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紙の本
女たちはかく生きた
2023/08/31 17:36
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
歴史は勝者あるいは強者によるものと、よくいわれる。
とすれば、それは男性の歴史といわれても仕方がないことかもしれない。
ノンフィクション作家石井妙子さんがこの『近代おんな列伝』を執筆した理由に
「強者の歴史を振り返るよりも、記録に残されることの少ない女性たちの生に軌跡」に
目を向けたいとしている。
ここで取り上げられたのは、37人の「男性たちの功績の陰に隠された女性たちの一生」で、
名の知らない女性たちも多い。
全員の名前をあげることはできないが、
興味を持ったのは「天皇家に仕えた女たち」という章で取り上げられている女性たちだ。
一条美子(明治天皇の皇后)。
柳原愛子(明治天皇の側室で、大正天皇の実母)。
九条節子(大正天皇の正室で、昭和天皇の実母)。
皇室と閉ざされた環境で、彼女たちは必至で皇統をつないでいく。
なかなか知り得ない歴史を石井さんは克明に映し出してくれた。
その一方で、時の軍部の力もあって朝鮮王室の嫁いだ皇女がいたり、
満州国の皇帝の弟に嫁いだ侯爵令嬢がいたりと、
どんな立場であれ、時代という波に翻弄される彼女たちの姿は心打たれる。
その他、シーボルトの娘である楠本イネや新宿中村屋を創業した相馬黒光など
現代よりもずっと女性が認められなかった近代日本を生きた女性たちのことを
現代の私たちはもっと知るべきだろう。
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