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「維新革命」への道―「文明」を求めた十九世紀日本―(新潮選書)
著者 苅部直
明治維新で文明開化が始まったのではない。すでに江戸後期に日本近代はその萌芽を迎えていたのだ――。荻生徂徠、本居宣長、頼山陽、福澤諭吉ら、徳川時代から明治時代にいたる思想家たちを通観し、十九世紀の日本が自らの「文明」観を成熟させていく過程を描く。日本近代史を「和魂洋才」などの通説から解放する意欲作。
「維新革命」への道―「文明」を求めた十九世紀日本―(新潮選書)


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「維新革命」への道 「文明」を求めた十九世紀日本
2017/06/19 15:36
明治維新の精神史的状況
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーク - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治維新がなぜ「成功」したのかという問いは多くの歴史家によって論じられている。本書はそうした問いへの一つの回答であるが、それらを近世知識人の著作から読み解く点に特色がある。
「維新革命」への道 「文明」を求めた十九世紀日本
2017/07/17 16:33
江戸時代日本にあった近代文明の萌芽
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Takeshita - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は丸山真男を継ぐ日本政治思想史の権威だが、本書は自由、合理性、市場経済といった近代文明の根幹をなす思想が既に江戸時代の日本にあったことを論証する。蘭学者のみならず本居宣長のような国学者も天文学の合理性を学んでいたし、山片蟠桃のような町人も合理性と市場経済をよく理解していた。江戸時代末期には広く一般庶民までこうした自由、衆議、合理的思考が浸透しており、それが明治維新以降の近代文明受容を容易にしたと言う。博引旁証で面白いが、できれば比較としての朝鮮、中国の近代化進捗の遅れの例をもっと挙げて欲しかった。
「維新革命」への道 「文明」を求めた十九世紀日本
2020/10/01 21:25
「維新革命」への道
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「幕末」「明治」と分けるのではなく、19世紀という一つの流れの中で思想を見つめている。列強による砲艦外交や、尊皇攘夷の盛り上がりによって明治維新がなされたのではなく、その前に下準備のように、素養ができていたのではないか、という考えのもとに論を進めている。

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