あのころ、どうやって就職活動していたのだろう
2023/05/05 22:35
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
私がリクルーターだった20世紀後半にはエントリーシートなんてものはなく、書店で売られていた就職本や学校が作成した先輩の内定体験記などを参考に活動していた、もちろんネットもない、今から考えても、どうやって就職活動ができたのか不思議だ
投稿元:
レビューを見る
そもそもが駒澤大学のゼミの2020年度の研究テーマ「就活メディアは何を伝えてきたか」で学生たちが調べ、議論した結果から生まれた本です。先ずは著者の山口浩ゼミが属しているグローバル・メディア・スタディーズ学部というカタカナ学部にびっくり!従来の社会学部では収まらない学問なのでしょうか…実際、毎年メディアに関連するテーマを決めて書籍を作り、コミケで売るという活動もアクティブラーニング的な新しさを感じます。そして学生の調査し、議論するテーマとしての就活メディアはこれ以上ないような自分事な対象だと思います。第3章の就活メディア小史では自分の就活時代も思い出され、このテーマの胸苦しい気持ちが蘇りました。やっぱり高校と大学の接続以上に大学と会社の接続は難しいものがあるような気がします。そしてそれは明治以来ずっと変わっていないことも見て取れます。そういう意味で就活をビジネスチャンスと捉えたリクルートという会社の起こしたイノベーションはすごいものがあります。就活についての学生側の胸苦しさは、雇用する側と雇用される側の情報の非対称性から生まれるものであり、それは本来の意味でのジョブ型にならないと、そして、そうなるためには教育自体が変わらないと厳しそう。でも、最終章で述べられる明治以来の「一貫した矛盾」である会社側の「大学の勉強は役に立たない」という上から目線も大問題。就活教育ではなくキャリア教育を、という結語は緊急の問題だと思います。大学生と作ったとてもいい本と認識していますが、一点、タイミングでコロナ禍での就活にも触れて欲しかった…はのぞみ過ぎ?
投稿元:
レビューを見る
「しゅうかつ」と打って、「終活」が先に出てきてしまった、氷河期世代、中年未婚男性の自分です。
「○活」と付くようになると、何かと社会問題化するのかなと思いました。自分が若い頃は「就活」と言われ始めた頃で自分の問題でしたし(就職難)、「婚活」と言われ始めたのも自分の結婚適齢期でした(結婚難)。
そのうち「終活」が「死ねない問題」にならないといいのですが。
終活と婚活は似てるなと思いました。
バブル以前にも自由応募(結婚だと、自由恋愛による結婚)はあった。でも、誰にでも出来た。(誰でもなんとなく正社員にはなれたし、かなり皆婚に近い時代だった)
それが、自由応募が一般化すると(恋愛至上主義による結婚が増えた)、一部のコミュ力おばけに内定が集中するという事態が発生した(恋愛の場合、男女どちらとも)
ある意味、学生のうちに付き合っておくと楽。年齢経て経験がないと、正社員採用が難しい(年を取ってからの初婚での成婚率はかなり低くなる)。
辛いのは、コミュニケーション能力の高くない人が、自分の無力さを思い知らされるということ(就活、婚活ともに)。
ブラック企業とのマッチングというのも似たようなもんですかね。
結婚の場合は離婚すればいいので、あまり似ていないかなとも思いました。
仕事の場合は、収入という圧倒的な「弱み」を労働者は握られているので、なかなか退職しづらい。ですが、パートナーが高収入をダシにしたり、DVで支配したりして逃れられない、というところを考えると、似ているように思えました。
就活はシステム化されていて対策が出来るけど、婚活はできないから似てないかな、と一瞬思いました。
婚活は相手に選ばれないといけないので、その場に向けての対策は難しいかなと思いました。
あ、でも、清潔感とか、そういうところは対策できるのかなぁ。
「収入」が大前提だったりする場合は、これは就活だと学歴フィルターみたいなもんだと考えると、これまた似ているのかもしれません。
でも、結婚はシステムでどうにかなるものではなさそうですが、就職は会社や社会が変わって、労働者が働きやすい環境というのは作れそうですし、日本ではまだまだ改善の余地はありそうです。
あ、結婚も、しやすい社会的環境を作る必要はありそうですね。
いずれも、人間のライフステージには大きな影響を与えるものですから、みんなが幸せになるような社会であって欲しいなと思います。