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濃い、あまりに濃すぎる
こんなに一冊で驚き続けたことあったかなレベル
色んな意味で間に合ったことに感謝
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イラクの湿地帯を旅したノンフィクション。読み始めると面白くて一気に読んでしまった。イラクと言えば治安が悪くて男尊女卑で、、というイメージ。確かに気軽に行ける場所じゃない。でも、血の通った人間味のある人々の様子が生き生きと描かれていて、溢れるホスピタリティ、食べ物や飲み物、刺繡布など興味深い話が多い。水滸伝というくらいなので、ジャーシム宋江やアヤド呉用(口に出すと綾野剛に・・・)のネーミングで気分もあがる。読み終わった後に表紙を眺めると、なんとも感慨深い。
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高野さんの著作の中でも一二を争う傑作と思った。分厚いが後半は読み終わるのが寂しくて引き延ばしたりした。文章のユーモア、アフワールの文化、様々なトラブル、高野さんの思想のすべてが素晴らしい。レベルが高いだけでなく愛おしくなる本当に良い本。
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オーディブルで読了。
イラクの文化や暮らし自体全然知らなかったが、さらにイラクの人達も知らないイラクの湿地帯の文化を取材するというとてつもなく貴重な本。
何が良いって著者の軽やかなかつ深い知性が宿る文章。
一見浮ついているように見せかけて、湿地の人達と暮らす内に「未知でオリエンタル」な彼らを「既知の普通の人」にしてしまうのがすごい。
どうしても目に色ガラスが入っている私からすると感動しきりだった。
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コロナ下でなかなか辺境に出かけられなかった高野さん、語学の本など書いておられたが、実はイラクの湿地帯という誰もあまり目を向けてこなかった原石の辺境(なんじゃそりゃ)を見つけておられた。
私たちは普通名前が似て、隣接しているのでイランとイラクという二つの国家と認識しがちですが、この二つは全く違う。サファヴィー朝の頃まで13世紀までイラクの辺りを支配していたのはイランの祖系であるペルシャ帝国であり、その後オスマントルコの支配になったりして、第一次大戦後のオスマントルコの解体にともなってイラクができたのである。つまりイランはずっと国家、イランはずっと辺境なのである。
さて今回高野さんが訪れたのはイランの湿地帯つまり辺境の中の辺境ということになる。
またこれまでの旅と、違うのは主に二つ。山田高司さんという船旅に強い同行者がいること。山田さんはそれだけでなくイラストも上手で本書の多くの氏のスケッチが掲載されている。もう一つは過去の本に比べて高野さんの勉強が深くなっていることである。未邦訳の本もたくさん読み込み現地にとりあえず行っていきあたりばったりというのが高野さんの取材スタイルなのであり今回もほとんどいきあたりばったりなのだが、事前や事後の勉強量が半端ない。本当に目にしたものを理解しようとしていることがよくわかる。
さて、本の内容だが、イラクの湿地帯アフワールに行き、水牛とともに生活する湿地の民に出会い、そこで伝統的な船を作ってもらい、マーシュアラブ布の謎に迫るという内容であった。
そこは自然と共生する国家を主体とする文明とは隔絶した世界が広がっていた。
(読んでから数ヶ月経ってからこれを書いているのですでにだいぶ忘れてしまっている。やっぱりすぐ書かないとダメです)
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高野ファンにはたまらない!いや、高野ファンじゃなくてもおすすめしたい!超大作!!
もはや貴重な学術文献かと思う内容の濃さ
これまで積み上げてきた知識と経験、リサーチ力、未知のものへの好奇心、体力、コミュニケーション力、膨大な情報を真摯にまとめ上げる姿勢、一歩間違えば小難しい話になりそうなのを軽快に読みやすく書いてくれる軽快な高野節、、
本作はまさにこれまで高野さんが積み上げてきたもののを総動員して生み出されている一作
ずっと進化し続けるかっこよさと変わらないバイタリティに脱帽
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高野秀行氏によるイラクの湿地帯アフワール紀行。古今東西、湿地帯は環境として反体制の人が集まりやすいらしい。イラクではそこに住まう人をマアダンと呼び蔑んだり親しんだりしているらしい。まるで水滸伝じゃないか。そこは砂漠の中なのに水牛が泳ぎ、人が舟で行き来しているらしい。行ってみたい。との事で始まる冒険なのだが、それは単なる目立ちたがりの困ったちゃんではなく、カルチャーショックというかもはや異世界級の文化の違いに突っ込んでゆき、学術的な探究もしっかり行っている。お客さんからドサ回り芸人もどきになり身内側からガイドもするという恐るべき溶込み力。
激戦地帯ではないとはいえ、そこはやはり爆弾テロがあり、報復合戦がある危険地帯。土地の有力者の庇護が必須で、スパイ容疑もかかっているのだが、協力してくれる人々のキャラが濃ゆすぎ、どこか呑気で根が陽気で殺伐としていない。
ジャーシム宋江の頼もしさはもとより、シンガーソング船頭アブーハイダルさんのカッコよさが強い。『ゲームの王国』の鉄板を思い出してしまった。全体的なユルさというか雑さはちょっと心当たりがあるが、全てにおいてブリコラージュという捉え方はなるほど納得。
歴史や自然の探究も面白いのだが、何と言っても謎の刺繍布「アザール」の登場で俄然のめり込む。写真を見るに雰囲気としてインドの刺繍布「カンタ」に近しい印象がある。文様の意味もきちんと持つが「キリム」よりももっと自由。生地はウールの綾織り。そしてこれもブリコラージュ。この一見、雑に見えるものこそ実はとっても難しく、センスと機知が要求される。多分日本人は苦手な部類の技術。民藝と言ってもいいのじゃないかな。私も実物を見てみたい。
数年がかり、力尽くで叶えたこの夢の船旅自体がブリコラージュ。でも失われゆく湿地帯と、消えてゆく文化の貴重な生きた記録。この人しか書けない。旅行記好き、古代文明好き、手工芸好きにはたまらん1冊でした。
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面白い。
だけど、他の作品に比べて、内容がまとまってないのでは?という意味で4。
「はじめに」が一番おもしろかった
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イラク現地で湿地民の生活を調査するノンフィクションです。分厚い本ですが学問書のような堅苦しさはなく読み進めることができました。
中学校で勉強したメソポタミア文明の時代の生活が現代まで受け継がれている様子がライブ感を持って表現されていると同時に、日本からは少し縁遠いイラクの人々と人間関係を構築していく様子が描かれており、大変面白く感じました。
星3つです。
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知らなかったイラクについて知ることが
出来た
行ったこともないし今までテレビなどや
新聞などでイメージが付いていたが
この本の内容とは違っていた
現地に行けばまた違った事が
あるのかも知れないが読みやすく
かかれていて
よかった
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全然これまで知らなかったようなとても素敵な地域がまだまだあることを教えてくれる一冊。イラクの湿地帯、一度は行ってみたい。
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あぁ。イラクに行ってみたい。これが読了後の素直な感想。そして、いかに自分が無知でバイアスのかかった中東知識しかないのかに気づかされる。
偏った世界認識を改めるためにも旅をしたい。