- みんなの評価
16件
俺ではない炎上
著者 浅倉秋成(著)
外回り中の営業部長・山縣泰介が帰社すると、社内の様子が変だった。どうやら泰介が「女子大生殺害犯」であるとされて、すでに実名、写真付きでネットに素性が晒され、炎上しているらしい。まったくの濡れ衣だが、Twitterで犯行を自慢するアカウントは実に巧妙で、見れば見るほど泰介のものとしか思えず、誰一人として無実を信じてくれない。会社も、友人も、家族でさえも・・・・・・。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になり、誰も彼もに追いかけられる中、泰介は必死の逃亡を続ける。
俺ではない炎上
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
俺ではない炎上
2023/01/25 13:35
やられた感と内省に満たされる
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
話題になったのも納得の面白さだった。
「炎上」がテーマだけに、舞台となるのはネット。タイトルからして、そして登場人物も比較的若く、若者向けのライトミステリーに見せかけながら、そうではない。
現代的なツールを利用した犯罪小説ではあるが、ネットの落とし穴や罠を批判するものではない。目が離せない逃亡劇であり、ネット空間であまりにいい加減に発言する人々や、常に「自分は間違っていない」と自身を正当化していきている人間の姿を問う社会派?ミステリー作品でもあり、自己省察を迫られる。
猟奇的殺人犯に仕立て上げられ、「炎上」する主人公はどこにでもいそうな中年の会社員男性で、はからずも「炎上」に一役買って出るのは、意識高い系の大学生。
語り手を変えながら、進んでいく謎解きの結末は……。
犯人が分かったとき、納得する一方で、一瞬、「???」となる。
ああ、そういうことか、やられた!と、ページを戻って読み直してしまった。悔しい。
俺ではない炎上
2022/10/06 16:07
面白かった!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なっとう - この投稿者のレビュー一覧を見る
読者の思い込みや、決めつけをも利用した良質ミステリー。
めちゃめちゃ面白かったです!
読後感も爽やかで大満足!
俺ではない炎上
2022/09/19 06:39
叙述の妙
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ツイッター上に現れた凶悪犯罪の画像。たまたま目にした者がリツイートし、拡散していく。
ツイッター主だろうと特定されたのは、SNSなど全くしていない中年の男性。
「俺ではない炎上」からどうやって逃げる?
後手に回る警察、勝手に制裁を加えようとする者たち。
追い込まれていく男性の心境と逃走劇、そして巧みに語られる外野の状況。