言葉に向き合う者の 覚悟と矜持と宣戦布告
2024/12/25 00:17
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投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は、半ばまでは
まあー可愛げがない猫ちゃんなのですが、
神と対峙する時は
言葉に向き合う者の
覚悟と矜持と宣戦布告がビリビリ伝わってきます。
9つ目は存分に生ききれてよかった。
猫は文学とともに
2024/09/02 22:27
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
訳あり風の古書店で暮らす猫たち。そこの一匹「クロ」の語りで進みます。
人を信じない猫、生きるために人を利用する猫、猫は何度目かの命を生きており、猫それぞれの個性が強いのはそのためか・・・と感じます。
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
やっぱ、あの作品の存在は大きいよなあ。
もしあの作品に出てくる対象が犬だったら、まったく違ってただろうな。
猫だからよかったんだろうけど。
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「猫に九生あり」過去に漱石の飼い猫だった孤高の主人公猫のクロは、9回目の生で、ある古本屋にたどり着く。そこでは、ある呪いに賭けられているという女店主と、文豪の飼育歴のある猫たちが生活していた。果たしてクロは、孤高を貫くのか、また、女店主にかかっている呪いとは…
猫も本も孤独も好きで、たまに寂しくなる自分には、感情移入しやすい作品でしたが、ラストにある神への対峙は、まあまあクサく、アツい内容です。
ただ、言葉の力を信じる著者の熱い気持ちが表れていました。
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Amazonの紹介より
吾輩、ニャンと転生!? 漱石の「猫」の続きを描き上げた、もふもふ×ビブリア奇譚!
「猫に九生あり」という。かつて漱石と暮らした黒猫もまた、幾度となく生と死を繰り返し、ついに最後の命を授かった。過去世での悲惨な記憶から、孤独に生きる道を選んだ黒猫だったが、ある日、自称“魔女”が営む猫まみれの古書店「北斗堂」へ迷い込む。
日本ファンタジーノベル大賞2024受賞作!
猫が主人公という斬新さと「猫に九生あり」ということで、9回人生を送るのですが、意外と大昔に遡ったり、まさかの偉人と暮らしていたりと興味をそそる内容で面白かったです。
主人公がいかにして暮らしていたのか?1回目から遡るのですが、その暮らしは短くもあれば、長い「猫」生もあります。
回を重ねていくにつれて、人との距離が縮まっていくことに微笑ましくもあり、安堵や感動が込み上がってきました。
これまでの「猫」生を紹介するだけでなく、現代パートでは、謎の魔女と称する店主と出会うことで、大きく影響を与えます。店主も謎めいた風貌で、ある秘密を抱えています。
なぜ、「北斗堂」に居続けなければならないのか?ファンタジー賞なので、色んなファンタジー要素が散りばめられているのですが、それぞれの心の葛藤を垣間見ることで、罰に対する考え方や人生の大切さを感じました。
大半の登場人物が猫なので、猫好きにはたまらないかと思います。普通に会話するというちょっとした違和感はありつつ、作中の猫のように何度も生と死を繰り返せませんが、人生一度きり、相手のために一生懸命頑張る姿にカッコ良く映りました。
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感想
たまには休んでみる。そこに猫がいるから。それは一時の現実逃避に過ぎないのかも。だけど今の自分にとっては心を満たしてくれる。
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猫には九つの命がある。
最後の命を迎えた黒猫は導かれるように古書店「北斗堂」に
辿り着く。謎めいた店主と猫たち、訪れる人々。
彼は「真名」への拘りを抱えながら「北斗堂」で生活することに。
その中で知る“魔女”と呼ばれる店主の謎。
更に知る「北斗堂」集う猫たちの記憶と役目。
人を嫌悪し、同族で群れることもせず、偏屈で孤高に
生きようとする黒猫のかたくなさは、凄惨な過去の命の記憶ゆえ。
だが、あの作家との生活を生きた命の記憶は、彼を捉えている。
そんな彼が魔女や住まう猫たち、そしてあの娘との出会いは、
年月と共に緩やかに、彼の心を変え、思いやる心が芽生えてゆく。
そして、あの娘と魔女にあの男の創作の楽しさ、物語る嬉しさを
教えたい。それだけあの男の存在は大きかったから。
クライマックスの、黒猫の有するあらゆる記憶が溢れ出す
シーンが最高!まるで九つの命のすべてをぶつけるかの如く。
まるで、黒猫の物語を語り尽くすが如くに感じてしまった。
これは、物語を紡ぐ者たちへのオマージュ。
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読み終えて、まずはコメントを…とは思うのだが、今自分が感じた感情が果たして正しい物なのか?と思い、ちょっと他の方のコメントを観てしまう。
本の作者というものは、文字だけで自分の思い・感情を形にできる天才だと思う。それが良い・悪いに関わらずである。
そういう意味ではこの作品の作者が思ったこと・伝えたかったことは伝えられたんじゃないかなと、自分は思った。
感想としては、個人的にはオチだけちょっぴりな〜と思った。猫を見かけたら、話しかけてみようかなと思う。多分、理解してくれると思う。
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夏目漱石の飼い猫で、転生を繰り返す黒猫ちゃんが主人公のお話なんて、本好き・猫好きの私にはたまらないお話だー!とわくわくで読み出したら、意外にも重い話しが多くてちょっとびっくり。
でも、ファンタジーごりごりのお話が苦手な私にとってはその展開はなかなか良かった。
猫が大好きな私にはとても辛い話もあったけれど、この辛い事実がクロの性格を作り上げてしまったのだと、悲しいけれど納得せざるを得ず、そして猫から見た人間がいかに愚かな動物なのかを思い知らされた。(苦笑)
ただ、店内の謎の掛け軸やなぜか増えている本、そして“魔女”の正体とお店の秘密がまさかの堕とされた神様で、それを仕切っていたのが天照という神様だと判明した時、ちょっと興醒めというか…なんかちょっとこの物語の興味が失せてしまった…
でももう終盤だったのでなんとか読了。
結果、やっぱりちゃんと最後まで読んでよかったと思う反面、やはりクロは…常世には行けず、魂は彷徨い続けるのだろうか、、、とモヤモヤが残った。
かなり生意気で、神様に対してもめちゃくちゃ態度悪かったけれどクロの功績は少し認めてもいいんじゃないかと思うし、クロも言ってたが魔女はもう充分に罰を受けたのではないだろうか。
たしかに悪いことをしたのかもしれないが、、なんだか性格悪いのは天照だなと思った。
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ねこ、魔女、そして表紙のほのぼの感で勝手にイメージを作って読み始めた。ところが、私の想像とは全く違った。
9回めの生まれ変わりの猫のクロのこれまでは、悲惨で時には残酷だった。北斗堂には表紙のイメージとは違った、不穏な空気を感じた。集まってきた猫たちや、魔女と呼ばれている北星恵梨香、常連の小学生の神崎円は、始めの方は穏やかな感じだったが、クロが自分の半生を語っていくにつれて、時が流れ、状況は思わぬ方向になっていった。いろんな要素が詰め込まれていて、だんだん話が重くなっていった。
そして後半、魁星の話が出てきた辺りから、私はファンタジー系は苦手なのかも、と気づいてしまった。でもクロが夏目漱石の猫だったことがあるというのは、とても興味があったし、猫が亡くなるときの気持ちは、そうであってほしいと思うものだった。
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「猫に九生あり」というけど、前世のこともしっかり記憶しているというのは不思議な感じ。
自分がもし…と考えてみると、かなり混乱しそうな気がする。
ちょっと訳ありの猫たちが「北斗堂」に集まってきて…と物語が始まっていくのだけど、前半はどういう展開になるのかよくわからなくて、ちょっと退屈だった。
店主北星や猫たちの事情が明かされていく辺りから面白くなってきたかな。
本題からそれるけど、「魁星」って北斗七星の一部で、中国では文章の神様なんですね。
頭の中で力士が浮かんでたけど、漢字が違うし!
若者だったらバーチャルライバーが浮かぶんだろうか。
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「猫に九生あり」を元に、転生を繰り返す故人作家の猫たちと、書店員の物語。
というとファンタジーではあるが、テーマとしてはなかなかに重苦しい。
猫の死が多々描かれるので、猫好きには少々辛い内容にもなっている。
タイトルには納得感があった。
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猫好きでなくても、本好きなら好きになると思う。
「猫に九生あり」
猫の目線を通して語られる人間の傲慢さ、世の中の理不尽さ。どんなにAIが発達しても、人間の想像力、創造力には勝てない。本は無くならない。だから人間は生きていける。猫に餌を与え、安心して暮らせる空間を与える対価に、猫を触って幸福感を得る。
なんだか妙にグッとくる。
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黒猫の"クロ"が過去8回の命を振り返りながら9回目の命を生きるストーリー。
読了後の感想としてはほんわか柔らかい表紙のイメージよりは「猫と罰」のタイトルの重みの方が少し強めかもしれないなぁ…という感じ。
後半はなんとなくジブリ映画のような雰囲気やスピード感もあり、個人的にはあまり触れたことのないジャンルでおもしろかった。
ところとごろに差し込まれるクロの過去8回の命の最期は目を背けたくなるような状況も多く、クロが人間を信用できなくなってしまう充分な理由ではあるのだけど、その時その時に関わった人間も皆必死で生きていたことが理解できて心が苦しかった。
以下、微妙にネタバレなのかも…?という内容なのでご了承の上でご覧ください。
北星の「愛された猫はいつか北斗堂にくるよね」というセリフ。
クロもしっかり愛されて生きたってことだよね。
このセリフがうれしかったです。
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クロ(自称 金之助)は、輪廻転生九つめ(最後の命)の猫である。彼の唯一の心の糧は漱石に愛された記憶。『北斗堂』の恵梨香や円、猫仲間に迎えられ、次第に心を開いてゆくクロだが…猫の愛らしい仕草の描写に癒された。