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台湾漫遊鉄道のふたり
炒米粉、魯肉飯、冬瓜茶……あなたとなら何十杯でも――。
結婚から逃げる日本人作家・千鶴子と、お仕着せの許婚をもつ台湾人通訳・千鶴。
ふたりは底知れぬ食欲と“秘めた傷”をお供に、昭和十三年、台湾縦貫鉄道の旅に出る。
「私はこの作品を過去の物語ではなく、現在こそ必要な物語として読んだ。
そして、ラストの仕掛けの巧妙さ。ああ、うまい。ただ甘いだけではない、苦みと切なさを伴う、極上の味わいだ。」
古内一絵さん大満足
1938年、五月の台湾。
作家・青山千鶴子は講演旅行に招かれ、台湾人通訳・王千鶴と出会う。
現地の食文化や歴史に通じるのみならず、料理の腕まで天才的な千鶴とともに、
台湾縦貫鉄道に乗りこみ、つぎつぎ台湾の味に魅了されていく。
しかし、いつまでも心の奥を見せない千鶴に、千鶴子は焦燥感を募らせる。
国家の争い、女性への抑圧、植民地をめぐる立場の差―――
あらゆる壁に阻まれ、傷つきながら、ふたりの旅はどこへ行く。
台湾漫遊鉄道のふたり
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紙の本台湾漫遊鉄道のふたり
2024/02/01 10:56
台湾人と日本人の微妙な関係
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
青山千鶴子という作家が台湾に講演旅行に招かれたときのことを綴った旅行記、なのだが構造が結構複雑でまず頭の中で整理する必要がある、まず青山千鶴子という作家は存在しないということ、それと元々は中国語で書かれた台湾の小説家が書いたものであるということ、あとがきを青山千鶴子の養女、秘書・千鶴、千鶴のむすめが書いていたりするから台湾では「虚構を現実の様に偽った」という人も現れたりしてひと悶着あったようだ、あらしじは千鶴子と秘書の楽しい鉄道とグルメの旅が続くのかとおもいきや、そう簡単なストーリーではないことが徐々にわかってくる、秘書の千鶴はそう単純な人ではないのだ、主人公は発言の節々に見られる傲慢さが台湾人の千鶴を傷つけているという事実にずっと気が付かずにいるのだ、彼女には台湾人としての誇りがあるのだ
紙の本台湾漫遊鉄道のふたり
2023/08/14 18:08
期待以上にグルメだった!
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:qima - この投稿者のレビュー一覧を見る
マンガでもなく、アニメでもないのに、こんなに美味しそうな台湾グルメを文章で表現できるってすごい。主人公もヒロインも、登場人物全てが魅力的です。おすすめ!
電子書籍台湾漫遊鉄道のふたり
2023/11/24 19:38
台湾・鉄道の夢!?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たこい - この投稿者のレビュー一覧を見る
台湾統治時代の昭和13年春からの1年間、人気女流作家が現地に招かれ講演会をこなしながらいく先々で美味しそうな料理を食べまくる(景観、鉄道の描写も今は見れないものを盛りだくさんに入れ込んである)。
相方は現地通訳の少女。おきらくごくらくな百合グルメ小説のように始まりながら、立場の異なる二人の関係が苦い読後感を残す。
本編が終わった後のあとがきが多層的な感動をもたらす多重構造。
ある意味では推理小説的でもあり、またある意味百合グルメ版『鉄の夢』、という観点ではオルタナティブなSFとも捉えられるかもしれない。