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109件
金田一耕助ファイル
著者 横溝 正史
戦国の頃、三千両の黄金を携えた八人の武者がこの村に落ちのびた。だが、欲に目の眩んだ村人たちは八人を惨殺。その後、不祥の怪異があい次ぎ、以来この村は“八つ墓村”と呼ばれるようになったという――。大正×年、落人襲撃の首謀者田治見庄左衛門の子孫、要蔵が突然発狂、三十二人の村人を虐殺し、行方不明となる。そして二十数年、謎の連続殺人事件が再びこの村を襲った……。現代ホラー小説の原点ともいうべき、シリーズ最高傑作!!
カバーイラスト/杉本一文
金田一耕助ファイル20 病院坂の首縊りの家(下)
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2023/05/28 10:03
横溝は印象的なシーンを作り出すのが上手いとあらためて思う
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
再読ではあるが、まったく犯人も見立てを行う理由もすっかり忘れてしまっていたので、非常に楽しめた。このところすぐに疲れて読み進むのが億劫になりがちだったにもかかわらず読み進む手を止められなかった程だ。 覚えていたのは木から吊り下げられた姿。そして釣り鐘からはみ出した振り袖。横溝は印象的なシーンを作り出すのが上手いとあらためて思う。 『僧正殺人事件』や『Yの悲劇』などとの関連も気づけば楽しいし、何よりさりげなくて見過ごしてしまいそうな金田一の女性への想いも描かれていて横溝ファンなら粗末に扱えない作品。
八つ墓村 改版
2023/04/23 08:00
ワクワクとした冒険譚であるかのような読み心地
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:マーブル - この投稿者のレビュー一覧を見る
落ち武者伝説。その所有する金塊に目が眩んだ村人による惨殺。そして時を経て祟りのように起きる大量殺人事件。その記憶も薄れぬ20数年後に呼び返される殺人鬼である当主の忘れ形見。降ってわく莫大な財産の相続話に驚きながら帰郷する主人公。彼の来訪を妨げようとする村人たち。そしてまたしても発生する連続殺人。設定はおどろおどろしく、横溝作品への期待どおりなのだが、それよりもワクワクとした冒険譚であるかのような読み心地。主人公が部外者として血の呪いに悩むよりも好奇心や若者らしい恋愛感情などにウエイトを置いているせいか。
白と黒 改版
2002/04/25 14:22
現代的なテーマ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みこけん - この投稿者のレビュー一覧を見る
金田一耕介の登場する話は、地方の小さな村で起こるものが
多いですが、これは都心に近い郊外の団地が舞台です。
事件は平和な団地に突然怪文書がばらまかれることから
始まります。
題名の「白と黒」はその怪文書の一部であり、
この言葉の意味することが事件解決の鍵となっているわけです。
団地に怪文書が…までは、現代の日常生活にもありえそうで、なんとなく身近に感じられますが、そこからはさすがに金田一耕介もので、次々と殺人が起こります。
犯人の決定は、なんとなくこじつけっぽい感もあり、こんなに
長編にする必要はなかったのではと思いますが、
犯人の本性の醜さ、怖さみたいなものは他の作品同様、
ゾクっとくるものがあります。