紙の本
政治の闘争の果て
2024/03/10 15:17
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
前作で不穏を予感させるような存在だった葛城王はさしたる説明なしに橘諸兄となっており、既に主人公藤原仲麻呂に圧倒される立場にある。
叔母の光明皇后の後ろ楯で己の野心を叶えようとする仲麻呂は情を顧みない冷たい人間である。孝謙上皇の孤独な人生に一切の同情がない。
恋愛や家族の情に捕らわれると政治闘争モノは詰まらなくなり勝ちだから、案外この設定はいけるかも。
道鏡はそもそもは悪い奴ではない。あまり恋愛に傾くのは好みではないけれど。
紙の本
サンデイビス
2024/05/24 02:35
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投稿者:イケメンつんちゃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉田裕全
小田原競輪A級完全優勝
おめでとうございます
つんちゃんママの従兄弟会で
たいへんお世話になりました
単行本を読んでみました
飛龍十番勝負
第八弾
今回は
馳星周先生
先生の作品は「蒼き山嶺」
登山サスペンス
たいへんおもしろく読まして頂きました
それ以来の
今回は
歴史サスペンス
ましてや
時は奈良時代
ほとんど知らない
人見知りだし
たくさんの藤原さん
たくさんの人間模様
読み始めると
古くささも意外になく
わりと現代風
すらすら読み上げました
軽妙なテンポ
ピークからの没落
暑さと厚さ
単行本三冊連続読破
第一弾
派手な朱とダークな黒
直木賞作家の粋を感じました
音を三十個ぐらい外す
国営放送のアナウンサー
在庫もあるそうなので
ぜひお買い求めくださいませ
不二家 ミルキーバームクーヘン
だから丸善書店はおもしろいんです
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藤原不比等に始まった藤原家も3代目、いよいよ仲麻呂の物語。歴史をなぞるように、物語は淡々と進む。
「仲麻呂の乱」はどのように起こったのか、孝謙天皇(称徳天皇)と道鏡との関係は・・・。
阿倍内親王が孤独のうちに天皇となり、道鏡との共謀関係によって次第に力を発揮していく物語は読み応えがある。
歴史の教科書もこんなに面白く書かれていれば、もっと頭に入ったかもしれない。
これで藤原家は房前の子孫北家と、宇合の子孫式家が残り、その後の平安時代の歴史を作っていく。
このシリーズはそこまで続くのだろうか。
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藤原不比等の「比ぶ者なき、」その息子たち4兄弟と長屋王の「四神の旗」からの奈良時代史第三弾!
久々の作品も、何ともノワール感たっぷりで馳星周の世界に浸かることが出来た。満足です。
そういえば、
恵美押勝の乱って教科書に載ってましたっけ?
女帝の孝謙天皇と道鏡の恋物語も必見。
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日本の天皇は万世一系となっている。続日本書紀にある話なのだろう藤原家も名門の家でこの頃の時代活躍していた話だ。藤原仲麻呂一代の生涯をこの一冊にまとめている。なかなか読み応えのある一冊だった。人の出世欲や権力欲は果てしなくあるものなんだな。
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ずいぶんストレートなお話だった。
あまりにもやりすぎた藤原仲麻呂がとてもわかりやすい悪役。
道鏡、意外といい奴ではないですか。
吉備真備かっこ良い。
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藤原仲麻呂が人事を操り、天皇すらコントロールする。しかし、孝謙天皇の所に道鏡と吉備真備が来ると
日本史リアル劇画化小説。面白かった。まさに劇画
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「比ぶ者なき」「四神の旗」に続くシリーズ三作。主人公は奈良時代、天平の世に生きた藤原仲麻呂(恵美押勝)。祖父の藤原不比等の才を受け継いで頭角を現し栄華を極めるが最後はあっけなかった。敗因は情を軽んじながらもそれを徹底できなかった脇の甘さか吉備真備の叡智か。
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藤原仲麻呂が主人公。その栄華と1週間ほどで没落する様子は確かに小説の題材に相応しい。歴史から学ぶことは多いと思う。国を納める人間が国のためではなく自分のために行動するとどこかに綻びが生じるわけだ。
今の日本は個人ではないが組織を守るための政治になっていないか?考えさせられる。これ、組織(会社など)でも同じだな。
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疫病に荒れた世を建て直す救国の英雄か、古代社会を破壊する稀代の逆賊か。謎多き傑物・藤原仲麻呂の実像に直木賞作家の筆が迫る。
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盛者必衰、驕れるもの久しからずや。
そんな言葉が浮かぶ藤原仲麻呂の物語。
内裏の権力闘争を仲麻呂、阿部内親王の視点で描くが、仲麻呂の跳梁と没落の対比がリアルに面白い。
結局は身内同士の、血の争いでしかない貴族社会を辛辣に描いた歴史小説。
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かつて、黒岩重吾氏がライフワーク?とした時代。氏の作品は好みだったが,白鳳飛鳥天平の絵巻物は好きでなかった。
古代は文献があるとはいえ、正史の時代。勝者が綴るフィクションは、読みこなす知力もないし、その陰にあった事を推し量る文筆力ってどんなものなんだろうと思ったこともあって、手が伸びなかった。
馳氏の世界は劇画チック。キングダムとはいかずとも。。
山歩きの帰りよく通る藤原京跡、近江の山の際、立ち寄って散策した紫香楽京、そして無論平城京などの史跡軍は大いにファンタジーをそそる。
その陰にあった、どろどろした感情は楽しめた。孝謙天皇と道鏡の下りは目に浮かべてしまう。
吉備真備が遣唐使の務めから帰国する時ともに苦労を分かった阿倍仲麻呂。
恥ずかしながら彼と作品の仲麻呂をとっちがえていた。
当時の70余とあれば、もはや仙人の域。流石、当で学んできた国造りの才が最後に光ったというわけか。
もっとも日本で定めた万世一系がいいかどうか、藤原氏がその後、権勢をふるってわが世の極みとうたった時間があった事を思うと・・何がいいか悪いか・・士農工商が愚策としても庶民は常にもがな渚後ぐ海人の小舟に載ったわらの民だね・・と思った。
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奈良時代の藤原仲麻呂を描く歴史小説。
「比ぶ者なき」「四神の旗」の続編。
前半は橘氏と、後半は上皇&吉備真備との抗争が描かれていて、相応でない野望を持ってしまった悲劇となっていました。
ただ、藤原三代で没落したところで終わっては後の藤原一強時代につながらないので、もうちょっと続編を書いてほしいです。
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天平時代に生きた人物が脳内でリアルに甦り、一気に読了。傲慢非情で自利のみ追求する藤原仲麻呂VS冷静沈着な策士、吉備真備。二人の最終決戦が見所だ。ドロドロした場面を嫌味なく淡白に描ける著者の筆力は秀逸。