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4件
宇宙からの帰還 新版
著者 立花隆 著
宇宙から地球を見る。この極めて特異な体験をした人間の内面には、いかなる変化がもたらされるのか。
十二名の宇宙飛行士の衝撃に満ちた内的体験を、卓越したインタビューにより鮮やかに描き出した著者の代表作。
宇宙とは、地球とは、神とは、人間とは――。知的興奮と感動を呼ぶ、壮大な精神のドラマ。
〈巻末対談〉野口聡一×立花隆
〈巻末エッセイ〉毛利衛
【目次より】
宇宙からの帰還
第一章 上下・縦横・高低のない世界
第二章 地球は宇宙のオアシス
神との邂逅
第一章 伝道者になったアーウィン
第二章 宇宙飛行士の家庭生活
第三章 神秘体験と切手事件
狂気と情事
第一章 宇宙体験を語らないオルドリン
第二章 苦痛の祝賀行事
第三章 マリアンヌとの情事
政治とビジネス
第一章 英雄グレンとドン・ファン・スワイガート
第二章 ビジネス界入りした宇宙飛行士
第三章 宇宙体験における神の存在認識
宇宙人への進化
第一章 白髪の宇宙飛行士
第二章 宇宙体験と意識の変化
第三章 宇宙からの超能力実験
第四章 積極的無宗教者シュワイカート
宇宙からの帰還 新版
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宇宙からの帰還 新版
2020/12/09 10:04
ジャーナリスト立花隆氏による宇宙から地球を見るという特異な体験をした宇宙飛行士の内面を探った一冊です!
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ジャーナリストとして活躍され、『思考の技術』、『文明の逆説』、『田中角栄研究 全記録』、『日本共産党の研究』などの素晴らしい作品を発表された立花隆氏による作品です。同書は、宇宙から地球を見るという、この極めて特異な体験をした人間の内面には、いかなる変化がもたらされるのか?ということをテーマに展開された内容となっています。12名の宇宙飛行士の衝撃に満ちた内的体験を、卓越したインタビューにより鮮やかに描き出した著者の代表作です。同書の構成は、「宇宙からの帰還」、「神との邂逅」、「狂気と情事」、「政治とビジネス」、「宇宙人への進化」となっています。ぜひ、一度、読んでみてください。
宇宙からの帰還 新版
2020/08/29 21:39
40年読み継がれてきたノンフィクション
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は米国の宇宙飛行士10名以上に、知の巨人である著者がインタビューした内容である。
宇宙飛行士が帰還すると直ちにアメリカ航空宇宙局(NASA)の各分野の専門家が、飛行の過程で体験したあらゆることについて徹底的な聞き取りを行う。この聞き取りはあくまで技術的かつ科学的側面に限定されている。筆者はNASAの聞き取り内容から外れている心理的精神的側面、神の存在、宇宙体験による意識の変化、宗教観など知の巨人らしく哲学的質問を宇宙飛行士に投げかけており、一読してすべてを理解できるほど簡単な内容ではないものも含まれている。本書の初出は1981年から82年に『中央公論』の連載、その後1983年に単行本、1985年に文庫本、今回日本人宇宙飛行士2名の巻末エッセイなどが加えられての文庫本新版であり、今までに多くの読者を引き付けてきた証でもある。
宇宙空間から見える青い天体の地球の美しさに宇宙飛行士たちは最も大きなショックを受けるらしい。写真では、その美しさは絶対伝わらない、宇宙から地球を見ていると国際政治における対立抗争のすべてが実にバカげて見えるという。ある宇宙飛行士の「米ソ両国の指導者を早くロケットに乗せて、宇宙から地球を見させるべきだ。そうすれば、世界ももっと平和になるだろう。」というコメントは印象に残った。今は二国の指導者を宇宙に送れば解決できるほど単純な国際情勢でないところが悩ましい。
宇宙からの帰還 新版
2021/10/03 21:35
この本で、どうして彼が「知の巨人」と言われていたのかが理解できた
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者・立花隆氏は今年(2021年)鬼籍に入られた、ご冥福をお祈り申し上げます。マスコミでは逝去にあたって「知の巨人」だったと、頻りと伝えた。それがどういう意味だったのかは、この本を読んでみてすぐにわかった。アメリカの宇宙飛行士へのインタビューが、彼らが宇宙から地球を見たとき何を思ったのか、そして彼らが何を伝えたかったのか、ということが完全に網羅されていたからだ。立花氏が航空学の専門家であればそれは当たり前のことだったかもしれないが、彼が大学で学んでいたのはフランス文学と哲学だったのだ。宇宙飛行士は地球に生還したあと、宗教家になる人が多いとミスリードする人がマスコミにはよくいるが、そういう人もいるという程度のようだ、しかし、宇宙からの帰還者の多くは世界観が変わったことは事実のようだ。