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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
良くないけど、居場所があるって良いよね、友情とか愛とかって良いよね、と単純に思える。良いはずはないんだけど。
小説は良かった。僕の物語ではないけれど、必ず次世代の誰かの物語になっている。おじさんは野球要素に嬉しくなっております。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
不登校の一歩手前だった高2の桃瀬。幼馴染みとの再会で、無意識的に闇バイトに巻き込まれ、どんどん溺れていく。逃げ場のないフラストレーションを抱えた若者たちが吐き出す声を、ラップのようにリズミカルに纏めた新感覚の青春小説。
スラングの応酬と独特で自由すぎる文体に相当苦労した。ハッキリ言って読み手を選ぶ作品。自分の感覚でしかものをはかれない凝り固まった人には理解が難しい、と身に沁みて感じた。
理解するには深く考えずに物語に沈み込む事が重要。その無意識的な行為が物語の軸である「主人公が闇バイトに染まっていく感覚」とリンクしているように感じ、頭で考えて読んでいた筈なのに段々とハイになり、ノリで全てを受け入れてしまっていた自分に驚いた。
お気に入りキャラは、ポジティブなKYのクラスメイト君。歪みまくった世界で唯一ブレない輝きを放っていて、強く印象に残った。
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飲んだように読んだ
これは普通に読んだを打ち間違えたんだけどまあ飲んだでも正しいかと思ってそのままにした
こういうことってあるよなーみたいなノリの小説ででも全然こんなもんじゃないから読んでよかった
にやにやしたりぎゅうってなったりする部分沢山あったけど文章はもっと感情に即していて良いんだって思った
とっても影響受けるかも、受けたかもね
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すべてがダイレクトに響いてくる。
イメージを文章で表現することへのチャレンジ
『本気じゃないんだから勝ったも負けたもなくない?』
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バイブス、なるほどね
慣れるまでつっかえつっかえで、わーこれはちょっと、と思いながらも読んでいたら
途中であーこれラップ的な感じかもと気づいてなんとなく勝手にMOROHAでイメージしたら脳内で音声で再生されるようになり
波に乗ったら慣れてあとは一気に読み切った
文学作品としてとても面白く、たぶん新しいし、ワクワクして良かった
内容はまぁ、青春の穴に落っこった少年少女がもつれてる感じで、まぁ、うん
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あまり気にしたことなかった「すばる文学賞」受賞作。紹介文に金原ひとみさんと川上未映子さんの選評コメントが。この二人がおすすめしているとなると読むしかない
#みどりいせき
#大田ステファニー歓人
24/2/5出版
#読書好きな人と繋がりたい
#読書
#本好き
#読みたい本
https://amzn.to/485yuag
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受賞のコメントや挨拶が最高過ぎて、それだけでファンになっちゃったファニーちゃん。単行本の発売楽しみにしてた!
独特の文体が、最初はめちゃくちゃ読みにくかったけど、いつのまにかグルーヴに乗せられて、文字を追うのが心地良くなって、読むというより頭の中で話してる音を聞いてる感覚だった。
音読のリズムの正解がイマイチわからない箇所もあったけど、それはそれで良いやと思う。
「ま、またあぞびにいっでいい、んっぐう」とか、音がリアルで、泣きながら話してる様子や表情がありありと思い浮かぶ。
主人公の真っ直ぐさとみっともなさが気持ち良いし可笑しいしで、読みながら何度も笑いが止まらなかった。
高校生と大麻というと、数年前に読んだ「オールグリーンズ」も思い浮かんだけど、どちらも男女や国籍とか抜きで、人間をフラットに描いてるところが好きだなと思った。
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ハスラーの青春小説
ドラッグ描写や裏バイト的なことを稚拙に書いてるかと踏んでいたが、居場所が無いティーンが連帯感を持ち寄り添って生きる青春模様が描かれている。
冒頭20.30ページの情景描写がちょっと読みづらい感じがして戸惑ったが一気に読めた
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わたしは筆者さんの見ている世界を覗き見しているように思える文体が好きなんだな〜と思った なかでもとりわけ独特でしたが!
同じ世界に暮らしていても見えてる世界がめためたきらんな折りたたみ宇宙なのおもしろいし、憧れる。
好きなキャラは主人公のお母さん!愛がすごい。でもみんなすごい愛持ってたな。全ては愛って感じで、ももぴも春も、これからも頑張ってねって思いました。
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誰が話してるのか、てかそもそもそのあだ名誰指してんの?みたいな、最初は意味をとらえようとするとめちゃくちゃ読みづらい。でも最初っから文章としての読ませる力はすごくて、特に声に出して読みたい感じ。最初はとにかく文体とか音の面白さだけで読んでたら、どんどん話も面白くなる。
このストーリー、何がすごいってみんな、主人公ですらなんで世界に居場所がなくなっちゃったのか描かれていない。でも実際、不登校とか、いじめられてるんじゃなくて友達がいないとか、そういう子ってそんなもんだったりもする。みんなを納得させる理由が説明できる訳じゃないけど、世間と上手くやっていけなくなる。だけど彼らは何か悪いことをしたいとか、そういう世間からのハズレ方はしてないから、本気で愛とか平和とかそういうのってマジ大事って思いながら、愛を語るそのバイブスで違法なことをやっちゃったりもする。親に知られちゃマズイって気持ちのまま、親孝行とか考えるその矛盾。それは若さゆえの愚かさだし、はぐれ者ゆえの非常識であるけれど、世間に馴染めないゆえの純粋さでもあるのかな。
外国じゃ合法なところもあるとか、違法な薬と認識して運んでたのに僕はなんも悪くないとか、そういうことを言う子供を実際に見たら多分私は「バカじゃねぇの」って切り捨てる。でもこの話を読んでると、そうやって切り捨てられない彼らの優しさも感じられる。
最後春とは仲直りして、はずれちやった青春が少し輝いて、なんか良いもん読んだなって思えた。でも本当の問題はなんも解決してない。これからモモと春はどうなるのか、多分捕まっちゃうんだろうな。それでも彼らがその先、もう少し世間の形に収まるようになって、"まっとう"に生きるようになったとして、この青臭い匂いのする、蛍光グリーンにびかびか光る青春を、悪いことしたけど悪いもんじゃなかったって思えるようになるといいなと思った。
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はたちの私からしたらここまで寄り添ってくれる小説は珍しくて嬉しくなった。
あたまの中で考えてたもやもやとかかっこ悪い悩み事とかおんなじ様に思ってる人いるんだって感じで救われた。
私はどちらかというとモモみたいにいろんなこと悩んでウジウジしてるタイプだから、春の強さ、呆気のなさに背中押された。
特に、「自分なり戦ってんの、お前だけじゃねえんだよ。」の一言はかなり効いた、ですよね。
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小学生の頃、野球チームでバッテリーを組んでた主人公と一つ下の女の子。時が過ぎる過程でふたりはいつしか疎遠になるも、高校生になってひょんなことから再会を果たす。ピッチャーだった女の子はプッシャーに。知らぬ間にクッキーを食べてきまりはっぱ吸ってブリブリな主人公。そうして女の子が所属する密売チームに加担していくのであった
主人公の目線から終始一人称で物語が進むんだけど、登場人物同士の関係性や背景などが主人公の知ってる視点で当たり前として語られる点と、自分の読解力が乏しいせいで都度理解するのに難儀した。文体はとてもリズミカルで気を引くイベントも盛り沢山なのですいすい読めた。面白かったけどすいすい読め過ぎて後に何も残らなかった。文章でトリップ感出す方法が夢野久作みたいでちょっと笑った。飛んだこともないので、そんな感じなのかなと想像を膨らませたが恐らく主題はそこでは無くて。少し間を空けてまた読んでみようと思う。あと驚いたのが女の子の台詞に「〜しろし」という語尾がついていたこと。てっきり甲州弁だと思ったら今のギャル語なのね
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かなり独特の文章なので最初は少し読み辛いと思っていたけど、情景を文字にするのがとても上手なので自分の目で見てるかのようで、どんどん話に引き込まれた。
闇バイト小説だと思って読んだら、めっちゃ青春小説だった
これから先もいっぱい本書いてほしい。
この作家さんの本を読めるのがたのしみ。
あとご本人のタトゥーめっちゃかわいい
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Amazonの紹介より
このままじゃ不登校んなるなぁと思いながら、僕は小学生の時にバッテリーを組んでた一個下の春と再会した。
そしたら一瞬にして、僕は怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた……。
でも、見たり聞いたりした世界が全てじゃなくって、その裏には、というか普通の人が合わせるピントの外側にはまったく知らない世界がぼやけて広がってた──。
圧倒的中毒性! 超ド級のデビュー作!
ティーンたちの連帯と、不条理な世の中への抵抗を描く。
【第47回すばる文学賞受賞作】
まず独特な文章が印象的で、言葉の表現を巧みに使っているなと思いました。
ただ、読みづらいというのが最初思いました。一場面一場面を切り取ってはいますが、それが連結していくと、繋がりを読み取るのが難しかったです。共通する背景があまりわからないからこそ、
今この場面はどこ?
さっきの場面からどのくらい経った?
といった疑問が湧いてきて、個人的に全体像を把握しづらいなと思いました。
内容としては、闇バイトといったディープなことを若者達が経験していきます。ただ、悪いことをしているのに、あまりそういった感覚は感じず、どこか青春っぽい爽やかさのような雰囲気が立ち込めていて、なんとも言えないアンバランスさが自分の中で渦巻いていました。
特に衝撃的だったのが、後半での「ひらがな表記」の場面です。「あるもの」に侵されて、生死を彷徨うのですが、その心情が良い意味で異常と思うくらい、ゾワっと衝撃がきて、恐怖を感じました。ページを巧みに使って、登場人物の心の闇の部分を映しとっていて、深く心に刺さり、読了後も今これを書いている時も、頭に残りました。
なかなか内容を理解しづらいかなとは思いましたが、言葉の表現や見せ方が面白く、今後どう化けていくのか楽しみです。
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すばる賞授賞式における圧倒的にラップなスピーチに心惹かれて読んだ。スピーチで魅せた言語感覚が小説にそのまま持ち込まれており読んでいるあいだずっとワクワク、フワフワしていた。そして概念としてのヒップホップが小説の中にきっちり取り込まれており最近のブームと呼応するようで嬉しかった。そしてこの装丁よ…!人生トップレベルで好きです。
主人公は高校生。うだつの上がらない毎日に退屈する中、大麻のプッシャーをやっている幼馴染に巻き込まれる形で大麻稼業に巻き込まれて…というあらすじ。非行に走る若者達というプロット自体は特別新しくはないが本著は文体と視点のユニークさがとにかく際立っている。文体については口語スタイル、具体的には若者言葉やギャル語が大量に使われており小説でこういった言葉に触れる新鮮な体験に驚いた。「キャパる」とか本著を読まないと一生知らなかっただろうし、こういった分かりやすい単語に限らず、ひらがなの多用、ら抜き言葉などカジュアルな崩しも多い。一時が万事、正しい方向へと矯正されていく世界に抗うかのように、イリーガルに戯れる高校生たちが瑞々しくユルく崩れた日本語で描写されている。一番分かりやすいのは皆でLSD摂取したシーン。文字だからこそできるゲシュタルト崩壊のようなトリップ表現がユニークだった。
視点については冒頭のバタフライエフェクトスタイルで度肝を抜かれた。卑近になってしまいがちな青春小説のスケールを一気に大きく見せて本著の世界がどこまでも広がっていくようなイメージを抱かせる。それは後のドラッグ描写へと繋がっていき文を通じて世界のダイナミズムを目一杯いや肺一杯に吸い込むことができる。また主人公の幼馴染である春という人物の性別を限りなくファジーにしている点も示唆的で男女を区別する世間の記号を入れつつも裏切ってくる。他者が性別を明確にする必要はなく春は春なんだという意志を感じた。
大麻が題材になっており売買や吸引時の様子など含めてかなり細かく描写されていた。ウィードカルチャーとヒップホップは不可分だ。具体的な固有名詞の引用があったりステルスで仕込まれたりしている。(個人的にブチアガったのは「どんてす。」これはNORIKIYOもしくはブッダブランドか。)こういった具体的な引用以外にも前述した文体を含めて小説の中に大量のコードがあり、そこに概念としてのヒップホップを感じたのであった。またプロットやカルチャーの引用など含めて波木銅の『万事快調』を想起する人も多いはず。しかし明確に棲み分けがあり波木氏が直木賞、大田氏が芥川賞をとる。そんな未来がきたとき文学においてもヒップホップが日本で根付いたといえるのかもしれない。