紙の本
民俗学とは
2024/02/29 22:42
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投稿者:Ssai - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者のこれまでの本とはテーマが違いましたが、興味深く読みました。森羅万象という言葉を感じる物語でした。
電子書籍
八百万の神
2024/02/04 22:43
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の神社やお寺を信仰することとか、自然崇拝とか。いろいろと深い内容でした。この作家さんの本は、過去にも何冊か読んているので、読み始めたのですが、これもけっこう……でした
紙の本
感じること
2023/09/11 17:35
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投稿者:わかめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分のまわりにある神社やお寺、自然をしっかりと見て大切にしたい。その土地の人々が守ってきた風習をありがたいと思う心。そういうことが、神様仏様を感じることなんだということ、とても素敵な話だった。旅に出たい!続編があることを期待します!
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『神様のカルテ』の作者が民俗学をテーマに小説を書いたと知り、気になって手に取った。青々と葉が茂る巨木が描かれた表紙、フィールドワークとして青森や京都を訪れる物語である点にも惹かれた。
第1話はいきなり「寄り道」であるが、教官・古屋と千佳の人物紹介的な章となっている。難しい話だったらどうしようかと思ったが、そこは夏川さんの小説らしく、登場人物が個性的かつ魅力的に描かれていて引き込まれた。民俗学が何かを直接的に説明することはないが、古屋と千佳の会話からそれに触れることができ、興味をそそられる。
2話は少しオカルトめいた話だ。古屋はここでも芯のある言葉を千佳に伝える。「科学の通じない領域にも真摯な目を向ける」「世界はそんなに単純にはできていない」
3話、本書タイトルとなる「始まりの木」では古屋が奥さんとそして民俗学と出会った過去が語られる。
物語が進むごとに少しずつキャラクターの背景が明らかになり、人物像に深みが増すあたりも夏川さんらしい本だなと思う。
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神様のカルテでは、患者と医療に真摯に向き合う姿があって、この本では学問に真摯に向き合っていて。著者の物事への考え方、感じ方が、自分と似ていることころがあって、夏川さんの本がすごく好き
金銭とか科学的な物差しでは測れない、感じる世界、心の世界を大切にしたい
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表現がとても綺麗
途中まさかのスピリチュアル!
それから所々スピリチュアルが出てくる
意外なところで涙してしまった
最後、住職も教授も誰も死んでない
古屋が教授になったかもわからない
ちょっともやっと
それが良いのか!
景色の表現が細やかでとても美しい言葉なんだけど想像するまで深く考えられなかった
さらーっと読んでしまった
古屋との掛け合いは面白かった
毒舌に言い返せるくらい頭の回転早くなりたいw
民俗学とは全くわかってなかったけれど面白そうだな、とは思った!
日本における神様は、大樹だったり滝だったり岩だったり身近にあるもののことが多い
住職の「亡びる」ニヤリがこわい
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ひと言で言うと、偏屈の鎧を着た民族学の准教授と
元気な大学院生が、フィールドワークの旅に出るというお話
この二人の関係がいいね
突き放しているようで、実は深い思いやりを持つ師と、文句を言いつつも尊敬し信頼する学生
民族学の深さも感じられる
でも、一番心に残ったのは
後半に出て来る老住職の言葉だ
庭の桜の大樹を観ながら杯をあおり
「大切なのは理屈じゃない。大事なことをしっかり感じとる心だ。人間なんてちっぽけな存在だってことを素直に感じ取る心なのさ。その心の在り方を仏教じゃ観音様って言うんだよ」
それは、別の宗教ではまた別の呼ばれ方をしているということだね
呼び方は人間が決めたものだからいろいろあるけど
本質的なものは同じということなんだね
とても大事なことを教えられた気がする
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民俗学の准教授と教え子の女子院生がフィールドワークに出かけ、日本人の失ったもの(失いつつあるもの)や神様について問いかける。
樹齢400年や600年の古木の存在感や、お遍路さんの「同行二人」という言葉が印象に残りました。八百万の神という言葉が浮かびました。
解説まで読み応えありました。
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日本には,八百万の神を奉る独自文化がある.そんな穏やかな文化に寄りかかれば,資本原理主義に疲弊したグローバリズム華やかな統一世界から抜け出せ,それもまた幸せの形ではないでしょうか,と提示する.学問は(資本主義的な)役には立たないけれど,役に立つ必要なんてそもそもない.
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夏川さんが書きたかった内容なんだろうな、と思いながら読み進めました。個人的には関心の高いテーマ、領域なのですが、物語という観点からは、そこまでではなかったかな、ということで星三つ。
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とても、とても良かった。
私も探しているであろうことの端っこが見えかけたような。
人間という小さな存在には説明出来ないけれど、それでも何かを解りたい、何かを掴みたい、という想いを書いて下さったのだ、と思った
古屋先生の言葉の端々に滲む愛を、深く受け止めたい。
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主人公と大学の先生とのやりとりは、読んでいて楽しかったです。と同時に、こんなに大学の先生と親密になり、自身の研究にいそしめる状況が羨ましくもありました。日本の素晴らしい自然風景の描写も、目に浮かぶようでした。
民俗学について、この本を読むまではほとんど知識がなく関心もなかったです。
現代の日本人に欠けている自然への謙虚さ、目に見えることだけが全てでないということ、大事なことをしっかり素直に感じとる心、などハッとする事柄がたくさん散りばめられていました。
神宮外苑の銀杏並木伐採問題や、ビッグモーターの街路樹問題など、心に引っかかっていることが思い出されてきます。
文庫本の解説は、倫理学者の方が書いていますが、倫理学のことも理解でき、読む価値があります。
「神様のカルテ」も好きですが、同じくらい「始まりの木」も心に残りました。
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昔から受け継がれてきたものはそれなりの根拠があるのだろうな~
自然の雄大さと素晴らしさ、厳しさも感じられすべて大切にしていくべきだと思いました。
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大学で民俗学を専攻する千佳は、変わり者の指導教官である古屋に付いて、日本各地を旅してまわる。
千佳に皮肉ばかりをあびせる辛口な古屋だが、実は情に厚く、日本の行く末を案じる熱い心を持っているのだった。
千佳はそんな古屋の内面に触れ、民俗学の意味について理解しはじめる…
民俗学という学問がどういうものなのかほとんど知らなかったが、
『未来のために過去を調べる』という古屋の言葉に、漠然と抱いていた民俗学へのイメージが一変した。
あらゆる物に感謝の念を持つ日本人特有の心の持ちようは、受け継がれていくべき大切なものだと思う。
全編を通して優しさに満ちたストーリーだった。
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民俗学という世界を通じて見せてもらったのは、日本人の心。私がどこで行き、何を失いかけているのかを教えられた気がいたしました。
再読中です。