美しいラストに注目
2024/07/20 15:34
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投稿者:今井 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻が“静”だとすれば、下巻は“動”。この一言に尽きる。真の黒幕は誰なのか、ひたすらビリーは動き続ける。奇妙な縁でビリーには相棒ができるのだが、この相棒との関係性がすごくいい。終盤は切なく、思わず泣いてしまった。海外の小説は日本に入ってきた際によく原題と全然違う邦題がつけられることが多いが、この本はそのままで良かった。「ビリー・サマーズ」だと正直にいってどんな本なのか全然分からないが、それでもこの本には「ビリー・サマーズ」以外の題名はありえない。
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【キング史上最も美しいラストに涙せよ】予測不能な展開がビリーと読者を待ち受け、涙なくして読めぬ結末が訪れる。帝王最高の犯罪小説にして、その物語愛が横溢する大傑作!
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夕日に包まれるトウモロコシ畑で、ビリーとアリスが会話する場面の描写はとても美しく、言葉は切ない。邦訳にあたり、なぜ原タイトルがそのまま使われていたのかが分かった。
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この人がここでこうつながるのかー
っていう面白さはありました
いろいろな根本の原因は
日本の戦国武将のような
アメリカ版というか、事実ありそうな。。
でも、小説の中に、小説を描き
そこから話が進展していくところは
とてもおもしろいし、興味深かったです。
もっとスティーブンキングに詳しい方や
原本で読むことができるかたなら
もっと、キングと作中作の違いがわかり
興味深く読まれるかと思います。
単純な感想は、すごく切ない。です。
異能機関のすぐ後に読んだけど
異能機関もそうだったけど
なんか最後切なくなるんだよね・・・
そういえば、グリーンマイルもしかり。
グリーンマイルは映画で何度も泣いたけど
本で読むと
、やっぱり切ない感情だけ残るんだよね・・・
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上巻とは打って変わって、本巻では四面楚歌の状況に陥ったビリーと、彼が命を救った女性との逃避行が描かれる。もちろん逃げるだけではない。ある場面を境に反撃に転じることですべての謎が明らかになる。その間もビリーの執筆は続いており、作中作を通して彼の辿ってきた人生が垣間見える構成だ。“殺し屋”という究極の犯罪者でありながら、正義感の強い男が成り立つ理由がわかる。うまいなあ。
本作にスーパーナチュラル要素は皆無だが、ある作品の舞台となったホテルの跡地が登場し、ちょっとだけ不穏な空気が漂う。思えば、あの作品の主人公も作家だった。続篇に山荘と絵は出てきたんだったか……?
本書は「作家デビュー50周年記念」刊行第2弾で、今後連続刊行が予定されているとか。とても楽しみだ。
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凄腕の殺し屋ビリー・サマーズ。そのビリーが殺し屋を引退することを決め、最後の仕事を請ける。ターゲットを狙うチャンスは一瞬しかなくそのために身分を小説家と偽りその街に馴染もうとする。殺し屋でありながら近所の人たちと穏やかな交流を始め、その楽しさと騙していることの後ろめたさに心痛めていく。この近所の人たちとの日々の描写がとても良い。その生活と殺し屋としての仕事の後の、特に下巻に入ってからはさらに面白くなっていく。殺しの依頼とその裏にあるものとの闘いと途中から守るものができたビリーの生き様がとにかくいい。上下巻で二段組のボリュームだけど引き込まれてどんどん進んでいく。現時点で今年のベスト。
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犯罪小説ともミステリともカテゴライズが難しい。
でも題名はビリー・サマーズしか考えられない。彼の人生、最後の仕事、アリスとの出会い、物語を紡ぐことの美しさ。
いつもの絶対的な善と悪の対決や怒涛の展開はないのに、話に引き込まれ胸を打つラストが待ってる。読後の今なんだか涙が止まらない。
キングを読める幸福...感謝しかない!
そしてシャイニングの景観荘ホテルが登場しててそれも嬉しかった。
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殺し屋ジャンルでは定番でした
特に驚きやさすがキングとうならせる所は特になく、長かった前半の待機のエピソードは何だったんだろ・・
ま、及第点というところ
50周年でいろいろ出るようなので期待して次作を手に取りたいですね
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SL 2024.5.30-2024.6.1
アリスと出会ってからはまたひとつ違った物語が始まったよう。ラストは結局こうなるのかといささかせつない。
ラストで、アリスが小説を書いている間に感じていたことを語っている部分、これが作者の思いなんだろうな。物語を紡ぐことはそれほど素晴らしい。
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ビリーは慌てることなく、事情を説明した。アリスは母親と暮らすビジネススクール(カレッジ)の学生で、アルバイト先のカフェで知り合った客に誘われて出かけると、薬物を混入され、同居人2人とともに3人に恥辱を受けた。彼女を落ち着かせ、アパートにいさせて、ビリーはその男たちの部屋に出かける。そして、帰宅したルームメイトの2人ともども、あわせて3人に復讐を遂げる。2人の男にはスマホを通じて直接アリスにわびの言葉を言わせた。情けない声で泣かせた上で。そして、主犯の男トリップ・ドノヴァンには、尻の穴に電動ミキサーを突っ込んで痛い目にあわせた。それを動画撮影、今後、もしなにかあればこれをネットで公開すると脅した。
ビリーは小説家のふりをしている間、本当に小説を書いていた。ためしに過去の自分を小説にできるかどうか書いてみようとしたのだった。アリスはそれを読み、彼がスナイパーであり、今回の事件を起こした犯人であることも知る。そして、ニックへの復讐に向かうビリーと行動をともにすることにした。
バッキー・ハンスマンはニューヨークに住むビリーのエージェントで、今回の仕事も彼を経由してのことだった。また、偽造のプロで、偽造身分のでっちあげを難なくこなす人間だった。ビリーは全面的に信頼できる彼のところにまず行き、ニックに復讐しようと考えた。するとバッキーも今回の件で狙われていて、すでにNYを離れ、コロラドの山中の別荘にいることがわかり、そちらに滞在した。ビリーはその筋のSNSでホットな話題となっており、首には600万ドルの賞金がかかっていた。自分がもらうはずの200万ドルの3倍もの大金。なぜだ?ニックが出していない、バックに誰がいる?そもそも、総元の依頼主は誰だ?
ラスベガスに住むニックの屋敷へ。アリスをモーテルに残し、1人でうまく屋敷に入り込み、取り巻きを排除や殺害しながらニックの許へ。そこで金を払う約束をさせ、今回の本当の依頼主はメディア王のクラークであることを明かされる。クラークは出来の悪い長男ではなく、次男に遺産を引き継ぐことを告げたところ、長男は激怒し、父親が小児性愛者である証拠を持っていると脅す。10歳にもならない少女を犯している動画だった。父親は殺し屋に命じて長男を殺害した。その殺し屋とうのが、ビリーが狙撃した相手だった。クラークは誰にもこの事実を知られたくないので、絶対に口が硬い他の殺し屋に、その殺し屋を殺害させたのだった。さらに、ビリーが狙撃する当日、少し離れたところで火災を起こし、マスコミをそちらにひきつける陽動作戦を行い、自らが所有するテレビが独占して狙撃の瞬間を撮影できるようにしたのだった。
ビリーは、ニックは殺さず味方にした上で、コロラドに戻り、今度はクラークを殺しに出かけることに。アリスも一緒だった。アリスには新たな偽造身分も与えられた。アリスは14歳ぐらいの少女に見えるように変装し、クラーク好みの少女として部屋に入ろうと計画していた。思惑どおりクラークの屋敷に。そして、なんと、アリスがクラークをピストルで撃ち殺した。ビリーはその前に取り巻きの一人の頭を強打して倒していたが、それはかなりの重症で命に関わるような事態になっていた��同じく屋敷で働いていたその母親であるマージは怒り、ビリーを銃で撃とうとした。同時にビリーも銃を抜いてマージを撃った。マージは死んだだろう。ビリーも脇腹をかすめるように撃たれていた、と最初は思っていたが、実はもっと内側へ、弾が入り込んでいて重症だった。
大けがの応急手当をしながら、運転して戻ろうとするアリス。しかし、途中でビリーはついに息が途絶えてしまう。マージが息子を酷い目にあわせたビリーに対して投げかけた言葉が「最低のクソ男」。苦しみに悶絶し、死線を彷徨いながらビリーが何度か発した言葉が「あのくそったれマージ」。しかし、その言葉は単純な罵声ではなく、自身の過去に積まれた悲しみを踏まえた、どこか親しみと優しさが感じられる口調でもあった。
コロラドに戻り、アリスとバッキーはビリーを山に埋葬する。そして、アリスはビリーが書いた小説を完成させる。彼女は大学に戻り、小説家を目指そうとする。
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アリスと出会ってからのビリーの物語は上巻とは違ってプラトニックな恋愛小説風。ギャングや警察、FBIにも追われているのに緊迫感を覚えない。淡々とした逃避行の合間に書かれる、過去のファルージャの戦闘生活の回想。でもキングの手にかかれば、命を愛おしみ、物語や音楽を愛する芸術になるのが不思議。最後は切ない。
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サスペンスでもホラーでもない、そしてノワールと決めつけるには惜しい秀作!
まさに「ビリー・サマーズ」その人となりの生涯記。
自らかつらをかぶって多重を装っていつつも選んだ職業の一つがフィクション作家・・ソウ小説家なんだけど…自らの戦力武勇経験を綴ったそれは、いつの間にやら等身大の彼が反映し、伴奏し一つとなって昇華している。
アリスは彼によって脱皮し、未来へ歩みを進めていくが・・ビリーはかつての傷がアリスによりかさぶたとなり、治癒し、魂が浄化された如くラストに繋がって行く。
バッキ―はクッキー(あの大笑いのおっさん)に見えてきていいなぁって感じ。
この年になって、今だにこういった翻訳作品を楽しんで読めるようにしてくれたキングに改めて感謝感謝
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鬼★5 今年イチ推し犯罪小説、エンタメ王キングの新作! 控え目にいって必読書 #ビリー・サマーズ
上巻のレビューはこちらから
https://booklog.jp/users/autumn522aki/archives/1/4163918310
●人の幸せって、何?
誰もが一度は憧れる、大金持ち。何でも手に入れられるようになれば、夢のような生活が送れそうですよね。でも…この物語を読んでると、果たしてそうなのかって疑問に思えてくるんですよ。
気さくで優しいご近所さんに囲まれ、ケーキをおすそ分けしてくれたり、夕食に誘われる。懐いた子どもたちとモノポリーで遊び、休日は一緒にカーニバルに出かける。つつましい生活をしながらも、ふとした幸運に恵まれた時に、一緒に喜べる相手がそばにいる。
大金なんてある必要ない。自分のことを大切に思ってくれる人に囲まれてることこそ、幸せなんでしょうね。
●自叙伝に認められた人生の戒め
ビリーが書き記す小説、彼の壮絶な人生が力強くも切なく描かれていきます。そしてストーリーの終盤まで繋がっていくのですが、自らの不幸をしっかりと受け止めているビリーに涙が止まらんですよ。かつて見た映画、パーフェクトワールドを思い出してしまいましたね。
子ども世代への圧力が今後の人生にどのような影響を与えてしまうのか。不運や気の毒だったという言葉では決して片付けてはいけません。現代では是正はされていますが、まだまだ実際にある社会問題です。
●黒幕と動機
物語の後半、当初はよくわからなかった事情がわかってくる。入り組んでいたようで実は単純。不思議だった情報につじつまが合ってきて、読む手にも力が入ってきますよっ
黒幕の動機がマジで許せない。本作に登場した一連の悪党たちは、なんだかんだ人間味に溢れているけど、こいつはシンプルに鬼畜。こんな奴はビリーは絶対に許さない、やっちまえ!って、ガンガンに応援しちゃいました。
●ラストシーン
もう何も言えない。ぜひ読んでくれ、としか言えない。
ひとつだけ感想を言うと…こんなにもひとつひとつのセリフに愛情がこもっているやり取りは見たことがないです。
●終わりに
結構な分量のレビューを書きましたが、本作の「メインどころ」については、ほぼ触れてません。実は目一杯語りたい部分なんですが、ぜひ体験して欲しいので、あえてなにも書きませんでした。後半からの展開はマジ必読です。絶対に読んでほしい。
スティーブン・キングが描く犯罪小説、2024年のトップレベルの一冊でした。
■ぜっさん推しポイント
30年くらい前、まだ自分も調子に乗っていた若い頃のお話。ある友人から受けた行為がトラウマなっています。正直いまだに憎んでいるし、いつかやり返したいとさえ思っています。
しかし、具体的に報復のようなことは絶対にすることはありませんよ。犯罪行為になっちゃいます。ただ犯罪になるからしないのではありません、感情としては別にそこまでしてもいいんです。(若干コワイ話になってきましたが、もちろん犯罪予告ではないよ)
では何故やり返すことをやらないのかというと、���れは今の私が幸せだからです。妻や子ども、楽しい友人、望む仕事や同僚たち。仕事が終わったらお風呂に入りながら本を読んで、休日は喫茶店のモーニングセットをいただきながら本を読む。お金持ちではないですが、人並みに給金をいただき、健康面も概ね問題ない。
これ以上の幸せがあるでしょうか、昔のどうでもいい過去の恨みなど、今の私には雑音ですらありません。本作のような素晴らしい作品を読むと、ふと自分の人生を振り返りたくなるもんでして。
さて、みなさんは幸せですか?
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長かったビリー・サマーズの復讐劇もようやく終わった。予想外に助けざるおえなかったアリスとともに行動するサマーズ。エンディングは儚さが残った。
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下巻序盤でアリスをレイプした男たちに制裁を加える所は、本当に最高!スカッとした!
本当なら3人ともやっちゃえばいいのにとも思ったけど、主犯のカスにぶち込むのが最高。
中盤からビリーが救われていく話になるのは流れとして納得。
初のスティーブン・キングは最高に面白かった。
年末には既に本国ではめちゃくちゃ売れてるらしい本がまた出るらしいのでそれも読みたいな