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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
イベントが終わってからが評価の対象となりがちだが既に問題が噴出しており現段階でも詳しい検証が必要だということがよくわかる。こんなことは今後も起こりうることから問題提起しておく意義が十分にある。
無責任な大イベント=大阪・関西万博
2024/10/01 17:58
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投稿者:すずらん - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪府民です。反維新派ですから、万博もIRカジノにも反対です。メタンガスの問題が出た時も、すぐに在阪メディア各局も大手新聞社も迅速には大きく取り上げてはいませんでした。
みんな大阪万博に利害関係があるからだと、諦めて落胆していましたが、参加国が減り、工期が間に合わない、目玉がない、チケットが売れていない、などと、どんどん問題が大きくなって、報じざる得ない状況になってきましたね。それだけでも、かなり滅入っていますが、この本を読んで、さらに愕然としています。この本に書かれている事が世の中に広まらないのは、本当に 闇が深い と感じました。大人がチケットを買わないから、遠足や修学旅行で子ども達を行かせて、収益を得ようとしているのに、大変不安を感じています。とにかく、開催は止められ無いなら、半年間、何も事件、事故が起こりません様に祈る事しか出来ません。
70年の万博だけでなく、小さな万博が関西でも開催されていた事など、勉強になりました。
政治、建築、メディア、経済、都市と、項目別になっていて、わかりやすくて、どの章も沢山詳しくファクトを載せていて、
誠実さを感じました。批判書でありながら、あたたかみを感じました。万博IR問題だけでも、頭痛がするのに、兵庫県知事の問題も深刻な関西です。私は神戸市出身で、今北摂在住ですが、編集者の松本さんは逆でおられるのも不思議と親近感感じています。著書と無関係ですが、松本さんが、だいぶ前にXで呟いていた、おばあちゃんちで食べたお豆腐みたいなアイスですが、明治のじゃないですか?違っていたらすみません。「明治ファミリーアイスクリーム 昭和」で画像検索してみて下さい。明治のマルチパックアイスとして 明治のhpにも出ています。明治の回し者ではありませんが(苦笑)、明治も丁度70年万博のあたりに、淀川工場など増えていったみたいですよ。私はXはロムのみなので、ここですみません。辛党でらっしゃるみたいですが、だいぶ涼しくなりましたが、たまには美味しいアイスでも食べてゆっくりして下さい。応援しています!
民主主義をまともに機能させなかった結果と見える
2024/11/08 20:49
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪万博が迷走していると思われている方はどれくらいいるであろうか。2025年の万博に行きたいという方はどれくらいいるのであろうか。少なくとも盛り上がっているとはいえない。6ヶ月続く大イベントは始まってみないと盛り上がらないのが普通かもしれないが、大丈夫だろうかと思う人は多いだろう。そもそも、明治の富国強兵時代の博覧会と決別できているのであろうか。人類館事件というアイヌや沖縄、朝鮮半島、台湾の人を人類学というお化粧をして見世物にした差別展示の反省がないまま、戦後の博覧会が開かれてきているから、そもそもという批判がある。だからといって、今回の万博の具体的な課題を放置することは問題だろう。イベントに水を差すなという主張そのものも問題視される。多額の税金が使われるというだけで事前の厳しい批判は出て当たり前だろう。本書の目次を見ると、
はじめに
第1章 維新「政官一体」体制が覆い隠すリスク―万博と政治 木下功
第2章 都市の孤島「夢洲」という悪夢の選択―万博と建築 森山高至
第3章 「電通・吉本」依存が招いた混乱と迷走―万博とメディア 西岡研介
第4章 検証「経済効果3兆円」の実態と問題点―万博と経済 吉弘憲介
第5章 大阪の「成功体験」と「失敗の記憶」―万博と都市 松本創
参考文献 関連年表 執筆者一覧 となっている。
以上のように展開される。第1章はジャーナリストとして追いかけてきた方が、第2章は建築家が、第3章はノンフィクションライター、第4章は財政・経済政策の研究者、第5章はノンフィクションライターが担当して一冊の新書となっている。どこを読んでも、万博を推進してきたサイドが住民に、適切に正確な情報を提供しつつ、意思決定を行ってきたとは思えないところが随所にある。万博会場である大阪市此花区の廃棄物最終処分場の夢洲であるが、「負の遺産」と維新の会が批判し、有効活用するという触れ込みであるが、海に接していない自治体にとって、焼却灰や建設残土等を最終的に埋め立てることができるところは貴重な財産である。その寿命を伸ばす使命が自治体にあるはずだろう。さらに沖合に処分場が稼働しているが、瀬戸内法での大阪湾の自然環境を維持するはずではなかったのだろうか。環境保全の面からも、アプローチが必要だろう。また、夢洲には国際戦略港としてのコンテナ基地があるが、使用に問題を来しており、大阪港そのものにも課題設定してほしかった。それでも、カジノによりかかったIR事業と万博との関係を明らかにし、多面的に課題を掘り下げている。十分価値があり、一読されたい。
失敗のツケを払わされるのは国民という悲劇
2025/04/10 05:37
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
開催まであと少しなのに、希望のもてる話が聴こえてこない大阪・関西万博
これほどまでの金と投じて開催をすすめたのに、欠陥ばかりがみえてくる
どうしてこうなったのか
失敗の尻ぬぐいをさせられるが国民というのはつらくなる
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大阪、関西万博について、いろいろな角度から分析されていて、おもしろかったです。どういう結果になるか、興味深いです。
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大阪・関西万博関連の法律が次々と(異例とも言える強引なやり方で)衆参様々な委員会で決まっていく様子をインターネット中継のこちら側で目撃してきたひとりとして、何度も何度も、「だから言ったのに!」と机ドンドンしたくなる。ほんの数日前には、これ以上は無かったはずの“追加予算”が計上された。それもやっぱり“誰か”が強引に夢洲に決めたからなのでは?でもこれは大阪・関西だけのことじゃない。目を背けず日本社会全体で見届けなければならないのだろうな。つらい。
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これまでの経緯と開催地や世論が盛り上がらない理由がよくわかりました。ハピリオン建設時の2つの条件のうちのひとつは夢洲ならではです。
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万博が別の意味で楽しみになってくる裏ガイドブックだった。ま、それは冗談としても、大阪という地の背景から維新との関連から建築の観点からと様々な視点から深掘りできる。
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どんなことになっているのか知りたかったので読んでみた本。大きな仕事は力技で引っ張っていかないといけないことは理解するものの、意思決定に日本独特の空気が支配していた感も否めないんだなと。
いざやるとなったところで、仕切り役が不在という現実。やっぱりこれだけの仕事になってくると大手広告代理店やゼネコン、商社など実績や経験、人材が集まっているプロの仕切り役、取りまとめ役が必要になってくるもの、、政治やステークホルダーとの関わりも含めて座組の作り方というか、考えさせられます、、
ものごとの本質を見極める示唆になります。
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良書。
大阪維新の会から始まり、IRありきの後付開催。
夢洲は交通、地盤に問題多。
責任者が明確でない。政府自民党が積極的でない。唯一ノウハウを持つ電通が参加していない。
表沙汰にならない裏事情がよくわかった。
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2024/11/03 読了
#読書記録 #rv読書記録
関西への帰郷(&転職)を果たしたのもあり、万博もちと気になってたのでつい手を伸ばしてみたら、予想以上に面白かった。
「哲学がない」ことは何事においても致命的で失敗をきたすんじゃないかというのが自分のこの読書における大きな感想
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行政により、無理やり舵を切って進められた事が、今どうにもならなくなってきていると感じています。本当に成功すれば良いのですが、このままグダグダで終わってしまうのではと危惧してます。
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いよいよ今年の春に大阪・関西万博の開催が開催される。
このレビューを書いてる段階でもう残り2ヶ月なのだが、未だに連日問題が浮上する。
最近も入場券の売れ行きの悪さから「並ばない万博」という理想を降ろさざるを得ない当日券の導入や、テーマ事業プロデューサーとして名を連ねている著名人が「万博はコスパ悪い」発言をしたり、と言った問題が出てきている。
本当にこのままいって大丈夫か? と思い続けたままもう後戻りできないところまで来てしまった。
本書は大阪・関西万博がなぜ失敗したのか(まだ開催されてもいない万博を失敗というのは反発も大きいだろうし、実際そこを批判されているが)を5人の論者が5つの視点から語っていく。
正直、本書で記される問題の殆どが、回避できそうな問題を無理に通したがために失敗に向かっていってるように思える。その様と、本書のタイトルにも題されている「失敗の本質」というタイトルからも、かつてのインパール作戦を思い起こしてしまう。
もうここまできたら更なる大きな問題が出ないことを祈るばかりである。
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第1章 維新「政官一体」体制が覆い隠すリスク―万博と政治 木下功
第2章 都市の孤島「夢洲」という悪夢の選択―万博と建築 森山高至
第3章 「電通・吉本」依存が招いた混乱と迷走―万博とメディア 西岡研介
第4章 検証「経済効果3兆円」の実態と問題点―万博と経済 吉弘憲介
第5章 大阪の「成功体験」と「失敗の記憶」―万博と都市 松本創
上記の通り5人の識者が、チケット販売が予定通り進まない大阪万博の失敗の原因を語っている。
いろいろ書いてあるが、、
・東京五輪汚職で広告代理店の腰が引けたこと
・自民と維新の確執で、自民べったりの電通が動かないこと
(もともと維新は自由民主党の若手グループが反旗を翻して作った)
・五輪招致に失敗して夢洲を使いたかったが、そこに無理があったこと
(2025万博を提唱していた堺屋太一氏は1970と同じ場所での開催をと言っていた)
・そもそも総花的な万博の意義、役割はおわったということ
てなところだろうか。
日本酒飲み仲間は自営業の合間を縫って万博に行くという。まあ話のネタにはなろう。
私は行きたいと思わないなあ。ラン旅優先だからだけど。
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興味深く読了に至った一冊だった。2024年8月に登場した本であるということだ。2025年の催事に纏わる話題なのだが、既に2024年8月の時点で「失敗」と問題提起をしようとしているのは如何いうことなのかと思いながら本書を手にした。そして催事そのものの成功、失敗を断じるには早いが、様々な問題が在る様子を論じておくべきで、加えて万博という催事に留まらない問題のようなモノも感じられるということになるのだと思う。
本が登場してから少し時日を経ているのだが、それでも自身が本書を手にして読了した2025年2月時点で「未だ始まっていない」という催事を題材にしている。万博の会場へ向かう場合に利用する地下鉄の駅が開業したという話題が耳目に触れたのが少し前で、「これから」なのだ。が、これに関して本書の冒頭に話題となっている。催事が終わった後では「善かった」に塗潰され、種々の問題を問題として論じ難くされてしまう可能性が高い。故に本が出る時点で「失敗」と見受けられる諸問題を論じておきたいとしているのである。
そういうことであるので、本書では目指した入場者数が在った、無かったというようなことや、現場での何らかの出来事というような、予め論じようが無いことは論じられていない。会場が決まって行く迄のよく判らない事柄、遅々として進まないというようなことになっていた建設を巡る様々な問題、万博という催事と問い組む様々な人達の様子、絡まる政治、喧伝される経済効果というような事柄に関して、詳しく掘り下げている。その内容に関して、肯ける内容が実に多い。
「経済効果」を「錦の御旗」のように大きな催事を進めることに関して、これは今般の万博に留まらないと思うのだが、「経済効果?」と随分掘り下げて論しているのが興味深かった。万博というような壮大な次元の事柄ではなくとも、「経済効果」を「錦の御旗」のように進めようかというような事例は在ると思う。そういう意味で本書の内容は拡がっていて活が在ると思う。
経験や知識が特定の会社にばかり蓄積され、諸般の事情で特定の会社が退いてしまうと途端に不具合が生じるという図式に関しても本書では詳しかったと思う。逆に言うと、万博のような諸外国の政府や団体が建物を建てて催しを行うようなことになると、酷く煩雑で、国内の建設業関係者が簡単に手を出せることでもないという様子、それ故の建設が遅々として進まない様子というのは当然なのかもしれない。
1970年の万博の後に関西は伸び悩んだという感なのかもしれない。或いは、その過去の上手く行かなかったが「繰り返される?」という見方も在るらしい。そんなことにも本書では触れられている。
また本書に関しては、この10年、15年の「大阪の政治」というような状況の故に万博を巡る様々な動きが在ったのかもしれないという問題提起、逆に言うと「最近の“大阪の政治”?」という問い掛け、更に「国内の政治?」という注意喚起につながる内容が在ると思った。
もう直ぐ万博は始まる。4月から10月であるそうだ。終わった後では確かに「善かった」に塗潰されるのであろう。故に「現在時点で“失敗?”という切り口で“問題”を挙げておきたい」という、本書の意図は有���だと思う。結局、終わってみて「善かった」に塗潰され、事前には「水を差すな!」で、疑義に関しては「黙れ!!消え失せろ!!」という話しになるのであろう。そういうことが長い間、随分と重ねられたのであろう。
色々な意味で1960年代や1970年代と時代状況が異なる中、五輪や万博というようなモノが社会や経済を好い方向に導くということになるのか否か、余りよく判らないような気もするのだが、本書は非常に有効な考える材料となるであろう。様々な事柄を巡って、疑義に関しては「黙れ!!消え失せろ!!」という話しになる傾向は間違いなく在ると観る。そういう観点でも本書は貴重だ。