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みんなのレビュー24件

みんなの評価3.7

評価内訳

24 件中 1 件~ 15 件を表示

未完作の完結

2025/02/28 21:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:今井 - この投稿者のレビュー一覧を見る

いわゆるパスティーシュだろうか。未完の作品を独自の視点で描き繋ぐ試み。海外の小説ではよくあるように思うが、まさか江戸川乱歩の作品でそれがなされようとは。そもそも乱歩の作品に未完作があることすら知らなかった。物語は乱歩らしい独特の世界観。奇人・変人が多すぎやしないか、と思うがそれもまあご愛嬌。すべての謎が解かれるのか、心配だったがそれも杞憂だった。まあ納得できる展開。ただ構成が複雑で一回読んだだけでは理解しづらい。それとあとがきにもあるが、現代では不適切とされる表現がすごく多い。読んでてびっくりしたくらい。できればこれは最後のページではなく、一番最初らへんに注意書きしてほしかった。

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「悪霊」中断の真相は?

2024/07/20 11:25

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:kapa - この投稿者のレビュー一覧を見る

某新聞書評欄に、大物美術家によるビジュアルな書評が目に付いて手に取った江戸川乱歩の探偵小説である。乱歩の小説を全て読んだわけではないが、初めて聴くタイトル、しかもドストエフスキーの暗く陰鬱な小説と同名、とくる。乱歩ワールドが期待できる「新作」の登場、と思った。しかしそうではなかった。
乱歩は、昭和8年(1933年)、「二銭銅貨」で本格推理小説作家としてデビューを果たした雑誌「新青年」に「悪霊」の連載を開始した。しかし掲載延期や休載を重ね、結局「探偵小説的情熱を呼び起こし得ず」と宣言して連載を止めてしまう。それを「金田一耕助v.明智小五郎」という探偵小説へのオマージュ作品も書いている探偵小説家芦辺拓氏が書き継いだ作品である。
芦辺氏は乱歩自作の部分を改変することなく、そこに自らの創作部分を加えて物語を完成させる。音楽の世界では、他人の作をそのまま引用して新しい作品とする、パスティッチョ、パスティーシュという手法を使っている。「金田一v.明智」でもその手法を使っていたので、芦辺にとって手慣れたものであろう。創作部分は、乱歩と総ルビ入りの文章、発表当時の国語表記法を駆使し書いており、あたかも一体として続いているように見えるが、微妙にフォントが違うので、区別ができる仕掛け。
乱歩真作部分は、冒頭から乱歩特有ドロッとした濃厚さ・陰鬱さ・回りくどさに満ちて、あの「淫獣」や「孤島の島」を彷彿とさせる。密室殺人、全裸の美女変死体、意味不明の死体の傷、現場に残された意味不明の暗号または記号を示す図を書いた紙(「真正半陰陽」、一人の人間が男女双方の世紀を備えたもの、という解釈はやや強引な気がするが)、そして乱歩好みの奇人・変人が揃った怪しげな降霊会、迷路など乱歩ワールド満載である。
芦辺氏は、その世界を引き継いで、一世紀近い前に残した謎を、探偵小説家として、それこそ偏執狂に「推理」して「回収」していき、物語の結末へと向かっていく。後半では、連載当時の乱歩を登場させる。乱歩自身の生涯で、謎の部分とされる昭和9年(1934年)1月のスランプに陥った乱歩が環境を変えるために泊まり込んだ麻布の「張ホテル」でのプライベートの秘密の探索を交え、悪霊を「中断せざるを得なかった真の理由」何があったのかを推理する。そしてタイトルの「乱歩殺人事件」の意味も明らかにされていく、二重三重の推理小説の入れ子状の構成。
この本は、乱歩デビュー100年記念(『二銭銅貨』1923年)のオマージュ作品でもある。そのためか、乱歩のスタイルを駆使し彼になりきって、先人の推理を超えんとする力作だが、中止となったのは別の理由ではなかったか。NHK『英雄たちの決断』という番組で、『帰ってきた探偵〜江戸川乱歩 ミステリ復活の闘い〜』が取り上げられた。「大正から昭和にかけ人間の闇をみつめる探偵小説で一世を風靡した江戸川乱歩。しかし戦争へと向かうなかで多くの作品が発禁に。…日本が軍国主義へと傾斜していくなかで乱歩作品の多くは検閲によって発禁処分とされた。表現の自由が奪われ探偵小説は風前の灯に」。そこで乱歩が決断したのは、本格探偵小説は将来の後進の手に委ね、自身は「少年探偵団」「明智小五郎」といった子供向け小説に活路を見出し、探偵小説の底辺を拡大しようという考えがあった、という内容であったと思う。「悪霊」は1933年なので、二・二六事件、日中戦争はまだ先だが、軍靴は聞え始めた頃、戦後はまだ先だが、それを見越したうえでの決断で「中止」としたのではないか。乱歩ファンにとっては拍子抜けする顛末だが、いかがだろうか。

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2024/02/12 00:35

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2024/02/26 21:42

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2024/03/03 19:21

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2024/03/09 07:32

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2024/03/14 10:49

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2024/03/17 22:35

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2024/04/03 09:19

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2024/04/02 19:32

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2024/04/05 12:33

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2024/04/08 22:10

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2024/05/02 13:45

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2024/04/21 23:30

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2024/05/21 10:08

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