紙の本
描きたい絵を描く
2024/03/20 08:42
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投稿者:かずさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
東海道五十三次で有名な絵師、歌川広重の絵に対する思いを語った時代小説。
火消同心安藤重右衛門。生活のため画才を発揮して絵を描くが鳴かず飛ばず。
その重右衛門の才能を認めながら苦言をも呈する版元。しかしなかなかその苦言を理解できず時として傲慢になる広重。でも最後は自分が描きたかった江戸百景を描く姿。自分の真に描き残し人の心に残る作品を描き求めた絵師の心情が書かれている。錦絵の制作過程や関わる人々の考えもよく書かれている。
紙の本
大好きな江戸百景
2024/02/29 12:05
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投稿者:BHUTAN - この投稿者のレビュー一覧を見る
202402
広重が安政大地震で壊滅的になった江戸の風景を、以前の姿で書き起こしたものということは知っていた。
が、それまでの広重につていは全くしらなかった。
順風満帆に近かったのかとおもっていたら、大違い。
でも、この本の通りであればコロリと逝けてよかったのかも。
風呂から出て、加代さんに会えたのかな?
紙の本
プロシアンブルーの発色
2024/03/17 17:12
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
名所絵師といわれた歌川広重の一代記。描く者が眼差しを向けたものがすべて、画になると考え、江戸の町を写生し続ける主人公。役者絵、美人画は得意とせず、ましてや枕絵は描けない主人公は、絵師として売れない日々が続く。東海道の宿場町を描いた錦絵が売れてからは、名が知られ、浮世絵師として生計が立つ。物を手本として写実的に写し取り、これに筆意を加えて初めて画となるのだが、それを理解する版元が少なかったことが、主人公が注目されることが遅れたのだろう。プロシアンブルーの発色にひかれた広重の画力は、確かだった、今に残るから。
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絵師として芽が出なかった歌川広重が
「べろ藍」と出会い、江戸百景を描くまでを駆け抜けるように描いた作品
本人の苦悩や想いがべらんめえ口調で語られながら進んでいく中で、たくさんの人が手をさしのべてくれることに
広重の人柄や、描く風景画がどれだけ凄かったのかが伝わってくるようだった
物語にふさわしいラストを向かえたときには
青い空を見上げてこの空の色を広重は描きたかったのかもと思いを馳せた
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描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶やかなこの「藍色」で――。
武家に生まれた歌川広重は絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞だった。一方、広重の美人画や役者絵は、色気がない、似ていないと酷評ばかり。絵は売れず、金もなく、鳴かず飛ばずの貧乏暮らし。それでも、絵を描くしかないと切歯扼腕するなかで、広重が出会ったのは、舶来の高価な顔料「ベロ藍」だった……。『東海道五拾三次』や『名所江戸百景』を描き、ゴッホを魅了した〈日本の広重〉になるまでの、意地と涙の人生を描く傑作。新田次郎文学賞受賞作。
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ヒロシゲブルー。海外では知られてるのに日本人の自分はノーマークかね、おかたじけだよ 江戸時代を読むと1番心踊るし空想する。北斎の生き様は忠実に出ててあーやっぱそうかと頷いたけど、重さんはどうなんだろうか、火消しから忠実になぞっているが豪胆さと気の小ささとがしっくり来ないかなあー 加代や豊国を通して引き立ててる気がした 重さん掴みきれてないって事 朝風呂の重さん。それより弟子の陳平がお辰を嫁にして二代目で さらに虎吉がお辰と再婚するとかめちゃくちゃ気になったので。
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「描きたいんだ、江戸の空を、深くて艶のあるこの『藍色』で。歌川広重あ絵師を志すが、人気を博していたのは葛飾北斎や歌川国貞。広重の美人画や役者絵は酷評で、鳴かず飛ばず。そんな広重が出会ったのは、舶来の顔料「ベロ藍」だった。遅咲きの絵師・歌川広重が「名所の広重」になるまでの、意地と涙の人生を鮮やかに描く傑作。
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以前読んだ白蔵盈太氏の「画狂老人卍」の北斎の人物像にかなりぶっ飛んだが、この物語の主人公の歌川広重も負けず劣らずの変人。その広重がベロ藍に出会って風景画の名作の数々が如何にして生まれて来たか。版元、弟子との関係、そして広重の絵に対する熱意が伝わって来る。「画狂老人卍」と併読するとより浮世絵の世界が広がって面白いと思う
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新版画の美術展へ行ったことがきっかけで版画をもっと知りたいと思い購入。「広重ぶるう」という題名も気に入った。
絵師と版元の関係や絵師同士の交流も描かれており、江戸時代後期の町の風土や空気も感じ取ることが出来、より版画を理解することが出来た。物語りはイメージさせてくれるのが良い。
歌川広重が携わった作品を是非見てみたい。
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浮世絵からだけでは知ることの出来ない、広重の闊達な性格や家族思いの人となりを知る。
舶来のブルー絵の具との出会いが、広重の絵を深めていく。
絵を描きたい、江戸の風景を描きたいという強い気持ちが伝わってくる。
北斎や他の絵師、版元との交流も面白かった。
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広重という題材も含め、非常に新鮮でかつ面白かったです。当時の時代考証はもとより感情が浮き出ており、時代ものとしては秀一だと思いました。
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浮世絵師歌川広重の人生を描いた作品。
火消同心である安藤重右衛門は絵師歌川広重としての顔も持つ。だが肝心の絵はなかなか売れなかった。そんなままならない日々を送っていた重右衛門はある日絵の版元から東海道五拾三次を描いてみないかと誘われる。北斎の富嶽三十六景に触発された重右衛門はその誘いに乗って描くことにする。
己の絵の才を疑わない姿は鼻持ちならないが、絵に打ち込む様子はやはりすごい。特に北斎の富嶽三十六景で目にした藍色に心を奪われるのはさすが。異国から来たそのベロ藍と呼ばれる色を広重ぶるうとして絵に使うようになるがすぐには売れないのが残念に思われる。
少々長いけれどもそれを感じさせない力作。
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新田次郎文学賞
星3.5
東海道五十三次などで知られる絵師、歌川広重。「ベロ(ベルリンのこと)藍」に魅せられ、当時、役者絵などより劣るものと思われていた名所絵で一世を風靡した。酒呑みで、喧嘩っ早い広重だが、心の奥に優しいものを持っているのが、小気味良い江戸弁でよく現わされている。時代物に強い著者ならでは。
ネットで広重の絵を改めて見たが、色づかい、構図など素晴らしい。
ドラマも楽しみ。
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広重。火消同心。江戸ことばが秀逸でした。江戸の景色を守りたいという言葉には、勝海舟を彷彿とさせました。
九州、東北、各地の離島、日本全国の名所絵が歌川広重の名前で残ってます。いろいろ読んでみたくなりました。
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浮世絵師歌川広重の代表作 錦絵『名所江戸百景』の藍色、大好きな色合いです。また、構図も斬新かつ心を擽ります。何故こんな色彩、何故こんな視点、話を読む中で分かったように思われます。
主人公含他、チャキチャキの江戸っ子の姿を垣間見るようで、映像としてもきっと面白いでしょう。今の東京とは異なる江戸の街を楽しめます。
〜気になるセンテンス〜
『歌川豊広(広重の師匠)の風景の描き方、色。何を見て、何を切り取り、何を見せるか。そうしたことが知らぬうちに身に沁み込んんでいたのだ。』
『いいかえ、寅吉(広重の弟子)。花鳥風月が風流の喩えだっていうのを知ってるだけでも上出来だ。ただな、おれぁちょっと違う。風と雨は、画に動きを出し、月と雪は静けさを出すんだ。』
以上、絵を描く上で大切に感じました。