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紙の本
日本の流通の基礎が学べます。
2024/04/20 22:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
「2024年問題」を受け、今注目されている分野、流通。当書はそもそも日本の物流はどうなっているのかについて、著者が丁寧にまとめて文章化した1冊です。
歴史を振り返るなど、当書を読むことで日本の流通の基礎を学び、理解することができます。分かっているようで、実は流通について分かっていなかったな、と当書を読み終えてそう感じました。
紙の本
特定企業への忖度?!
2024/04/26 21:08
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は流通および物流の研究を行う大学教授である。物流における2024年問題・産業と物流の相関史・ロボット化の現状・災害と物流・SDGsに配慮した物流の在り方が本書の内容であり、広範な物流問題についての知見を得ることができる。ただし、トヨタ自動車に代表されるジャストインシステムと物流の関係については、少々突っ込み不足と感じた。以下、その理由を記す。
<本書解説の概要>
◆ジャストインシステム(JIT)は、世界に誇る日本の自動車メーカー・トヨタ自動車によって考案された秀逸な生産システムである。◆JITは必要な部品を、必要な時に、必要な量だけ取りに行き、必要な数だけ自動車をつくる方法である。これにより、過剰在庫や不良在庫を抱えるリスクがほぼなくなる。◆光には影がある。道路渋滞により、届くはずの部品が定時に届かなかったゆえに、生産ライン自体が停止したことがある。◆コンビニ・チェーンで、店内在庫を最小化するため、納入業者に小口多頻度配送を要求していた。この結果、納入業者の人件費や燃料費の負担が増え、なおかつ配送車両の放出する排気ガスで環境悪化の問題を引き起こした。
<突っ込み不足と感じた理由>
この影は、自動車メーカーの自業自得であり、解説すべきは、この生産システムにより多頻度かつ定時に部品輸送を行わなければならない輸送業者に多大の負担がかかる,物流問題について言及すべきであろう。この課題について、自動車メーカーをスルーして、コンビニ・チェーンの小口多頻度配送による問題にすり替えている。もちろん、コンビニの多頻度輸送も問題ではあるが・・・。大学教授の著作にしては、「世界に誇る・・・トヨタ自動車」、「秀逸な生産システム」など特定企業に阿た記述が散見されるとともに、JITに関する物流問題について、正面から切り込んでいない点が残念である。
<物流の時間厳守に関連して>
JR西日本福知山線の脱線大惨事についての背景として、阪急電鉄への対抗上、なんと秒単位での定刻運行を目標にしていたとの解説がある。いかにも、JR西日本が特別なことをしていたような書きぶりであるが、10秒ないし15秒単位で列車ダイヤを作成し運行しているのは、日本の鉄道各社では当たり前のことである。
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