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ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義
著者 田中克彦
英語を初めて学んだ時、文の構造の違いや動詞の活用などに戸惑われた方も多いだろう。しかし世界には、単語を入れ替えさえすれば文意が通じる言語が多数存在する。ウラル・アルタイ語族に属する朝鮮語、トルコ語、フィンランド語、ハンガリー語、モンゴル語などだ。これらの言語は、文の構造ばかりか表現方法、つまりものの感じ方までもが共通している。このことから、言語を軸に連帯をはかろうとする運動、ツラン主義が一九世紀にハンガリーで現れた。それは虐げられた民族からの異議申し立てであり、その水脈は今も生き続けている。
ことばは国家を超える ――日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義
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ことばは国家を超える 日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義
2021/05/05 10:34
難解ですが面白かったです
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本語と同じような文法を持つ言語を数多く紹介した1冊です。どちらかというと、日本人にはマイナーな言語がたくさん紹介されています。
内容がないようなだけに難解ですが、読み進めるにつれ面白く感じました。途中、最大で1頁全面を飾る写真が使われており、読者を難解さから解放しようとしている体裁にはナイスアイディアと思えました。
ことばは国家を超える 日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義
2021/09/23 20:38
ツラン主義、ウラル・アルタイ語
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:H2A - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近読んだ本に出てきたツラン主義。そこにウラル・アルタイ語という今ではそんなに使われていない語族を取り上げた、題材だけから言っても稀少価値ある本。科学主義のよりどころになっていた音韻研究ではなくむしろ類型論を称揚し、アメリカ流に染まってそれを顧みない現在の日本の言語学者たちを批判する。西洋からでなくその周縁である、ロシアや東欧から見る非印欧語圏を重視するツラン主義、ユーラシア大陸の多くを占めるウラル・アルタイ語族を見つめる視点は非常におもしろい。議論の中に気まぐれなトリビアがあっても悪くないが、この視座に立っていたら、もっと大きくおもしろく書けただろうにと思った。
ことばは国家を超える 日本語、ウラル・アルタイ語、ツラン主義
2022/03/14 12:58
面白かったです
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:iha - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本語を含むウラル・アルタイ語にまつわるエッセイです。私には難しすぎたので、時を少しおいて再読したいと思います。