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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
とてつもなく読むのがしんどい。これは小説の体をなしたノンフィクションだった。現実に、いる人々の11年間だ。後半の希望も、それまでの絶望とは釣り合わない。それでも、一人残らず生きていくのだ。なんで兼業でこんな作品を書けるんだろう。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
東日本大震災とヤングケアラー。
2つの大きな題材をうまく融合させて書いてる。
書かずにいられなかったんだろうなと思わせる文章。
傑作。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
宮城の港町で暮らす三人の高校生の目を通して、ヤングケアラーの日常、震災との向き合い方を描いた再生の物語。
前情報なしで読み始めたとは言え、2010年の港町設定なのに、少女達が置かれている立場にばかりに注意がいってしまい、すぐに震災に繋がる話だと気付けなかった。毎年あの時期になると考える事なのに、裏を返せば「毎年あの時期にしか考えない」とも言える自分への戒めのようにも感じた。
「家庭内の事だから」となかなか外に助けを求められない心境。それを作り出した周りの大人の対応。くだらないプライドが余計に状況を苦しくして、その皺寄せを受けるのはいつも一番弱い立場の者。その負のループを、敢えてさらりと描いている所が良かった。下の世話や暴力など、そういう扇情的なシーンを悪戯に使わず伝えているから、高学年くらいからオススメ出来る作品。二段組の長編で、内容もずっと明るいものではなかったけど、くどさを感じず読む事が出来た。
大人でもあまり知らないものだったり、日本には色んな制度がある。そういう制度をもっと開放的にするべきだと思った。
作品を通し、著者の切実な痛みが滲み出ているのをしっかりと感じた。
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読書メーター読みたい本ランキング第1位、そして、僕の生まれ故郷が被災した東日本大震災の影響を受けたヤングケアラーたちの青春と成長のストーリー。絶対に読みたい
#藍色時刻の君たちは
#前川ほまれ
23/7/28出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/3DuAzjo
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家族と家事のケアに縛り付けられて、閉塞した毎日と選択が狭めらめた未来を抱える3人の高校生と、手を差し伸べる青葉さんとの交流。そこに東日本大震災の津波がその日常をも飲み込んでしまう。どの描写もリアルで胸が詰まります。そして震災から11年後の3人は・・・
羽ばたくことができないヤングケアラー、青葉さんの小羽たちへの想い。ずっしりした読み応えで、読む前にはなかったものが心に残されました。
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胸が痛くなる。
子どもが子どもでいられる間くらい、もっと自由に伸び伸びと生活出来たらと願わずにはいられなかった。
物語の舞台は宮城県の港町。
高校2年生の小羽は統合失調症を患う母を抱え、介護と家事に忙殺される日々。
友人の凛子と航平も同じような境遇に立たされている。
三人の頭の中はいつも段取りで一杯でその健気さに涙が滲む。
追い打ちを掛けるかの如く2011年3月に起きた震災で彼らの生活は一変。
苦しみと悲しみの連鎖に胸が締め付けられた。
三人に寄り添った青葉の背景までもが切ない。
ヤングケアラーの問題に深く切り込んだ一冊。
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「いつかちゃんと、手を離しなさいね」(p.131)
宮城県石巻市。
3人のヤングケアラー。
当事者でなければわからないギリギリの生活を、優しく見守る大人が現れる。
もちろん訳ありなのだけれど、その深い理解に、3人は心を許す。つかの間甘えることもできた。
しかし津波が彼らをバラバラにする。
3人は津波サバイバーとしても生きることになる。
トラウマを抱えながらも3人は、大人になって、偶然、東京で再会し、故郷へ、それぞれの傷痕を見つめ直す旅にむかう。
ヤングケアラーの厳しい実相が描かれる。
ケアの対象となる家族の症状や対応についての記述も詳細で、現役看護師という作者の書きぶりが説得力を持って迫る。
手を繋ぐこと、手を離せないこと、手を離してしまったこと、手を離すこと。
ケアラーであり、サバイバーである。
その困難が、「手を離すこと」という一点に集約されている。
私も宮城に住んでいて、東日本大震災の被災者だ。
震災の後、復興のキーワードとして声高に言われたのは「絆」だったが、私には違和感があり、その言葉を使うことはできなかった。本書にも「絆」は、出てこない。
ツナで縛りあったりはできないのだ。
ギリギリで手を繋ぎ、いつか手を離す。
それぞれの人生を生きるのだ。
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前半は高校生の時のこと。後半は大人になってからのこと。
大変すぎる。
高校生なのに、家にいる病気のお母さんの面倒を見て、家事をこなして、テスト勉強もしなければならなくて、
なのにおじいちゃんが脳梗塞で救急車で運ばれて。
書類を書きながら、頼れる親類はいなくて、
本当に大変!
友達も大変。
仲の良い3人。
織月小羽、航平、住田凛子、
お互いの家庭の状況を理解できるヤングケアラー達。
修学旅行にも行けない。
自分が頑張らなければ、家族のために。
そして浅倉青葉さん。黒い噂があったが恩人。
「いつかちゃんと、手を離しなさいね。小羽には小羽の人生があるんだから。」と言ってくれた。
素敵な人だった。
大人になり、パニック障害に悩む小羽。
青葉さんの過去の出来事を知る。
なるほど、辛かった。
複雑性悲嘆→遷延性悲嘆障害(PGD)は新たに定義された精神疾患。愛する人の喪失に対する特徴 的な反応。PGDの特徴的な症状(感情、思考、行動)
遷延(せんえん)→ のびのびになること。はかどらず長引くこと。
星野先生と会話した時に、号泣。
会ったことはないのに、3人のことをよくわかっていて、「青葉くんから聞いていたよ」と。
あとがきで作者を知る。男性。
看護学校の図書室で調べ物をしている時にあの震災に遭う。
前川ほまれさん、現役の看護師なので、医療系のリアルな話がたくさん。
わかりやすい。
ヤングケアラーの問題や、心に深い傷がある人などの問題など、考えさせられる。
泣ける本、良書。
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宮城県に住むヤングケアラーの高校生3人が東日本大震災に遭遇。その後バラバラになった3人が約10年後に再会し、震災時のトラウマをちょっとずつ克服していく物語。
今、やっと問題視されるようになったヤングケアラーだが、ずっと前からあったことで、それはそれぞれの家の問題と考えられていた。だから、なかなか表立った問題にならなかったのか。3人の介護の様子が切なすぎる。
震災に遭ったことで、介護をしていた母を亡くした小羽だが、それにより肩の荷が降りたわけでなく、身近に面倒を見てくれていた青葉さんが行方不明のままということもあり、さらに心が重くなり、パニック障害となってしまったのは辛い。
震災で身内や親しい人を亡くされた方は一生重い十字架を背負わなければならないのかと切なくなった。
小羽が最後に10年ぶりに地元に帰り、震災と向き合ったことで、少しずつパニック障害を克服していく様に安堵した。
作者が宮城県出身の男性看護師さんと知り驚いた。
もっと多くの人に読んでもらいたい良作。
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いわゆるヤングケアラーたちの
未来が気になりつつ
たびたび医療や介護に関する
専門的な用語が出てきて
話の流れに乗り切れなかった。
薬の種類だとか病気の名前だとか
あんなに深く
細かな説明が必要だったのかなー?
いろんな知識がそのまま
詰め込まれているからまどろっこしい。
それでも最後
初めは家族に
その後は震災に囚われ続けた主人公たちが
やっと解放される感じには救われた。
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ヤングケアラーの苦悩、理解して支えてくれる大人の存在。
世界に一人でも味方してくれる人がいること。
世の中には色々な人がいて、それぞれが理解し合い、助け合い、また苦しむ人が頼れる(自分だけで抱えない)社会にならなくちゃと思うし、自分自身も視野を広く生きていきたい。
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ヤングケアラーと震災の消えない傷の物語。一気読みしながらなんとヤングケアラーというものは理不尽なのだろうかと思わずにはいられない。学業や青春に捧げる時間を家族の介護に費やさなければいけない。家族だから助け合うのは当たり前?いつか自分の人生を歩めるように、信頼できる大人が手を差し出してあげることができるシステムを早く構築してあげてほしいな…
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初読みの作家さん
高校性の3人 小羽(こはね)、凛子、航平は、派手ではないが学生生活を送りながらも 家庭の問題を抱えていた。
精神疾患・アルコール依存・高齢者の介護
彼らは今でいう「ヤングケアラ―」
いっぱいいっぱいの生活の中で 優しく彼らを受け止め、話を聞き、時には代わりに世話を引き受けてくれる 青葉という女性の存在があった。
しかし
彼らが住む東北の海辺の町は2011年3月11日の震災によって 一変してしまう。
そして
彼らの人生にもそれぞれ 後悔と苦しい傷が深く刻まれてしまう。
内容が本当に読んでいて辛い。
そして アノ震災の傷跡が生々しく綴られていて 胸を締め付けられる。
病状に関しての説明は(さすが現役看護師作家)と話と共にいい勉強をさせてもらった。
まだまだアノ時の傷が癒えない方には おすすめできませんが、
家族間内で誰にも知られず重くのしかかる介護・看病など 多くの方に読んで欲しい作品です。
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この小説には嘘がない。いや、「小説」なのだから「嘘」というか「創作」ではあるのだけど。
それでも読み終わって思うのは、ここには「真実」があるのだ、ということ。
統合失調症の母を持つ小羽、双極性障害の祖母を持つ航平、アルコール依存症の母を持つ凛子。高校2年の三人はいわゆる「ヤングケアラー」。
学校が終わると家族の介護のため部活やバイトや友だちとの遊びを避ける毎日。同じ悩みと苦しみを持つ三人には三人にしかわからない感情を持っている。「同情されたくない」というその感情は、ある意味視野を狭めることにもなるのだろうけれど、それでもその一種の矜持でもってなんとか自分を支えてもいるのだろう。
そんな三人だけの関係にある日、突然関わり始めた一人の女性、青葉。
青葉の存在が三人それぞれの小さな灯となっていく。過剰にかかわるわけではなく、それでいて苦しい時にそばにいてくれる、そんな細くも強い関係が、2011年3月11日に終わりを告げる。
震災を描くことは諸刃の剣でもある。誰もが知っている、けれど、本当にそこであったことはそこにいた人にしかわからない。
あの日あったこと。あの日から変わってしまったこと。そこから始まった別々の道が、大人になった三人の中で再び交わる。変わらないこと、変わってしまったこと、それを確かめながら三人は新しい一歩を踏み出していく。
読むのが苦しくて何度も手を止めた。それでも読み続けたのは、三人の今が知りたいから。
世界に何万人もいるであろうヤングケアラーの、その存在を知ることから私たちは始めなければならないのだろう。
なにを始めるのか。まず、何を始めればいいのだろうか。
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責任感が強く、優しくて、面倒見がいい人ほど自分自身を責めてしまうような気がします。
様々な辛い出来事にあった人にかける慰めの言葉は人それぞれで伝わり方が違い、逆に傷つけてしまう事があるなと思うと言葉もでなくなってしまうけれど、それでもわかりたいという思いはなくさないでいたいと思う。