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紙の本
読みやすいです
2024/04/30 14:51
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田太平記終わっちゃったです。とても良い読書時間でしたね。魅力的な家と草の者たちでした。ゆかりの地を巡ってみたいと思ってます。
紙の本
真田信之こそが一番たいした人物であったのではないかと思わせられた、『真田太平記』の最終巻
2017/09/10 23:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みなとかずあき - この投稿者のレビュー一覧を見る
真田昌幸・信之・幸村を中心とした長い物語が終わりを迎えました。
これまで真田というと幸村や、架空の話としての真田十勇士くらいしか知らなかったので、この『真田太平記』もなんとなく大坂の冬・夏の陣で終わりだみたいなつもりでいました。なので、この第12巻は後日譚のようなつもりで読んでいましたが、読み終えてみれば全然そんなことはなく、一人残された信之がいかにして、武力とはまた違った形で徳川とやりあって、真田家を残そうとしたのかという非常に重要な話が続いているのだと思えてきましたし、池波正太郎はこの最後のところこそ書きたかったところなのではないかとも思えてきました。
しかも、そこに草の者・お江が尚活躍する話も盛り込まれており、こちらも池波正太郎が書いておきたかったところなのかと思えてしまいます。
長い話であり、読み終えてしまうのが勿体ない気分にもなってしまいましたが、読み終えてみると本当に壮大な話であり、そうでありながら数え切れないほど登場してきた人物たち一人一人が真田一族に劣らず活躍した話が丁寧に書かれていたのだということに圧倒されながら、どことなく爽やかな気分にさせられました。
でも、確かに勿体ないところはあるので、池波の他の真田ものもこの際読んでみようと思えてなりません。
紙の本
真田家の太平を目指す長い道のりに相応しい物語。しかし太平への道のりは遠い
2009/12/29 19:04
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪夏の陣の後、家康が徐々に体調を崩しやがて死んでしまう頃から、徳川秀忠の命により信之一行が国替え先の松代へ向けて出発するところまでを描いている。
またあとがきにて、真田太平記以降の真田家や、滝川三九郎一績の後年について、軽く触れている。
本巻は、短編小説「錯乱(真田騒動-恩田木工-に収録)」、「獅子の眠り(黒幕に収録)」、長編小説「獅子」など、晩年の真田信之と幕府との暗闘を描いた作品を予感させる話が中心になっている。
その予感させる話とは「碁盤の首(真田騒動-恩田木工-に収録)」である。
「真田太平記」の中では、「碁盤の首」の大まかな話の流れが組み込まれている程度であるが、「碁盤の首」を知っていても十分に楽しめる。
「碁盤の首」の中心人物は『馬場主水』なのだが、馬場と言えばこれまで樋口角兵衛とともに真田太平記で怪しい動きをしていた馬場彦四郎。
「碁盤の首」と「真田太平記」の話が混ざり合うとなると、つまらないはずはない。
この話によって真田家に良い印象を幕府が早くも難癖をつけ始めたなと、晩年の信之の奮闘に思いを馳せることができる。
さらに草の者・お江が、真田昌幸・幸村がすでにいない本巻でも思わぬ活躍をし、以前印象に残っていた加藤清正の死についての話も再び持ち上がるものだから、これまで真田太平記を読んできた者にとってはたまらない。
ただ樋口角兵衛については、思わせぶりな行動に反して、期待していたほどの展開もなく、少々残念だった。
これまで長い時間をかけて読んできた真田太平記だが、読み終えるとなにやら寂しさを覚えた。
長編を読み終えた一種の達成感と、真田が生き残るための戦いを間近に感じながら読み進めてきたからだろう。
なんとなく松代へ向かう信之を見送る上田の領民達の気持ちになった……
池波氏はあとがきに、晩年の信之と幕府との闘いを描いた「錯乱」「獅子」の二編の小説との重複を避けたと述べている。
これらの小説はいわば真田太平記の締めくくり的な物語だが、先に読んだからと言って真田太平記がつまらなくなる訳ではない。
むしろ真田、特にあまり世間で語られていない信之について興味が増し、真田太平記を読まずにはいられなくなる。
だから真田太平記に興味があるが、長い話に二の足を踏んでいるという方は、晩年の真田信之と幕府の暗闘を描いた以下3つの小説を読むと真田太平記に手を出さずにいられなくなるだろう。
・錯乱乱(真田騒動-恩田木工-に収録)
・獅子の眠り(黒幕に収録)
・獅子