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予約していたこれを受け取ったとき・・正直読む時間が取れず・・どうしようと懊悩した私。
案に相違して、写真が多い事や会話文、しっちゃかめっちゃかの修羅場の様子、場面が流し読みできたので案外早く読了。
どうしても電車に長い時間乗る必要があったため、車中で読んじゃおう!
重いのを覚悟して最後は読み切れた。
生きていくために言語,コミュニケーションがいかに重大か、切実に認識できる・・命すらかかっている。
アフワールという湿地たい。
文明の発祥地の一つ、チグリス・ユーフラティス。
歴史では習ったから知っているだけ・・実感を持っての認識がない。
巻末に挙げているお世話になったアカデミズムの方々以外に、いかにイラクイランの人々が在日本では少ないかを知った。
現地は、文字通りのカオス・・混沌の極み。
泥状の土に竿を入れ、ポタリと落ちるところから国を作った・・なんて伝説にぴったりの描写が続くのは読んでいてワクワクさせられる(実際の高野さんと隊長の命がかかった時間は抜きにしても)
吟遊詩人+色男、そして革命のエリートとおよそ平和な日本では見かけない部族、氏族のせめぎあいの国。その足元で蹂躙されている時間はまだまだ続いている女性の姿が。。。
アマダンの理屈では語れない形が浮かび上がる。その背後にある、壮麗なマーシュアラブ布。
100年前のユダヤ人が織った布の色合いの色合いが印象的(本場の赤に対して灰色がかった色彩)・・ナチスが台頭する前の時間だったんだ。
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素晴らしいノンフィクション。是非多くの人に読んでもらいたい。こんな秘境がある事も知らなかったし、イラク自体全く知らないので、本当に現地に行ったような経験ができる。素晴らしい本。右から左まで知らない事ばかりの湿地帯に行って現地の人たちと本当に一体化している著者はすごい。感動した!
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2023/10/26
なんの計画もせずに、とりあえずやろうと思ったことはやってみるか...
私もそのタイプではあるけど、それでいいのだ。
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探検作家(?)の高野氏による、ティグリス・ユーフラテス流域の湿地帯探検紀行。イラク領内のため、治安の悪い中、そしてコロナ禍の中、氏が湿地帯で見聞したこと、そして考察が記されている。氏のすごいところは、「やりたいこと」は一つ明確であっても、状況に応じて好奇心旺盛に柔軟に(そして行き当たりばったりに)対処していいるうちに、想定していなかった場所や視点、物事に巡り合うことだと思う。今回の旅でも当初はイラク湿地帯にて船に乗って旅したい、という思いから始まったはずが、古代のウル移籍を訪れたり、世界的にも知られていなかった織物を見出したりと、その才能が遺憾なく発揮されている。軽妙な語り口の陰には氏の深い洞察力が隠されている。
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むちゃくちゃ面白かった
チグリス・ユーフラテス川に挟まれた湿地帯に生きる、人類最古のメソポタミア文明を今に伝える人々と共に過ごしたノンフィクション
いきいきと描かれた中東世界がなんと新鮮なことか
こういう本は、ともすれば欧米中心になりがちな世界の見方を正してくれるのよ。
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アフワールは湿地帯。自由に動けぬその土地はレジスタンスが逃げ込む場所。さながら水滸伝の梁山泊。ムディーフは葦で作られた館。ゲストを迎える建物。タラーデは舳先が反りあがった族長船。湿地を縦横無尽に駆け巡る。ゲーマルは水牛の乳が原料の食べ物。うっとりするような香りと旨味という。アザールはマーシュアラブ布。羊毛100%の刺繍で多様な模様が描かれてる...親子のブッシュが仕掛けた戦争、その後の統治混乱、イスラム国…暗さと怖さしか感じなかった国での明るく楽しい報告書。辺境作家が本領発揮。イラクという国を見直した。
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イラクに湿地帯があるなんて今まで知らなかった。キーパーソンの渾名づけが面白い。
未知の世界を巡る旅行記、読んでいてワクワクする。
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「語学の天才まで1億光年」に続いて、今回も興味深い話がたくさん。何より、かつて最大で四国の面積を上回った「湿地帯」の探検を通じて、ほとんど何も知らなかったイラクのことを知ることができたのは楽しかった。こんなところから歴史や地理に興味を持つことができたら、イラクに興味を持つ人が増えるに違いない。
チグリス川とユーフラテス川の合流地点付近の「湿地帯」=「アフワール」は、昔から戦争に破れたもの、迫害されたマイノリティ、山賊や犯罪者が逃げ込む場所だった。歴史を遡れば、5千年以上前、世界最古の文明・メソポタミア文明が発祥したのは、この湿地帯だった。「湿地帯」で水牛を飼い、小舟で移動するアラブ人の姿を新聞記事で見て、世界遺産にも指定された地を探検しようと、著者が動き始めたところから、本書が始まる。
最近ではフセイン政権に抵抗する勢力が「湿地帯」を拠点とし、フセインはなかなか攻略できず、最後は巨大な水路を作り、水を枯らす作戦を取ったとか。そして、フセイン政権崩壊後には、堰や水路を壊して湿地帯の水は回復、しかし最近ではトルコなど上流の開発が進み、ダムが建設され、水の使用量が増え、湿地帯の水が減り、その面積も減少している。一方で、この地域、文化を残そうと活動している人もいる。その筆頭が、著者を現地で導いたジャーシム氏。
読みどころはいくつもあるが、印象的だったのは現地の料理。シンプルだが抜群に美味いという「鯉の円盤焼き」をはじめ、新鮮な水牛の乳を「かき混ぜて一日置いただけ」の「ゲーマル」など。著者一行は、湿地帯の行く先々で、これ以上食べられないほどの量の食事を毎回振る舞われたという。
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冒険探検記。長編大作。
5千年続く古代メソポタミア文明の生活が
今、イキイキと書かれているのは読んでいてワクワクした。
一方で、この長編旅行記を読み終える頃、
世界が物騒な方向になった。
「最後の楽園エデン」に思いを馳せると共に、
世界のありようを思った。
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抜群に面白い。
さして興味も知識もないイラクの、それも一地方をここまで飽きなく読ませられるのは、やはり高野さんの筆の力だろう。その地方だけでなく、一国に対する見方さえ変えてしまえるのはすごいことだ。
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最初は高野さん自身もこのイラクの旅をどう攻めていけばいいのかわからず、本の中でも混沌としている。後半から徐々にいつもの高野さんらしい、地元のキャラ濃い人たちとの高野さんにしか経験できない(引き出せない)んやろなーというエピソードが出てきてあっという間に読み終わった。
高野さんは語学と文才とコミュニケーションの天才だと思う。
その上、人に対する興味、歴史に対する興味、未知に対する興味、そしてその好奇心を満たすための行動力も伴っている。
イラクという危険地帯の未知のゾーンにこれだけ切り込みどっぷり浸かって解明してそれを書籍として残す。偉業である。
ソマリアでもそうだったけど、人類の宝レベルだと思う。
高野さんも探検するには高齢になって来たのかなとコロナ中は心配になっていたけど、まだまだ健在で安心した。
これからも、高野さんの活躍をたくさん届けてほしいと切に願っている。
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イラク南部にある巨大な湿地帯に飛び込み、現代の湿地帯における文化宗教生活などありとあらゆるものを解き明かすいつもの高野さんの本。
めちゃくちゃ面白い。
メソポタミアから繋がっているような文化や、誰も取り上げたことのない謎の布の正体など、湿地帯の謎解きのような部分は、まだ現代にこんなにも外部に知られていないものがあるのかと思うし、冒険譚を読んでいるような気持ちになる。
他にも友達を通さないと進まない探検や、行き当たりばったりすぎるイラクの人たちのやり方など、文化の違いも大きくて大変なこともあるのに、笑って読めるようになってて本当にすごい。
あまりにも違う文化すぎて知識がないと理解しづらい部分も多いけど、相変わらず読みやすくまとめてくれていて、分厚いのにすぐ読めてしまった
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濃い、あまりに濃すぎる
こんなに一冊で驚き続けたことあったかなレベル
色んな意味で間に合ったことに感謝
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イラクの湿地帯を旅したノンフィクション。読み始めると面白くて一気に読んでしまった。イラクと言えば治安が悪くて男尊女卑で、、というイメージ。確かに気軽に行ける場所じゃない。でも、血の通った人間味のある人々の様子が生き生きと描かれていて、溢れるホスピタリティ、食べ物や飲み物、刺繡布など興味深い話が多い。水滸伝というくらいなので、ジャーシム宋江やアヤド呉用(口に出すと綾野剛に・・・)のネーミングで気分もあがる。読み終わった後に表紙を眺めると、なんとも感慨深い。
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高野さんの著作の中でも一二を争う傑作と思った。分厚いが後半は読み終わるのが寂しくて引き延ばしたりした。文章のユーモア、アフワールの文化、様々なトラブル、高野さんの思想のすべてが素晴らしい。レベルが高いだけでなく愛おしくなる本当に良い本。