盆地)に城を築くことを決意する。
いよいよ北条氏は沼田を手中に収めるべく、徳川とのかねてからの和睦の条件であった沼田引き渡しを迫る。
秀吉との戦い(小牧・長久手の戦い)の間、真田と北条を互いに牽制させておこうと、のらりくらりと北条への返事をかわしていた家康は、いよいよ沼田を北条に渡すべしと真田へ通達する。
しかし昌幸は、沼田は自分たちが血と汗を流し勝ち取った地であるため、家康の命令を拒否した。
沼田を失っては、じわじわと追いつめられてしまうことが目に見えていた昌幸は、家康・北条との戦いを覚悟し、沼田引き渡しを拒否したが、真田のみで戦わなければいけない。
そこで昌幸が考えだしたことは、上杉への「見守って欲しい」という援助要請だった。
真田に散々苦汁の飲まされていた上杉景勝は、昌幸自らが春日山に出向いてくるのが筋、と返答してきた。
昌幸は、家臣が反対するのを聞き入れず、人質の源二郎(幸村)と共に春日山へ向かった……
本巻は、昌幸の女好きに起因する騒動、そして恐るべき力を備えた源二郎たちの従兄弟・樋口角兵衛の出奔などが見所で、徳川・北条・上杉の間を泳ぎ回る真田の綱渡りのような処世術も見所だ。
昌幸自身が春日山へ向かうところなどはハラハラし、景勝との関係には互いに潔さがあり爽快。
また、ある事件により、徳川との激突を回避できるかもしれない状況が生まれる。
史実通りではあるが、徳川との激突がありうる状況においてこの事を入れ込むことが、物語に起伏を与えるスパイスになっており、物語に引き込まれる一因となっている。
紙の本
秀吉が天下を掌握しようとしている時に、真田家は「秘密」を抱えながら生き延びようとしている
2017/02/09 14:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
本能寺の変から1年ほど経過したところから始まる『真田太平記』第2巻。
賤ケ岳の戦いなどで秀吉が信長の後継者として頭角を現していくところから、小牧・長久手の戦いで家康と決着をつけきれずに終わるというところ。そこに真田家の延命をいかにしてはかるかを腐心する真田昌幸の姿が描かれている。
が、この巻の面白いのはそれだけではない。この巻のタイトルが「秘密」と名付けられているのが意味深だ。
昌幸の息子二人・信幸と幸村の出生にもいろいろ曰くがあるようであり、そこに新たに昌幸の子どもが生まれようとしている。そしてさらに、昌幸にとって甥にあたる樋口角兵衛の行状が、大きな歴史の流れの狭間で真田家をざわつかせることになる。
確かに、真田家は日本の歴史の大きな流れの中では目立たないし、事ここに至っては天下を取るほどの運も握っていない。そんな真田一族ではあるけれど、大きな歴史の流れの中でもがき生き延びようとしている姿が随所に見受けられ、ついつい先へ先へと読んでいってしまう。
全12巻にも及ぶ長編ということで、読み始めるまでに躊躇するところが多かったが、この勢いなら苦も無く読み終えられそうだ。
紙の本
弱小大名
2016/01/20 10:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:earthbound - この投稿者のレビュー一覧を見る
武田家家臣として弱小大名だった真田家が武田家滅亡からの身の振り方を描いています。
都から遠くに領地があった真田家と、目と鼻の先に都があった織田家、軍事の才能に恵まれていても地政学上の不利が真田と織田の明暗を分けたことをしみじみと感じさせられます。
紙の本
真田ものといえば
2015/08/20 12:00
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しましま - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めて読んだのは小学4~5年生の頃で、話半分も理解できてなかっただろうけど、全巻読了しているので、解らないなりにも面白かったんだろう。高校生になってから十日あまりで全巻一気読みした。
信長亡き後、北条・徳川・上杉の微妙なパワーバランスの中を泳ぎわたる昌幸らしさの出た巻。隠し子問題も昌幸らしいといえば昌幸らしいか。