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紙の本
房総の戦国大名
2022/11/17 16:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
房総の戦国大名の評伝。謎に満ちた義堯以前の里見氏の動向や、後継者の義弘・義頼らのことも描くなど、後期里見氏の通史としても読める。下克上で宗家を滅ぼし、一代で版図を広げるという戦国大名の典型のような生涯だが、仏僧との交流から統治者としての苦悩も描くことで、なかなか味わい深い読み物になっている。江戸湾を巡る北条氏との攻防もそうだが、イケイケのころは下総の香取海まで手に入れようとするなど、水運の支配を重視した動きが面白い。また後代まで里見氏を縛った関東公方の権威や、上杉謙信との微妙な距離感も印象的であった。
紙の本
里見氏だけでなく戦国時代の関東を知る上でも有益
2023/07/18 09:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おくちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦国時代に家督争いで勝利を収めた義堯・義弘親子の時代から、江戸時代初期に滅亡するまで100年余りの里見氏の歴史を解説している。隣国の真里谷武田氏、長年のライバルであった北条氏、同盟関係にあった越後上杉氏、足利一族の古河公方や小弓公方などの複雑な動きもていねいに追っており、房総の一大名里見氏の歴史というより、関東の戦国史としても十分読みごたえがある。また、こうした大名だけでなく、江戸湾で活躍する商人(戦いにおいて食糧や物資の供給に大きな役割を果たしていた)の活動についても描かれており、当時の戦いの裏側を知ることができて興味深かった。文体も平易で読みやすかった。
「八犬伝」の虚像を拭い去り、史実に基づく里見氏の歴史を描く、と帯に書かれている。たしかに八犬伝には結城合戦、足利持氏など史実や実在の人物が登場するが、里見氏については、当主義実の娘・伏姫が犬と交わり、腹から八つの玉が飛び散った、というまったくのファンタジーで、これを史実と誤解している人はいないだろう。残念ながら里見義実については実在の人物か確認できないとのことだが、それから数世代下ると急に視界が開けて史実が次々と現れてくる。「八犬伝」の知識がゼロでも本書を読むうえでは何の支障もない。
ただ、欲を言えば、古文書や史跡の写真に比べて地図が少なく、もっと充実させてほしかった。巻末に「戦国時代後期の南関東」の地図があるがやや大雑把で、たとえば上杉謙信が関東に侵攻したルートや、たびたび攻防戦が行われた葛西が水上、陸上交通の要衝であったことなどはこれだけではわかりにくかった。
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