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応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱
著者 呉座勇一 著
室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七~七七)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか――。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。
応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱
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応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱
2016/11/29 12:12
有名な事件ですが、それをどれほど知っているのか、がわかる。
9人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ぴんさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「応仁の乱」といえば、だれもが知っている日本史上の事件。日本史の先生には「今の日本につながっているのは応仁の乱以降だ。」と言われたり、京都の人が「先の大戦」といえば応仁の乱を指す、と言われたりする割には、その構造をどれだけ知っているのか、というのは、心もとなかったりする。最新の成果も組み込みながら、新書というスタイルで描いているところがすごい。
応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱
2017/05/14 14:34
応仁の乱の歴史的意義が分かったような気がします
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
応仁の乱はなぜ起きて、何を残したのか。終章にコンパクトにまとめてあります。
つまり、畠山義就の上洛が引き金を引き、山名宗全の介入で、武士の面子を失った細川勝元との全面戦争となりました。さらに多数の大名を各々の陣営に引き込んだ結果、戦局は泥沼化。足利義政の無定見が戦乱に拍車をかけ長期化します。最終的には西軍がなし崩し的に解散し、1477年に形の上では終結しますが、局地戦はこの後もダラダラと続きます。結局、応仁の乱は京都を焼け野原にしただけで、一人の勝者も生まず、参戦大名の没落と戦国大名の台頭を招いたのでした。
とにかく登場人物が多くて、本の序盤で危うく挫折しそうになりました。そこで、細かな点は頭に入らなくても気にせずに、主要人物(畠山氏、将軍、山名と細川等)の動きだけは押さえながら読み進めました。諦めずに最後まで読んで良かったです。応仁の乱の歴史的意義が分かったような気がします。終章の末尾に書いてありますが、戦乱の時代をしたたかに乗り切り、詳細な記録を残した経覚と尋尊のお陰で、応仁の乱の詳細な経緯を知ることができました。
視聴率は取れずとも、畠山義就あたりを主役にした大河ドラマを作ってほしいと思いました。
応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱
2016/11/07 22:20
アプローチのユニークさ
6人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:るしあ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前著の評価が高かったので、期待して購入しましたが、期待以上の素晴らしい作品でした。応仁の乱を取り上げた本はいくつか読んでいますが、大和国守護としての役割をもった興福寺、その国衆からのアプローチはユニークで、とても感心させられました。僧侶の日記はこれまでも取り上げられているはずですので、ある意味オーソドックスな研究手法なのかもしれませんが、応仁の乱に関する一般向けの本ではこのような紹介はなかったように思います。これまでの人物評にとらわれず、冷静かつ多角的に登場人物を描く著者の筆致に感銘を受けます。室町時代ファンとして大満足の作品が1つ増えました。