格差ってこういうこと
2024/10/10 22:59
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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
文藝賞受賞作。
自身は東京で生まれ育った身なので、あくまでイメージでしかないのだけれど、現代の田舎の子どもたちの描写がとてもリアルだなぁと思った。だいたいの小説は頭のいい人が書くもんで、これまで小説のなかにはあまりいなかったタイプの登場人物になっている。
だいぶキャッチーな内容だと思うので、今のうちにもっと読まれるといいなぁ。
ラストは希望なのか絶望なのか判断がつかない。といいつつ、わかりたくないだけかもしれない。
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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
田舎っていうだけで、こんな人間ができるみたいなのはやめてほしい。
土地の問題じゃない。
最後はどんなふうにしたかったのか分からない。
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地方と都市という普遍性のある対比と、何者にもなれないという葛藤が合わさる作品はよく見かけるけれど、本作では主人公の界(かい)が関わる人たちとの会話や行動が生々しく、地方の若者達のリアルな様子が読者に覆い被さる。
界は自分は今、現実世界とちゃんと関わっているのだと感じているが、実際は何も関わることができておらず、それに対しての絶望と、絶望さえも感じていない様が読んでいてヒリつく。
確かにラスト付近の唐突な展開はビックリするが、その出来事さえも現実とコネクトしていないんだと読んでいて気付くと、どこか達観した気持ちになる。
うまい。文章が上手すぎる。
町田康さんとの対談が『文藝2023冬号』に載っているが、次は大麻の話を書いているという。
切れ味鋭い新人が現れたと目眩がした。
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文藝賞受賞作。
面白かった。そして読みやすかった。
中学生の主人公、界(かい)が憧れている先輩が、東京に遊びに行くあたりから、だんだん痛々しくなっていって、最後は界も痛々しかった。
地方の若者が思う東京、「自分は周りとは違う、東京に行く」みたいな心理が面白い。
似たようなことが、東京の若者だと、「自分は周りとは違う、海外に行く」みたいになるんだろうな。
著者の小泉綾子さんはプロフィールに、「東京生まれ、10代を九州で過ごす」と書いてあるので、地方の若者が思う東京という視点を色々感じてきたのかなと思った。
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田舎のバカヤンキーの心情を丁寧に描いた作品なれど、共感する部分もなく、この先がもっと読みたい、というのもなかった。文芸賞受賞とあるが、文芸賞ってこういう凝った文体のよくわからないモノが好きなのね。自分には合わず残念。
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犬は何処に❓
ってな事で、小泉綾子の『無敵の犬の夜』
何なんじゃろう、この虚無感。
おじさんになった今、この感覚と言うのか感情が全く無くなってしまっとるので、何ともなぁって…。
青、青すぎる。
目に見えるコンプレックス、目に見えないマイノリティ、そんな鬱憤を爆発したい感情も分からんでも無いけど青すぎる。
田中杏奈、ぶちええ子じゃん
界‼️何やっとんのっ‼️この意気地無しっ‼️
って突っ込み入れたくなるおじさんでした
文藝賞受賞みたいね。
ラストが文藝賞っぽいのかな
2023年42冊目
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中学の時の自分をめちゃくちゃ思い出したなぁ...。主人公みたいにめちゃくちゃ無謀な行動起こしたりはしなかったけど、心のうちに秘めてる熱さとか虚無感とか世界が全部敵に見えるような感覚が上手く描かれていてよかった。。当時はその気持ちを絶対忘れないと思ってたけど、年を追うごとにやっぱり薄れてきてしまって寂しかったけど、それを取り戻させてくれるような良作。
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中学生という一番繊細な時に、自分は何者でもなれるという自負心が特に強く芽生えることが多い。世間では中2病とよく呼ばれるのだが、
本作でも、中学生の少年・界が、地方の田舎に
住みながら自分の存在について、日々深く考えている。そこで、出会う田舎ヤンキーの橘さんに
惹かれながら、ほぼ舎弟のように行動を共にして、自分の存在を高めていく。でもある日その
橘さんの東京での一件で、界の意識が変わっていく。全部が全部田舎特有の意識とは言えないが、確かにどこかに、東京への憧れは一段に強いと感じているし、早く抜け出したい、この生活からという思いもあると思う。自分自身も中学時代と重ねたら、界みたいなマインドがあったかもしれないし、イキってた中学時代だったと感じている。
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痛々しい程の「青」だった。
直視するのも照れくさく、恥ずかしい程のエネルギーを蓄えている主人公は程度はどうあれ、誰もが経験した自分のようだった。
また、それを痛々しいと感じるところに自分の青春が死んでいるような気がしてしまい虚無感に襲われた。
いつも通りの日常に戻れるのだけれど、何故か自らそれを拒む。そんな主人公に共感できた。
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一気読み!
叫びだしそうな、泣き出しそうな、何かが決壊しそうな。
これなんだろう?
覚えがあるような。
ああ、そうだ。
小説の中に自分のコアな部分を見つけたときの気持ちだ。
主人公の界は幼少時に右手の小指と薬指を欠損している。
とある事件で学校に行かなくなり、不良連中とファミレスで馬鹿話を繰り返す日々。
そんなある日、出会った年上の男・橘さんに傾倒していくーーー。
田舎の小さな世界で、自己否定感と自己肥大感をこじらせるさまが、リアリティを持って迫ってくる。
界は何度か「こいつのせいで」と欠損した指に対する憎しみを思う。
でも、それは、ある意味、自分に対する言い訳で、それに無意識に気づいている。
だから、(界の指を)気にしない人に出会うと恥ずかしいのだ。
リアリティ、と書いたが、リアリティって、人によって違う。
田舎の中学生ヤンキーとは全然接点を持ったことないが、彼の鬱屈は覚えがある。
ときが過ぎたから分かること、最中にいるから感じること、そのどっちも感じられるような気がする小説。
疾走感ある面白いインディーズ系青春映画を見たような爽快さ。
こういうの大好き。
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田舎のマイルドヤンキー中学生が九州から東京へカチコミに。大人からみると痛々しくて滑稽なその瞬間も、彼らは彼らの世界の中で限界まで全力で一生懸命なのだ。
自意識過剰で自己肯定感低めで自分軸で生きてる人に憧れて...田舎のヤンキーに関わらず大学生くらいでもこういう人いそうだなと思った。
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苛立ちしかない毎日から抜け出せない厨二病の北九州爆走物語
脳内で再生されるサウンドトラックはGOING STEDYの童貞ソーヤングの一択
くだらな過ぎて途中で捨てたくなるくらい、やるせない中学生のどん詰まり感が胸を打ちます
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尊敬なのか愛情なのか、恋なのか欲なのか、青年ならではの葛藤をスピード感よく描いている。
テンポが良い代わりにもろもろのディティールはちょっと物足りないかも、、、
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ごめんなさい…この本は全く響かなかった。
北九州に住むヤンキーの界。ケガで指の一部を失ったことがきっかけでグレちゃったみたいだけど、その暴走っぷりには全く共感できず。
他の登場人物も惹かれる人がいないという…。
文藝賞というのは、どういう基準で決まるんだろう?
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主人公の指の欠損によるひけめと中学生独特の格好つけが支離滅裂な言葉と共に全編に漂う。北九州の田舎者が見え張って東京へ行き挫折した先輩の仇を取るべくカチコミに。このあまりにもお粗末な顛末に呆れて、この主人公の自尊心と全てのものへの怒りで膨れた薄い膜が今にも破れそうで痛々しかった。