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113件
警部補 姫川玲子
著者 誉田哲也 (著)
溜め池近くの植え込みから、ビニールシートに包まれた男の惨殺死体が発見された! 警視庁捜査一課の警部補・姫川玲子は、これが単独の殺人事件で終わらないことに気づく。捜査で浮上した謎の言葉「ストロベリーナイト」が意味するものは? クセ者揃いの刑事たちとともに悪戦苦闘の末、辿り着いたのは、あまりにも衝撃的な事実だった。超人気・姫川シリーズ第一作、待望の電子書籍化!
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感染遊戯
2012/01/26 19:24
誉田 哲也、短編でも腕の冴えを見せてくれました。でもなにより嬉しかったのは、あの関西弁を使うセクハラおやじが登場しなかったこと。大阪の人には申し訳ありませんが、関西弁のミステリ、特に刑事ものってなんだか変なんです。それがないだけでお話がこんなにスッキリするなんて、偏見ですよね、絶対・・・
8人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
雰囲気のあるカバー写真で、ちょっと映画風だなとは思いますがいいのではないでしょうか。帯を意識してカバー下半分をほとんど色だけにしていますが、裸にしてみてもさほど違和感がありません。文字の入れ方さえ工夫すれば、このまま文庫にも使えそうなデザインかな、なんて思います。このシリーズの泉沢光雄の装幀は安定しています。ちなみに写真提供は(C)MASAO HAYASHI/SEBUN PHOTO/amanaimages、(C)BLOOMimage/amanaimages。
で、今回は姫川玲子シリーズからのスピン・オフ短編集。出版社のHPの内容紹介文は
*
『ストロベリーナイト』のガンテツ。
『シンメトリー』/「過ぎた正義」の倉田。
そして、捜査一課姫川班最若手だった葉山。
捜査一課殺人犯捜査係のガンテツこと勝俣健作が手がけた、
製薬会社サラリーマンの殺人事件。
息子の起こした殺人事件によって刑事の職を追われる直前、
倉田修二がかかわることになった、二人の男女を襲った路上殺傷事件。
姫川玲子班解体直前、
殺人犯捜査第十係に所属していた葉山則之が担当した、
世田谷の老人同士の小競り合い。
事件の規模も様相もさまざまだが、共通している点が、ひとつあった。
それは、被害者の個人情報を、
犯人は何らかの手段で手に入れているらしきこと。
事件の背後には何があるのか!?
*
となっています。各話についても触れていますが、ここはあえて違う角度からそれぞれについて紹介しましょう。もちろん、初出も書いておきます。
・感染遊戯/インフェクションゲイム(「小説宝石」2008年7月号):事件の鍵は15年前に捜査一課殺人犯捜査係のガンテツこと勝俣健作が手がけた、製薬会社サラリーマンの殺人事件。大手製薬会社勤務の25歳の若者の死にまつわる様々な不思議・・・
・連鎖誘導/チェイントラップ(「小説宝石」2010年5月号):息子の起こした殺人事件によって刑事の職を追われる直前、倉田修二がかかわることになった麻布十番で起きた路上殺傷事件。34歳の女性は死亡、45歳の外務省勤務の男は重症、現場から逃げ去る男が目撃され・・・
・沈黙怨嗟/サイレントマーダー(「小説宝石」2010年8月号):仲良く碁を打ち合っていた老人が、相手の「待った」の一言で顔色が変わった。そしてついには傷害事件に。祖父の怪我に驚いた千尋は北沢警察署に行き、刑事課強行犯捜査係の葉山則之が対応して・・・
・推定有罪/プロバブリィギルティ(「小説宝石」2010年10月号~12月号):二係の指名で杉並署の殺人未遂事件を手伝うことになったガンテツ。しかも、被疑者は既に逮捕済み。問題は被疑者の服についていた血の量、とてもその事件だけのものとは思えない・・・
どの話も楽しめます。私としては、姫川の過去を言い立てるガンテツが登場するだけで、興味が半減するところがありますが、お話の出来がいいのでスルーしておきます。おまけに、この短編集には東京生まれながら関西弁で姫川に言い寄っては、肘鉄を喰っているあのオッサン刑事、蒲田署の巡査部長・井岡博満が登場しません。それだけでも心が休まるっていうものです。長編で疲れた頭を短編で癒してみてはいかがでしょう。
硝子の太陽Rouge
2016/05/19 09:43
姫川班。
4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エミー - この投稿者のレビュー一覧を見る
大満足のRサイド。一気読みでした。姫川班。菊田と姫川玲子が一緒に居ることが嬉しい。事件は今回も悲惨だったけど。これからもきっと続いていくであろうこのシリーズ。ずっと読んでいきたいです。
ノーマンズランド
2020/12/06 18:02
竹内さん主演でドラマにして欲しかった
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:future4227 - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり姫川玲子は竹内結子がドンピシャ。竹内版姫川玲子をもう見られないかと思うと残念で仕方がない。今回は姫川の暴走を上司も同僚も部下も総ぐるみでフォローしているのが、なんとも微笑ましい。あのガンテツでさえも。そしてガンテツ(これも頭の中ではもはや武田鉄矢)が悪徳警官に成り果てるまでの経緯が明かされるのも見どころの一つだ。北朝鮮工作員による拉致事件。警察も自衛隊も介入できない現実に打ちひしがれるしかない被害者家族。純愛物語と凄惨な殺人事件という対極的な物語が一つに混ざり合うとき、その結末に涙するしかない。