- みんなの評価
9件
カケラ
著者 湊 かなえ
美容外科医の橘久乃は幼なじみの志保から「やせたい」という相談を受ける。カウンセリング中に出てきたのは、太っていた同級生・横網八重子の思い出と、その娘の有羽が自殺したという情報だった。有羽は高校二年から徐々に学校に行かなくなり、卒業後、ドーナツがばらまかれた部屋で亡くなっているのが見つかったという。母が揚げるドーナツが大好物で、それが激太りの原因とも言われていた。もともと明るく運動神経もよかったというその少女は、なぜ死を選んだのか? 「美容整形」をテーマに、外見にまつわる固定観念や、人の幸せのありかを見つめる、心理ミステリー長編。
カケラ
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2024/10/29 17:13
良い本です
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:a - この投稿者のレビュー一覧を見る
章ごとに替わる登場人物との会話で物語は進んでいきますが、主人公が何を話してるかは書いていません。それなのに読みやすくて主人公含め登場人物のキャラクターもしっかり感じるし続きも気になったので、改めてすごい作家ですね。
カケラ
2023/02/10 12:17
うわべだけで判断する人
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
美容整形外科女医が、患者であった若い女性の自殺の謎を追い求め、その彼女に関係する人々を訪ね、話を聞き、やりきれない現代の生きづらさに気づかされる。自分と他者の違いを受け入れることが人たちが、物語に表れる。顔や体つきを含めた美醜でしか、判断しない人もいるだろう。自分の正義に基づいて、当てはまらない人を否定・批判するだけで、相手の正義に耳を傾けることをしない人に出会ってしまったための自殺だと気づかされる。自分の考えていることが社会正義だと信じているsocial justice warriornによる悲劇だった。
カケラ
2023/02/02 20:54
友利新先生の解説が最高
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみん - この投稿者のレビュー一覧を見る
インタビュー形式で語られる物語。
湊かなえさんらしい作品でした。
特に私は最後の、友利新先生の解説が最高に好きです。美容医療には縁のない暮らしをしていますが、
先生の「美容医療でうわべを変えれば、中身も変わると思っている」はとても思うところがありました。最近のSNSは、みんな同じような見た目を美しいと憧れ、他人と同じことをする。他人と違うところを「美」と思えず、みんな他人のコピーを目指す。
自分の正義を他人に押し付けてしまう先生のエピソードも、あるあるだと感じました。みんなそれぞれ、似たようなことをしてしまったり思ったりしたことがあるのでは?