おばあちゃんの秘密
2024/11/03 18:21
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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
老人たちの記憶に残っている男「平」。平の事が気になる女子高生安珠は平のことを覚えてる人たちに聞いて回ります。
当時の風潮に苦しめられた祖母世代、つらい人生を余儀なくされた平の話、やがて明らかになる老人たちの関係。
高校生たちも悩みを抱えていますが、年長者たちのアドバイスで乗り越える勇気を得ていきます。
世代を超えた友情にも似たお話に、心温まる。
何度も読み返したい
2024/10/27 18:09
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投稿者:ゆめこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
読み終わったのに、すでに「もう1回読もう!」と思っています。
ある老人の人生を様々な人の視点から紐解いていく話ですが、老人の過去が明らかにつれて切なさと愛しさをおぼえました。
それぞれの登場人物の言葉が、心に沁みました。
いろんな家庭環境の人びと
2025/03/02 16:22
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投稿者:タカミー - この投稿者のレビュー一覧を見る
公園で写生する老人が気になってしょうがない安珠。その老人を悪く言う彼に嫌気がさして速攻別れを告げる。彼女に一目ぼれしたから 当然ひつこくつきまとってきたり、彼女の幼馴染の男の子に嫌な態度をとったり 若い子あるある。(52ヘルツと同じく主人公はモテる女性なんだな) このお爺さんが何故か気になる そして話しかける 接点をもつが 亡くなってしまい 老人の過去を知りたいと 近所の人に聞いて調べ始めて・・・。
そういう最後なのかぁと思った(悪くはない)
過干渉の母の話。こういう母親って 自分はまるっきり悪くない 相手が嫌がってることが理解できないし わかろうともしないから 本当に厄介だよなぁと思った。父親は結婚するとき 相手の束縛がカワイイなんて思って うっかり結婚しちゃったのか・・・いろいろ想像した。 ひとりになったら介護施設で働きだして と、そんなしっかりするものだろうかと疑問に思った。
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
この頃、お年寄りの孤独死は、そうめずらしいことではなくなりました。この主人公の女子高生の安珠の、生前知り合いだった老人が亡くなリ、その孤独死の老人のことを調べていきます。すると、老人の過去には…。良かったです!
いろんなつながり
2024/08/13 11:47
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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
一人の老人男性を通じて、実はいろんな人たちがつながってて。
その男性の生き方に対しても、いろんな角度から見ると、
まったく違った印象で。
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ついと町に現れた、ひたすら絵を描く老爺・平の事が気になって仕方ないJKの安珠。孤独な死から平の歩んできた平らかではない生を辿っていく、歪な愛の物語。
関わりのあった人物たちの視点で少しずつ明かされる平の人生。どんなに長い歳月を経ようともずっとついてくる、人の弱さやズルさ。時には人の所為にして逃げ、時には自分の所為だと悲観して、独り善がりでしかない勝手な想いをぶつけ合う事で人は繋がっていく。そんな相補性による成長が描かれた作品。
理想だけでは救えない本質的な問題をすっと浮き上がらせて気付かせる、誘導の名手だとつくづく感じた。
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夢中になって読みました。
「もう少し読み続けていたい。」
読了後はそんな思いでした。
一章ひまわりを花束にして
二章クロッカスの女
三章不器用なクレマチス
四章木槿は甘い
五章ひまわりを、君に
エピローグ
それぞれ違う登場人物の視点で物語は進みますが、必ず「平さん」という男性が出てきます。
小藤ちゃんとリスのアニ。
リスのエコ
うさぎのアン
平さんがずっと書き続けていた物語の登場人物たちです。
この物語に平さんの溢れる想いが綴られていて、もう涙、涙でした。
とても切なくて、とても優しくて、そして愛おしい深い愛と恋の物語でした。
素晴らしかったです。
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いっぱい書きたいことがあるのに
まとまらない。
この本が茶色の革ではなく、緑なこと。
ひまわりの茎
スピン(本のしおり)がひまわりを彷彿とさせ、
中に書いてあるお話は
出てきた花でできている花束。
まるで平さんから花束を受け取ったきもちになって、そこで最後のひと泣き。
花をバトンがわりに
こう使うのか。
だいたいのおちは冒頭でわかってはいたけど、
だめだぁ。知らない間に平さんが私の心の隙間に入ってきて、溢れる涙がとまらない。
人間誰もがこういう花束をもって渡せたり渡せなかったりして生き終えるんだなと考えた。私は最後に渡したい人に渡して死ねれるよう歩いていきたい。
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新作を発表する度に傑作を更新しまくってる作家さんなんじゃないかな…町田さんの頭の中にはどんな物語が詰まってるんだろ。今回も例に漏れず。全ての章の点が線と繋がったとき、なんとなくそうなんじゃないかなと思いながら、そうであるといいなと思いながら読み進めて、どうか間に合って、どうかどうかと祈るように。全てはタイミングかもしれないけれど、切なさと、もどかしさが詰まっていて、最後はハッピーエンドではあるけれど間に合ってくれてたら良かったなと思う節もあるけど、でも、物語としてはこれで良かったんだろうな。余韻が相変わらずすごくて言語化が難しい。とにかくみんなに読んでもらいたい。
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2024/07/18リクエスト 6
近くにいて傷つけるなら離れた場所で笑っていてほしい
つかの間でもそばにいて笑いあえた、その記憶だけで十分
大切な人への想いって、まさにこれ!
町田そのこ作品、好きなものとそうでないものとある、今回は他の方のレビューほど響かなかった。自分の好みの問題なので、残念…
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5章それぞれの主人公が丁寧に描かれていて、それがラストに向かって綺麗に繋がっていく。
登場人物が割と多いので、頭の整理はちょっと大変だけど、この繋がっていく感じが気持ちよかった。
登場人物の個性は違うけど、みんなどこか不器用なところがある。素直に表せない気持ちを花が代弁してくれているようで、そこもよかった。
人生、タイミングって大事だなとつくづく思う。
タイミングが一つずれてしまうことで、こんな風に人生が大きく異なったものになるのだな…
会いたい人には会えるときに会っておこう。伝えたいことは伝えておこう。そんな気持ちになった。
町田そのこさんの代表作になりそうな気がする作品。何かまた受賞されそうな予感。
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ステキな物語をありがとう!という気持ちでいっぱい。
まだ読後の余韻がおさまらない。
どの人にもそれぞれのストーリーがある。
「どれだけ苦しい生活でも、大切な出会いや大切な育みは止められないもんだねえ」
悦子さんがとにかくカッコイイ!
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大好きな町田そのこさん、12冊目の新作。
「絵描きジジイ」…四ヶ月ほど前に現れ、いつも画板を下げて町をうろついているのでそう呼ばれるようになった一人の老人・葛城平(かつらぎへい)。彼の謎めいた波乱に満ちた人生が、5人の人物の視点から少しずつ浮き彫りになっていきます。
幼馴染で親友だと思っていた奏斗と仲違いしてしまった高校一年生の安珠
過干渉で疎んできた母を亡くしたばかりの三十歳の美園
妻に先立たれ、同居する息子家族に疎まれる
安珠の同級生・翠の祖父
子どもを持つことをあきらめたヨガインストラクターで43歳の奈々枝
そして安珠の77歳になる祖母・悦子
年齢も性別もバラバラな5人のそれぞれに抱える事情が、答えのない問題ばかりでやるせないです。人生っていいことも悪いことも、すべてが「タイミング」次第ですよね。
とても温かく包み込まれるようなお話で、すごく良かったんですが、平さんとある人物との関係性が、結構早いうちから予想がついてしまったのが唯一残念でした。
でも読み終えた後は、またもう一度初めから読み直したくなります。しかも二度目は、ひとつひとつのセリフが更に重く深く沁みわたります。
カバー下の表紙にはひまわりの絵が…読み終わってから見るとグッと来ますね。
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ネタバレで書くので、これから読まれる方はお気をつけください。
「絵描きのジジイ」と呼ばれる葛城平(かつらぎへい)という一人暮らしの老人と出会った高校生の安珠。
平は何者かと思う安珠ですが、意外にも安珠の祖母でシングルマザーの悦子の知り合いでした。
そして安珠の祖母の悦子が倒れますが、その四日前に平は亡くなっていたことがわかります。
平は小藤という女性について書いた小説を残していました。
そして若い頃の平と悦子の話がいろいろな視点から語られます。
二人は七歳の時に知り合った幼馴染みでした。
平は悦子の同僚だった香恵と付き合いますが、香恵は平を棄てお金持ちの御曹司と結婚してしまいます。
結婚後も香恵は「迎えに来てくれたら一緒に逃げる」と平をたぶらかし、平は迎えに行きますが、強盗傷害犯として八年間服役することになってしまいます。
何度も同じ話が繰り返され、その全貌が見えたとき、平という人物の心の清らかさに心穏やかになれました。
平と悦子との関係はやはり、本一冊分の内容がありました。
その時悦子は77歳になっていますが、平が亡くなってしまっていることだけが悲しかったです。
最後は安珠と安珠の幼馴染みの奏斗という若い二人の希望で。
「最後まで、生きていくしかないんだよねえ。どれだけすれ違っても、大事な相手も一生懸命生きていると思って、願って。ひとはそれしかない。たまに会えたらめっけもんさ」
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ものすごく良かった。
読み終えてから、前に戻って「ここはそういう意味だったのかあ。」「ここはこう繋がるのかあ」と振り返った。心に染みる物語だった。
町田そのこさんの本で一番好きかも。