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6件
君が手にするはずだった黄金について
著者 小川哲
認められたくて、必死だったあいつを、お前は笑えるの? 青山の占い師、80億円を動かすトレーダー、ロレックス・デイトナを巻く漫画家……。著者自身を彷彿とさせる「僕」が、怪しげな人物たちと遭遇する連作短篇集。彼らはどこまで嘘をついているのか? いま注目を集める直木賞作家が、成功と承認を渇望する人々の虚実を描く話題作!
君が手にするはずだった黄金について
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君が手にするはずだった黄金について
2023/10/30 20:09
小説家の私小説
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者自身と思われる主人公が、怪しい人達と遭遇する私小説短編集。その怪しい人たちは、成功を渇望し、承認欲求が強い人たちだ。そして小説家とは、何者かと、問いかけるニュアンスも含まれている。創作家と呼ばれる人の職業はなにかと問いかけているようでもある。苦笑いをしながら、楽しく読むことができた。
君が手にするはずだった黄金について
2023/10/18 16:28
私小説仕立て
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「小川哲」を主人公に、たわいない日常を私小説仕立てに描いた連作短編集。「小川哲」による「小川哲」の楽しみ方をレクチャーする取説のような作品。
『君のクイズ』と共通して、具に思考を覗けるちょっとした背徳感を味わわせてくれる、「小川哲」作品の最大の特長が本作でも炸裂していた。ふと蘇る、傍から見れば些末な失態に叫びたくなる衝動など、共感と面白さと少しの苦さがあってクセになる。
神経質そうなのに適当で、知りたがるのに関心がない。嘘なのか真実なのか掴み所がない展開に翻弄され、踊る私たちをまた「小川哲」が料理する、そんな未来が見えた気がした。
2025/05/21 19:30
良い
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年でいちばん好きな短編?集だった。文章のリズムが心地良い。全部嘘、と思わせておいて、本当が入り混じっている感じ。「三月十日」を読んで僕は日記をつけ始めた。タイトルになった「君が〜」は片桐主人公で長編になりそう。らしさ全開。