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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
見事だなあ。
ひとつ謎が解決したと思ったら、実はまだ残ってて、最後に明らかになるとか。
確かに、そういう微妙な書き方をしてた場面はあったんだよね。
完全に読み飛ばしてたけど。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
フランス革命時代にヨーロッパの小国で起きた殺人事件。書記官のクロが、容疑者であり親友である三つ子の兄弟を、尋問と揺るぎなき論理で追い詰めていく歴史ミステリ。
早くから物わかりの良い大人になる事を強いられた苦悩と、その中でのささやかな楽しみと、序盤の少年期の生活描写に時代背景をしっかり感じられ、とても面白かった。
見た目で区別が付かない三人の中からどうやって特定をするのか。何パターンか想像出来るものとはまた別の角度から切り込んできて、最後の最後まで緊迫感が続く。鏤められた小さな違和を見付けるという推理の醍醐味を存分に味わえる作品。
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物語の地図を制作しました。
DNA鑑定がまだ行われていなかった時代の
ヨーロッパのミステリー。
ミステリーなので当然殺人はおきるんだけど
どこか美しさがあるのが良いですよね。
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今までの潮谷作品とは一味違う!
嫌な意味じゃなくて、癖がなくて読みやすいけど重厚
歴史物、しかも舞台が海外か〜と思って身構えたけど、するする読めた
物語は最後まで二転三転して目が離せないし、登場人物達もみんな魅力的
読み終えると、帯の「人の業の悲しみ」という一文がいっそう胸にくる
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フランス革命によって封建制度が崩壊しつつあるヨーロッパのとある小国での物語。
殺人犯が三つ子のうちに誰かだとして、DNA鑑定や指紋鑑定などの科学捜査がない時代の捜査として何ができるのか。
「探偵」が論理的推理のみで謎を解き明かしていく醍醐味。
貴族、爵位、城、一見きらびやかなその舞台背景こそが、元吟遊詩人殺人事件のキモとなる。
空想歴史推理小説とは言いえて妙。いろんな要素を堪能。
あと、全然関係ないけどこの表紙 ボヘミアンラプソディっぽいな。
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★5 貴族社会の濁流に揉まれた兄弟の運命… 謎解きと物語の調和に富む歴史ミステリ #伯爵と三つの棺
■きっと読みたくなるレビュー
★5 この本はヤバい。
前々から気づいていたけどやっぱり天才ですね、潮谷験先生は天才。今まで読んだ作品のなかでもミステリーとしての完成度が高いと思うし、一番好きですね。無限の可能性を感じました。
まずシンプルに読み物として面白い。歴史小説なんだけど、固くないし読み味が軽いからどなたでも手に取れる。序盤から凝った人物設定ですぐに興味がわくし、現代では理解しづらい時代背景の説明も上手。物語が動く中盤から主要人物が躍動し始め、具体的な謎解きが始まってくる。これで解決と思いきや、さらに終盤からの怒涛の展開が待ち受ける。
なにより謎解きがすごく深いところに真相があって素晴らしかった。横展開がある多重解決ではなくて、縦に多重解決があって、その柱をくるくる回っている感じで展開されるんすよ。推理を読まされているのではなく、あくまで物語の結末を追う形で最後まで謎解きを読まされるんです。
かなり凝ってるにも関わらず長い話でもなく、ストーリーとのバランスが良い。フランス革命期時代の取材もできてるし、人生を丸ごと描いた心に刺さる物語にもなってる。こんな作品、他ではあまりないないすか。すげーよなぁ~
とまあ出来を褒めるのは置いといて、肝心の物語について。1700年代、継水半島と呼ばれる欧州でお話で、のちに城主となる三つ子兄弟が事件の容疑者となってしまう。捜査する探偵役は主席公偵たちで、その三つ子兄弟の友人だった書記官が手記を残す形で進行していく。
時代ならでは貴族社会で、主役とも言える三つ子たちが背負っている運命が読みどころですね。彼らだけではなく、他の貴族たちや庶民たちも同様。いかに生きるかではなく、いかに生き延びるかなんです。現代でも生まれた国や家庭によって不公平なこともありますが、過去にさかのぼるとつらい歴史ばかり。たった300年前のお話なんですが、人の運命とは恐ろしいです。
そして終盤、様々なひとたちの吐露がしたためられるんですが、熱いものがこみ上げてきましたね… 人が懸命生きる姿は、どんな行為だとしても光り輝いているものだと思いました。
■ぜっさん推しポイント
世の中にある犯罪や戦争、客観的に見ると愚かな行動以外の何物でもありません。いったい何がそこまでさせるのか、一般的には理解できない。しかし凶行に及ぶからには、明確な理由があるんでしょう。
私は学生時代に少しいじめられた時期がありました。いじめた本人はほとんど覚えていないでしょう。しかし私は、相手の名前、やられた内容、場所や時間、その時の風景など今でもはっきりと覚えています。とは言え子どもの頃のお話です。人生経験を積まないと、この罪深さはわからないでしょうね。
多様性の時代と言われてますが、そんな単語がわざわざ流通しないような社会になってほしい。隣がどんな人でもいいじゃないか、ひとりひとりが幸せになれば、みんなが幸せになるんだから。
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2024年。メフィスト賞デビュー作家。それ読んでるのだが覚えてない(そんなときのためのBookLOG)、なんだが私酷評してるわw
18世紀、フランス革命勃発時~ナポレオン失脚までの多分スカンジナビア半島。D伯爵統治下で起きた殺人事件。科学捜査のない時代、どのように解決できたのか? と言われれば、、、、解決後に手記が出てくるのかなぁ・・・と('_') 概ね合ってるんだが('_')
語り手、D伯爵、探偵役、3兄弟、登場人物が生き生き。説明調ながら、竹を割ったような言動が出てきてわかりやすい。まあまあの真相。要注目かも(と言って忘れるかも)、コンスタントに書いてくれれば、きっと読む(かも)。
このミス2025 5位。
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読む前は、歴史ミステリなのでその時代の歴史に詳しくないと設定や用語が少し難しいかな?と不安でしたが読み始めたら面白すぎて、そんなことは気にならなくなりました!
衝撃的なトリックももちろん面白かったですし、三兄弟とクロの友情もとても好きでした。
結末も真実も、それがどんなものでも彼らの友情は本物だっただろうし、友達が替えの偽物だろうがそんなの関係ないんだなって…すごく感動しました。
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タイトルからカーぽさを感じたので読んでみた。ロジックもしっかりした上質な歴史本格ミステリで面白かった。歴史に翻弄される兄弟の話も熱くて、ページをめくる手がとまらなかった。海外の小説が苦手でも楽しめたので、そこもよかった。
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またずいぶん違う時代設定…。今回ちょっと苦手な設定だったけれど伯爵が良い人だったのでなんとか読めた。
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王政最後の欧州某国を舞台としたミステリー小説。文体は読みやすく、ストーリー展開も受け入れやすい。犯人を想像しながら読んだら結果違ったものの、「その人が!?」となるような意外性はなく、さらに終章にてドンデン返しがあるかと思いきや「ほーう、なんかあるなと思ってたがやはりそれか」と、意外性というよりは腑に落ちると言った方が正しかろう。
なんだろうカタルシスを求めすぎたか…。推理小説のような書き出しで、はてどれほど凝った内容かと期待しすぎた感はある。推理小説でも探偵小説でもなくミステリーと思えばよかったか…。
畢竟、楽しく読めたとは思う。好きな人は好きだろう。
しかし、洒落た装丁ですなぁ。こういう表紙は好きである。
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フランス革命時代の世界観をどっぷり味わえました。地図や写真もあって読んでて楽しいです。昔ながらの本格ミステリーという感じ。表紙もめちゃめちゃかっこいいです。
ミステリーの割に登場人物はあまり多くなくて人物名迷子にならず、すっきりしてます。
伯爵も三兄弟もみんな好きだったので、幸せになって欲しかったなぁ…貴族と平民の格差がとても切なかったです。
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フランス革命や封建制度崩壊など1790年代が舞台のミステリー小説です!
今までの潮谷験作品はクセが強く万人受けしにくい作品だったが、今作で評価は一変したし作者の代表作になるでしょう!
ミステリーとしての出来もよく二転三転する展開に最後まで飽きさせない作者の力量に脱帽。
個人的には2024年度現時点では最高の一冊です。
より楽しんでもらうため内容には触れません。
まだ未読の方でミステリー好きは絶対読むべき作品だ!!
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初めて潮谷験さんの作品を読みました。
ラストの大どんでん返し、圧巻でした。
もう一作品読んでみたいです。
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面白かった。タイトルから、おどろおどろしい話かと想像するも違った。
これまでの潮谷さんも好きだけれど、今作はクセがなく読みやすかった。
作中作の『ふしだらなアーデルハイド』が気になって困った。『最初は貞淑だったコーネリア』も読んでみたい。
最後まで楽しかった。