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乗代雄介さん、とても良い。「皆のあらばしり」がとても好き。
青春だと思う。高校生のリアルな感情がよく書けていて、共感できる。
おじさんがよく歌っていた曲に出てくる歌詞。ギターを弾きながら歌う。「それは誠」タイトルの意味を知る。
学校にバレたら特進解除。ハラハラする。
大冒険で、先生にバレないように、作戦を練って?
修学旅行の班行動を抜け出す男子4人。
はじめは、全く仲良しとはいえない雰囲気だったのに。
でも女子を含め、班の連携が良かった。
警察と話したときもドキドキした。
こんな修学旅行は、絶対に忘れないよね。
松くんのお母さんも素敵。
じわじわくる(泣)
背伸びして成長するのだと思った。
いい話だった。
芥川賞は残念だったけど、これからの乗代さんの話も楽しみに待ちたい。
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高校生の青春小説と一言でいってしまうとそれまでだけれど、読了後も心に余韻を残す秀作だ。
タイトル名、装丁の夕日の色と4人の姿も。
芥川賞には毒が足りないのかもしれないが、候補作になり、読む機会を与えてくれたことに感謝。
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修学旅行を機に上京する男子高校生が1日だけの自由行動の日を使って離れて暮らす叔父に一目会おうと行動を起こす。
最初はバラバラだったクラスメイトが少しずつ友達になっていく。
身の回りにあってでも勝手に距離をとって寂しさを感じていたりすることはたくさんある。
改めて、周りを大切にしようと思える。
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すごく優しい高校生たちの話だった。
両親のいない僕は、かつて自分を引き取ろうとしていた叔父に会うため、修学旅行の班別行動で一人抜け出して日野へ向かうことを画策する。同じ班の男子たちが行動を共にし、女子たちの協力も得て、先生にバレずに叔父との再会を果たす。というのが筋だけれど、社会的には弱者と呼ばれる人々に、過度な気遣いをせずに接することのできるこの高校生たちはすばらしい。この、というより、一般に大人よりも、弱い人々の友であるのは子どもたちだと思った。吃音の松や叔父を労わりつつ差別せずに扱ったり、孤児である僕を変に哀れまずにフラットに接したり。自分の特待が解除されないかばかり気にしているような蔵並も、知恵を駆使して僕が叔父を待つ時間を捻り出す。そのチームプレイの積み重ねが胸熱だし、この旅行中できるだけたくさん僕の笑顔の写真を撮った方が勝ち、というこの三班の隠れたゲームも、優しさあふれたものじゃなかろうか。吃音で結婚できないから誠を引き取ろうとしてると邪推されて家を出た叔父にも彼女がいてよかった。その叔父が、来てくれてありがとうと言っていたというのは本当なのか、三班メンバーの優しいフォローなような気もする。
高村先生と話した、もし子どもが溺れたら助けてやることはできないけど一緒に溺れる、っていう宮沢賢治の話は象徴的で、溺れている僕に同行して叔父に会いについてきてくれる男子たちは一緒に溺れているのだし、そして一緒に集合時間に遅れて一芝居打つ三班メンバーも一緒に溺れているのだし、それによって誠は助けられているのだ。とにかく優しい話。
「本物の読書家」や「未熟な同感者」でも、書くということの形而上的意味を考察していた感じがしたけれど、今回も易しい形で所々触れられていた。
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冴えない立場の高校生がちょっとした冒険で友情を見つける物語。ラインは交換しなくても少しづつ友達になっていく感覚が愛おしい。
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第169回芥川賞候補作に選ばれた、いま最も期待を集める作家の最新中編小説。修学旅行で東京を訪れた高校生たちが、コースを外れた小さな冒険を試みる。その一日の、なにげない会話や出来事から、生の輝きが浮かび上がり、えも言われぬ感動がこみ上げる名編。
修学旅行の班決めのときに学校を休む、その度胸がすごいと思った。しかも、東京へ行く修学旅行で、自由行動の次の日はディズニーリゾートへ行く予定なのに、休んじゃうの?!ってなった。
そして、決まった班がクラスカースト最下位の寄せ集めの男子3人。と、なぜかカースト上位の男子。そして、女子もカースト上位の仲良し3人組。これ、絶対なんかあるでしょ。って思った。
まぁ、それも班なんてどうでもいいと思ったのは、東京の日野市にいるおじさんに会いに行きたいと思っていたからなんだよね。それで、1人で行くからみんなは好きにしてみたいなかんじだったけど、結局男子4人で行くことになり、なんだかだんだん仲が良くなっていく行程が良かった。
吃音の松くんが、なんだか可愛く思えた。体も少し弱い子なのか、これぐらいの子たちってなんとなく松くんみたいな子を排除するイメージがあるけど、なんやかんやで男子は松くんのことを気を遣って仲間になっていくし、途中であった本当に失礼な警察官には佐田くんじゃなくてもムカつく。どこの部署だ!クレーム入れてやるって。高校生には無理か。
おじさんに会うために、待ち伏せしているときに、いい感じのところを見つけ、松くんが落ち葉に包まれて寝るシーンとか好きだったなぁ。佐田くんと蔵並くんが喧嘩みたいなかんじになっているし、蔵並くんは勉強しかしてなかったのか、黒ひげ危機一髪知らないのびっくりだった。いや、今の世代の子たちは知らんのか?
そんな蔵並くんは、佐田くんとおじさんが再会できるように、集合時間が過ぎても怒られない方法を考えついて、それにみんなが賛成するの本当に青春だなと思った。女子は女子で修学旅行を楽しんで、最後の最後でみんな共犯なのすごくいい。
青春だなぁ。1人で行くはずだったおじさんのところに、みんなで行くことになって、たぶん、この修学旅行が終わったら、それほど仲良くない関係になってしまう気がするけど、少し寂しいけど、それもまたそれでいいのかな。
2024.3.31 読了
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修学旅行の自由行動を友達と抜け出して、生き別れたおじさんに会いに行く。
簡単に言ってしまうとそれだけのことが、それがこんな青春小説に仕上がってしまうのはさすがだなと思った。
高校時代の笑いや、クラスメイトとの距離が縮まるきっかけってこんな感じだったなと思い出しながら読んだ。
こういう出来事って、大人になっても不思議と鮮明に覚えている。
誰しもが持っている感覚を呼び起こされる小説だと思った。
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星4か迷う。
生き別れたおじさんに会いたいと、修学旅行の自主研修を1人の為にみんなが行動してくれる。
個性ある班員だが、協力的。
とにかく前置きも、おじさんの所へ辿り着けるのかも長いなと感じるが、おじさんに会えるのかだけを確かめるべく、ずるずると読了。
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自意識過剰な高校生が照れつつカッコつけてる文体が、読んでいて遠い昔の恥ずかしさと懐かしさを喚起する。修学旅行で冒険する高校生4人が気持ちを繋げてゆく過程がじんわり心地よい。協力する女子生徒たちもとても素敵。
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とてもよかった!!世間を少し斜めから構えて見ている青年。本当に日常のやり取りの描写、東京修学旅行の思い出。忘れられない一日。
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みなさん書いているように、最初は主人公の一人語りが私にはとても読みづらく、最後まで読めるかな…と不安になりましたが、修学旅行に入ってからはサクサクと読み進められました。高校でイベントなどの非日常の時に、普段は話すこともないような子と不思議な仲間意識を持てることって、確かにあるよなあとワクワクした気持ちで読めました。ついてきてくれた男子みんないいヤツだし、自分たちが楽しみながらも作戦に乗ってくれた女子たちも、みんないいなと思いました。文章だけ読んでると、確かに友達はあまりいなさそうだな…という感じの主人公ですが、みんなフラットに接しているのがいい学校だなあと最後は温かい気持ちになりました。
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本書のことはポリタスの石井千湖さんと豊崎由美さんの紹介に惹かれ、内容をほとんど知らないまま読んでみた。冒頭数ページが“首尾よく失敗した導入”なので、(ついていけるかな?)と思わせておきながら、それが読み進むうちに気にならなくなり、この“だらだら”感にうまいことしてやられた後の爽快感。
表紙の4人(と、ここには居ない3人)それぞれのキャラクターがすごく良い!
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たった1日の冒険。離婚して離れてしまったおじさんに会いにいく。東京への修学旅行のグループ自由行動の1日、主人公の誠の計画はちょっとずつ固まっていく。グループ行動となるため、GPS携帯を支給される中で1人だけ抜けるという計画は、いつしか、男友達2人が参加し、さらに女子の協力も得て、みんなのプロジェクトになっていく。
友情を知らない、愛を知らない、そういう孤独な子供の心と、どこかで友達が欲しい、でも近づけば傷付く、そんな微妙な感情が入り混じる。青春の一幕は、そういう愛憎も交えながら進んでいくものだ。
最後に出会えたおじさんには、女がいた。それでも伝えたいメッセージは、ありがとうだったんだと思う。色々辛いことがあったけど、大好きなんだということを伝えたかったんだと。そして、おじさんからのメッセージは、友達経由できく事になるのだけれど、すごくあったかくて、でも絶望的で、友達との友情が何よりの戦利品だったということだ。
自分自身の修学旅行でも、その当時の彼女とTシャツをこっそり合わせてみたりとか、2人で抜け出したりとか、そういうことってしたけれど、そのスリルが最高に青春だったんだと思い出した。本筋とは異なるが、甘酸っぱい思い出を改めて思い起こさせてくれて、ありがとうと言いたい。
読者にはちょっと難しいリズム感なのが特徴で、文体は少しねっとりした、テンポを変えながら進んでいく。イライラだったり、熱くなったり、そういう感情がないような日記のような進め方に違和感を感じていたが、最後はなんで文章に認めることにしたんだろうか、そんな疑問を爽やかにまとめてくれる良作。
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乗代さん初読み。最初の3ページが読みづらかったけど、そのあとはスラスラ。人との距離感が縮まっていくのって、こんな感じだよなぁってのが丁寧に描かれてた。宮沢賢治の溺れる人の話は考えさせられるなぁ。ラストにかけて爽やか過ぎるくらい爽やかだった
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こんなにも真っすぐな青春を描いた小説は久しぶりだった。周囲の同級生→友人・仲間となる子たちのセリフから、主人公の人となりが自然と浮かび上がってきて、とても魅力的な青年が浮かび上がる。眩しい1日をわくわくしながら体感した。