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33件
「火村英生」シリーズ
著者 著者:有栖川 有栖
幻想を愛し、奇行で知られたシュールレアリスムの巨人―サルバドール・ダリ。宝飾デザインも手掛けたこの天才の心酔者で知られる宝石チェーン社長が神戸の別邸で殺された。現代の繭とも言うべきフロートカプセルの中で発見されたその死体は、彼のトレードマークであったダリ髭がない。そして他にも多くの不可解な点が……!? 事件解決に立ち上がった推理作家・有栖川有栖と犯罪社会学者・火村英生が難解なメッセージに挑む! ミステリー界の旗手が綴る究極のパズラー。
狩人の悪夢
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2017/02/14 03:22
抜群の安定感と、火村の悪夢
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこまねき - この投稿者のレビュー一覧を見る
本格推理のお手本のよう。
最後まで犯人探しにハラハラしながら、同時に有栖川先生の描き出す謎解きへの信頼感とともに読むことのできる良作です。
タイトル通り、「狩人」と「悪夢」がテーマになっています。
シリーズを通していうと、今作の見所は「火村の悪夢」になるでしょう。
火村の抱える闇に、アリスが今までになく突っ込んでいきます。
このシリーズのファンなら必読です。
ダリの繭
2003/07/29 15:48
ちぐはぐな謎
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:和音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大手宝石チェーン店の社長が神戸の別邸で殺された。それもフロートカプセルという機械の中で。そして、トレードマークだった髭がそり落とされていたのでした。殺人現場となった邸宅では、ウィスキーのボトルにグラスと酒を飲んだ形跡がそのまま残っているかと思えば、靴がなくなっていたり、衣服が下着をのぞいて全てなくなっていたりとどこかしらちぐはぐな感じを受け、火村は不快感を感じます。そう、このちぐはぐさが今回の事件の大きな特徴であり、全ての謎が解けた時、そのちぐはぐな事象について全て説明がつくのです。
まず犯人になりうる怪しい人物の数が比較的多く、みんなが怪しげな行動を見せるため、誰が犯人なんだろう?と読み手も推理に参加できてとても面白かったです。様々な局面で見られる意外性と火村先生のキレのある推理で大いに楽しめました。
ダリの繭
2018/05/05 23:20
長篇も面白い
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
有栖川有栖の火村シリーズ。いや~長篇も面白い。
関西弁の推理作家アリスと共通語の犯罪学者火村との掛け合いがおもろい。両方関西弁やったらこてこてになるやろけどね。
この作品は、サルバドール・ダリのウンチクがいささかうるさいのだけど、あまり冷酷な人は出てこず、ちょっとセンチメンタルなところもあって、なかなかよかった。
本格推理だけど、トリックにばかり走らず人間がしっかり描けているからいいなあ。
火村シリーズはまだまだあるので、これからも楽しめそうです。