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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
これは凄かった。日本語がしっかりしていて綺麗。物語は起伏もあるが、静か。よく観察する方なんだろうな。綺麗な純文学で、これから有名になって、長く読まれるといい。普遍性のある文学でした。
呼吸を合わせて男女5枚組に
2025/03/23 06:29
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
魚とアクションのポップな物語にはなりませんけど。息苦しさのなかで奥田環が終盤に訪れる房総半島が美しく、ムンクの叫びのようなアート感もありました。
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一息一息の呼吸が文字を追うごとに感じて、登場人物たちのリアルな息が伝わって感じました。
二つの物語が収録さてれいる本作ですが、共通しているのが、死に向かっていく人間たちの心情、憂いさがダイレクトに表現されているところで、表題作の「息」は、喘息に悩む姉弟が、日々の生活で、感じる息苦しさを色濃く表現していて、私自身も小児喘息に罹っていた経験があるので、共感する部分も数多くありました。もう一つの「わからないままで」は、両親が離婚し、母と共に生きた男性の物語で、母に末期の腫瘍が見つかり、母との最期の日々を描いた物語で、死に近づくにつれ感じる寂しさなどが、母から感じてきて、別れた夫や息子に対する想いなども表現さてれいて、
涙が出てきそうでした。
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帯の文章に惹かれ何気なく手に取った一冊だったけれども、表現、描写が胸に迫ってくるようで、所々で涙が溢れるほどだった。
「わからないままで」の母、息子、夫のそれぞれの視点で描かれているが、それぞれの思いが痛いほど伝わってきた。
死に際しての母の思いは、私自身の母と重なり、また、私自身が自分の息子に対して感じていることと重なった。
繊細だけれども、心にぐっと染み入るようなそんな文章でした。
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弟の自殺がきっかけとなり、生きる意味について考える登場人物たち。
弟の自殺した理由がわからないまま考え悩み続ける主人公は、死んだ弟が幼い頃に残した言葉、おとなになっても苦しいままだったらどうする?という問いかけを幾度も反芻する。
主人公は、弟のその問いかけに対してはっきりとした答えは、物語の中では示していない。
しかし、生きていく中で、偶然目にする驚きや感動とも言えないまでも、心動かされる情景、それらはとても弟に対してへの回答にはならないが、弟の死と向き合い、考え続ける姉の目を通して語られるそれらの描写に心奪われるのは、私だけでは無いはず。
そしてうまく言葉では表せないけれども、その中にほんの一握りの生きる意味や希望を見いだすことができるんじゃないかとそんなふうに考えた。
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読みながら何度も死んだ父のことを思い出した。思い出を喚起する小説に出会うことがある。隠れていた過去や出来事の側面が、小説のすぐれた描写に触発されて、まざまざと蘇るような小説が。
これははまさしくそういった小説だった。
二作品が収録されているが、二つともに共通するのは喘息、きょうだいの死、風来坊の父、である。
おそらく自身の体験なのだろうと思う。
次の作品ではこの二つのモチーフから飛び出したものを読んでみたい。
この人は芥川賞を獲ると思う。
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新潮新人賞受賞作『わからないままで』を収録したデビュー作。
表題作の『息』は、大人になって頻繁に再発するようになった喘息の症状に苦しめられる女性の話。幼少時に同じく喘息を患っており、一年前に亡くなってしまった弟の春彦をめぐり、父親と母親、主治医の娘であり春彦の恋人でもあった女性とも関わりながら、息苦しい中で少しずつ彼の死を受け入れていく。緊張と緩和を行き来しながら、いずれ訪れると信じたい家族の再生の手前のような静けさを感じさせる作品です。
普段はとくに意識することもなく繰り返している“呼吸”という動作が、実はとても豊かで、神聖なものに思えた。春彦はずっと苦しいまま死んでしまったのだろうか。
そして『わからないままで』は、ひとつの家庭の離散がもたらす長きにわたる影響や変化を、妻、夫、その息子の三者の視点から抑制の利いた筆致で描く。
〈出会って、家庭を持って、そうしてどちらかが死ぬまで添い遂げることができたら、もちろんそれはひとつの、喜ばしいかたちだと思う。わたしたちは、そうはならなかった。〉
〈あなたのお父さんとわたしにとって、きっとこれもまたふさわしいかたちのひとつだったのだと、そんなふうに思う。〉
納得のいかなさや不条理な思いを噛み締めながらここまで生きてきて、私もようやく最近はその手応えを得ている。
今はまだわからなくてもいい、わからないままでも大丈夫、いつかきっとわかるのだから、と。根拠のない自信で言い聞かせて、延命するみたいに。
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読んでいて息苦しくなった…
自殺をしてしまった姉の弟、自殺をしてしまった弟がいる姉の話
そのことをずっとひきずってしまうその苦しさ…
自殺は、ほんとに周りを不幸にする。
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中短編 2編収録。
「息」
喘息患者の苦しみや、命の脆さを強く感じた。
近しい人を失った家族が、悲しみを乗り越え生きる姿に胸が締め付けられる…
ストーリーや登場人物の状況は重く悲しみを感じるが、 暗さに沈まず、 希望や再生の光を見出す。
静かで美しい純文学の魅力に満ちた作品。
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身内の死の喪失から立ち直ろうとする家族の物語。
静かに時の流れに身を任せる話でもあります。
死を扱ってるので陽気に楽しめる小説ではないけれど、家族の死を経験してきた人たちには、強い共感を覚えると思う。
立ち直ってたと自分では思っていても、ふとしたきっかけで押し寄せる悲しみに立ちすくむ。
忘れないし、ときには思い出して振り返りもするけれど。
今は顔を上げて前に進み出す。
読後感の穏やかな物語でした。
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内容事態は、よくありそうな暗い話ですが、文章が綺麗で読んでなぜかゆったり落ち着いた気分になる。最後の海のシーンは、主人公が気持ちを弟とすり合わせてるかのような表現や情景が美しかった
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「息」と「わからないままで」の二つが収録されている。「わからないまま」の方が新潮新人賞を受賞という帯をみて読んでみた。若い著者の本だがそれを感じさせない本だった。
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作家の名前を見ていて女性だと思っていましたが、男性でした(笑)。
題材のせいか、息苦しい展開なのですが、読後感はさわやか。活躍を期待しますね。
ブログにも、詳しく書きました。覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202310160000/
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評価低すぎないか?
雰囲気も表現もとても良かった。
新鮮な描写が多く、また読みたい作家さんだ。
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読み始めて文章の書き方がすごく淡々としているようで肌にあいませんでした。それぞれ読み終えましたが人の心情は本人にしか分からない、それが家族でも同じ苦しみを経験していてもということは分かりましたが、文章も相まって事実を告げられているだけのように感じてしまいました。